インドネシア・ ジャワ島のセントウルサーキットにやってきました。国内唯一の国際サーキットです。 本日ここで闇レース(ギャンブルレース)が行われます。 世界から絶滅したと思われた2ストロークは、ここではメイン車両。小排気量のマシンが中心なので、ロケットスタートができる2ストロークはレースに有利なのでしょう。現地から懐かしい音とオイルの匂いをお届けします。
国が変わればルールも変わる
インドネシアでは真夜中に非合法なギャンブルレースを公道で開催しています。今回は闇レースながらコースを貸し切っての開催となりました。
2ストロークは、カワサキNinja150SSがベースマシンとして選ばれています。レースで勝つと、お客さんがチューニングショップに殺到し、大金が転がり込むので、レーサーもチームも気合が入っています。トップマシンは60馬力で、昔のRS125よりもスピードが出ます。 燃料はAVガスを使っているそうです。
そんなに痩せていて大丈夫?華奢なライダーたち
レースに出場するライダーは16歳以上とのことですが、とにかく細い。体重が軽いとレースに有利に働くので、痩せたライダーの奪い合いだそうです。とても華奢で「小学生か中学生?」と思うくらい実年齢よりも幼く見えます。インドネシアのローカルではほとんど英語が通じませんが、「日本から来た」と伝えると友好的に接してくれました。
金を掛けないレースなんて、ただの駆けっこだ!
こちらはインドネシアでも1、2を競うチューナーが率いるチームです。4ストロークのスクーターベースのマシンもレースに参加しています。 かなり細かくチューニングを施していました。各ライダーが持っているポシェットの中にはGPSが入っていて、レース後に正確なデータをとっているそうです。 ライダーとチームはレースで飯を食っているので、かなりシビアな部分が見られました。
このレースはギャンブルなので、会場はピリピリとした雰囲気が漂っています。そうは言っても、カメラを向けるとニコニコしてくれる。これが東南アジアのよさです。
なんと、路面にガソリンを撒いています。路面のグリップを上げるためだそうですが…
これは意味があるのかな?
レースには高額な金額がかけられています。話によると1億ルピア。日本円だと100万円くらいですが、インドネシアではかなりの大金です。
一攫千金獲得のライブショーが始まる!
注目のレースが始まります。ギャラリーが近すぎて、バイクが飛んできたら当たってしまうのではないかと心配になりました。闇レースでありながらとても明るく、インドネシア国内でネット配信も行われています。
スタートの合図としてフラッグが振られますが、両者の呼吸が合ってスタートするのもOKです。相手のマシンにトラブルが発生したら修理できるまで待つなど、混沌とした中にも秩序が保たれています。 阿吽の呼吸でGO!
最善を尽くした結果の敗北は未来につながる
想像以上のバトルで、スタート地点からはどちらが勝ったのかわかりません。ライダーが戻ってきて、勝利をチームに報告します。勝ったチームは大騒ぎ。負けたチームからも「実力を出し切った」という感じがヒシヒシと伝わってきました。
日本では受け入れられないかもしれませんが、インドネシアでギャンブルは娯楽なのです。 レース後はお互いのチームでエンジンをチェックし合うそうです。 そうすることで勝つための技術力を高める。そんなように感じました。
しんたろう炎の動画「2ストローク全盛の闇レース!世界は広い!熱狂!」では、レースの様子をたっぷりと紹介しています。 東南アジアらしい大らかな雰囲気と、2ストロークの懐かしい音と匂いを感じてください。
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この記事では、動画「Shintaro.Nakayama 炎のしんたろう」チャンネル協力のもと、モトメガネ編集部で記事を再編集。ジャンル&排気量を問わず、さまざまなバイク情報を取り上げています。