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軽快な走りと高いデザイン性を誇るロードスターとトラッカーモデル。ハーレーダビッドソンのライトウエイトスポーツバイクX500&X350を試乗!!

目次

ユーザーの裾野を広げたライトウエイトスポーツモデル

ハーレーダビッドソンといえば、ロー&ロングの堂々としたクルーザータイプが主流で、その知名度はバイク乗りならずとも知れ渡った世界的なもの。しかし2023年には、X500とX350という中排気量のライトウエイトスポーツモデルもラインナップし、初心者や女性などよりユーザーの裾野を広げた。

今回、モトメガネ編集部は7月末に南箱根のバイカーズパラダイスで行なわれた2024年モデル試乗会に参加。そこでこの話題のライトウエイトスポーツモデルを試乗したので、そのインプレションをお届けする。

南箱根バイカーズパラダイスは、周囲にワインディングがたくさんあり、今や有名なツーリングスポットだ。
https://www.bipa.jp/
試乗会時、バイカーズパラダイスにはハーレーダビッドソンのアパレルなども展示された。

X500:全体的にギュッと詰め込まれた筋肉質な「塊感」

X500とX350は、アメリカ本国で設計され、イタリアのベネリブランドを所有する中国のQJモータースで生産される中間排気量モデルだ。エンジンは、ハーレーお得意のV型2気筒ではなく、いずれも水冷並列2気筒DOHC4バルブの360度クランクを採用。フレームはスチール鋼管フレームながら500と350では、タンク、シート、シートカウル、サスペンションなど、異なる点が多いのが特徴だ。

まず1台目に試乗したのは兄貴分であるX500だ。そのルックスは近年主流になりつつあるネオクラシックやスクランブラーと呼ばれるカテゴリーに属すスタイルだ。ハーレーダビッドソンではこれをアメリカンロードスターと位置づけている。

初見はまずコンパクトであるということ。こんもり盛り上がったティアドロップ型の燃料タンクとスチール鋼管フレームに抱かれブラックアウトされたエンジン、そこから繋がるシートや、カットアウトされたショートリアフェンダーなど、コンパクトながらも全体的にギュッと詰め込まれた筋肉質な「塊感」が実に男前だ。筆者はTC88のダイナローライダーを所有するが、やはりそういったVツインモデルから比べるとコンパクトながら、これはこれで男の琴線を震わすあたりがハーレーダビッドソンらしい。

ハーレーダビッドソンX500:価格83万9800円~
X350と共通の丸型ヘッドライト。イグニッションをONにするとリング状のDRLとHARLEY-DAVIDSONのロゴが浮き上がる。
ボリューム感のあるフューエルタンクの容量は13.1L。
エンジンは水冷並列2気筒DOHC4バルブの360度クランクを採用。
フレームはスチールパイプで組まれたエンジンを吊り下げるタイプ。
スイングアームから伸びたナンバーステーが近年のネオクラシックらしいデザインだ。
リアサスペンションはリンクを介さない軽量シンプルな直押し式モノショックを採用。
車体の右側に手動のリモートプリロードと伸側ダンパー調整付き。

X500:トルクフルで扱いやすいエンジンと車体

エンジンをかけて走り出すと、その塊感が操舵に大きく影響していた。よくバイクのインプレッションで「マスの集中化」という言葉を聞くと思うがまさにそれで、核となるエンジンの周りにパーツが集中していることで、ライダーとバイクとの一体感がはっきりとわかる。

今回は主に箱根のワインディングでの試乗なのだが、エンジンの出力特性もわかりやすく、初じめて乗るにもかかわらず加速、ブレーキング、コーナーの進入タイミングなど、すぐにX500と仲良くなれたのが印象的だ。前後17インチのキャストホイールは小回りが効き、極太のφ50mm倒立フォークもしっかりとコーナーで踏ん張りタイヤのグリップ感も上々。なにより47ps/8500rpmのエンジンはトルクフルで、ワインディングでは5000rpmも回せば充分にスポーツ走行を楽しむことができる。

水冷並列2気筒DOHC4バルブエンジンは最大出力47hp/8500rpm、最大トルク46Nm/6000rpmで発揮する。ビッグツインのような鼓動感と振動はないが、360度クランクは本来振動を打ち消すテイストであるにもかかわらず、そこにはしっかりとしたパルス感があり、加速と共に気持ちよく回転が上がっていく。

またポジションに関しては820mmというシート高なので、165cm~170cm前後の標準的な日本人男性であれば、ほぼ足つきに不安はない。車両重量も208kgとこのクラスでは標準的なものなので、初心者や女性でも取り回しはそこまできつく感じないはずだ。

シート高は820mmと、このクラスではやや高めだが、そのぶん膝の曲がりが緩やかなので、乗車中の窮屈感はない。
ライダーの身長は168cm、体重75㎏。両足の前半分はしっかり着くので不安感はない。

往年のダートトラッカーをフィーチャーしたデザイン

X350はX500の弟分的なモデルだ。全体的な印象としてはX500に似ているが、タンク形状、フレーム、サスペンションの位置、サイレンサー、シートカウルなどあらゆるパーツが異なる。X500がアメリカンロードスターならば、こちらは1970年代にかつてハーレーダビッドソンが大活躍したダートトラッカーXR750のデザインをフィーチャーしたものだろう。ホワイトやオレンジのカラーリングだとX500よりもポップで躍動感のある印象。ラジエーターのシュラウドが近年スーパースポーツ界隈で人気の「ウイング」っぽいデザインなのも見逃せないポイントだ。エンジン形式はX500と同じ水冷並列2気筒DOHC4バルブの360度クランクだが排気量は353cc。つまり日本では普通二輪免許で運転できる、唯一のハーレーダビッドソンなのである。

ハーレーダビッドソンX350:69万9800円~
燃料タンク容量は13.5L。X500よりもスリムな印象なのに400cc多いのだ。
エンジンは水冷並列2気筒352.8cc。ボア×ストローク:70.5×45.2mmというショートストローク型だ。
このラジエーターをガードするシュラウドが近年流行中のウイングのようなデザインだ。
リアサスペンションはリンクを介さない軽量シンプルな直押し式モノショックを採用。
フラットトラッカーをイメージしたシートカウルには、ショートサイズのシートを装備。
ヘッドライトはX500と同様にイグニッションオンで、ロゴが浮かび上がる演出がにくい。
灯火類はすべてLEDで統一されている。

リズミカルで軽やかに回るエンジン

X500に比べると、全体的な質量はそれほど変らないが、乗る前に車体を押してみると、明確に軽いのがわかる。排気音はさすがにX500のほうが野太いサウンドだが、こちらは軽快でリズミカルという感じ。そしてそのリズミカルさは、走り出すとさらに明確に浮き出てきた。

X500よりもヒラヒラと車体をひるがえすことができ、とくにワインディングの登りでは、DOHC4バルブがストレスなく高回転まで回る。低回転域ではパルスを感じていたエンジンは、いつの間にかパルス感が消え、シームレスなマルチエンジンのように伸びやかに回っていく気持ちよさが味わえる。また車体は鋼管トラスフレームのおかげか、X500よりもしなやかな印象だ。これなら免許を取ったばかりの初心者のみならず、ベテランライダーは高回転域を扱う楽しさを堪能できそうだ。

X350のシート高は777mmで低め。ステップの位置がX500にくらべやや後方だ。
ライダーの身長は168cm、体重75kg。足の前半分つき足つきは良好。

素直に嬉しいリーズナブルな価格帯

物価がなにもかも値上がりし、円安で輸入も悲鳴をあげている昨今。ハーレーダビッドソンだと最高峰CVOのロードグライドだと562万9800円という庶民にはなかなか手の届きにくい価格帯であるわけだが、このXシリーズならX350が69万9800円~、X500が83万9800円~という価格帯だ。

これはひとえにベネリ社の車両をベースにしていることが大きいが、この価格帯でハーレーダビッドソンのオーナーになれるというのは素直に嬉しいことではないだろうか。

もちろんOEM仕様とはいえ、X350とX500はそれぞれに時代と歴史背景にあったハーレーらしいデザインを帯びているから、そこに安っぽさは微塵も感じられない。昨今ではBMWのG310シリーズがインドのTVS社製OEMだし、その他にも欧州メーカーが企画して生産はアジア圏というモデルはけっこう多い。そんな流れを見ると、ハーレーダビッドソンが中国のQJモータースのOEMでも違和感を覚えない時代になってきているのだ。

そういった意味でも、このXシリーズは憧れのハーレーダビッドソンに乗ってみたいという初心者から、体力に自信のなくなってきた高齢ライダーや、久々にバイクに乗るリターンライダーまで、幅広い層に受け入れられるモデルと言えるだろう。

スペック

X500
全長×全幅×全高:2135×875×1150(mm)
ホイールベース:1485(mm)
シート高:820 (mm)
車両重量:208(kg)
エンジン:水冷並列2気筒DOHC4バルブ
排気量:499.5cc
内径×行程:69×66.8(mm)
圧縮比:11.5
最高出力:35kw(47hp)/8500rpm
最大トルク:46N・m/6000rpm
燃料タンク容量/13.1L
ブレーキ形式:油圧式ダブルディスク(前)、油圧式ディスク(後)
タイヤ:120/70ZR17(前)、160/60ZR17(後)
車両価格:83万9800円~

X350
全長×全幅×全高:2110×785×1070(mm)
ホイールベース:1410(mm)
シート高:777 (mm)
車両重量:195(kg)
エンジン:水冷並列2気筒DOHC4バルブ
排気量:353cc
内径×行程:70.5×45.2(mm)
圧縮比:11.9
最高出力:27kw(36hp)/8500rpm
最大トルク:31N・m/7000rpm
燃料タンク容量/13.5L
ブレーキ形式:油圧式ダブルディスク(前)、油圧式ディスク(後)
タイヤ:120/70ZR17(前)、160/60ZR17(後)
車両価格:69万9800円~

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