今回は達人たちのブレーキングテクニックを見ていきたいと思います。観察させていただいた場所は大分県オートポリスサーキットです。全日本ライダーのテクニックについて好き勝手なことを言わせてもらいました。
大分県オートポリスサーキットは、全長4,674mの長さを誇る、FIAグレード2の国際公認コースです。18あるコーナーの中で最大のグランドスタンドが設置されている第1コーナーは、もっとも観察しやすいブレーキングポイントと言えるでしょう。
排気量1000ccのマシーンなら時速300キロから100キロでのフルブレーキングとなります。このコース最大のパッシングポイントでもあり、一番見応えがある場所です。それでは各選手のブレーキングを見てみましょう。
#1 中須川克行選手
中須川選手はリアが浮き上がるギリギリのところでコントロールしています。 初期からグーッとバイクを曲げる旋回パートは、コーナーリングで一番重要な区間です。そこからアクセルを開けて、少し向きを変えながらまっすぐ立ち上がっています。
#15 渡辺一樹選手
リアタイヤが浮き、ジャックナイフのような状態でコーナーに突入しています。パニックブレーキのように見えますが、きっちりと速度をコントロールしていて、第1コーナーに対して適切な速度で車体姿勢を作ってラップタイムを縮めています。
ブレーキングは根性試しなどではなく、コーナーを曲がるのに一番適した速度に調整する作業が必要です。今やトラコンやタイヤの進化で立ち上がりに差が出なくなっていますが、ブレーキング進入はライダーのテクニック差が出る操作です。
#6 亀井雄大選手
亀井選手は小柄なので、大きな挙動が出ないように丁寧にブレーキングしていました。滑らかな旋回で綺麗に立ち上がっています。僕の勝手な推測ですけれども、ブレーキング時での自由度は手足が長いライダーに有利なので、それができないがゆえに繊細な操作をしている感じがします。
#27 作本輝介選手
作本選手は飛び込みの勢いがあります。スローで見てもわかるぐらい上半身の力が抜けて、リラックスしてブレーキングしています。まるでバイクと体でダンスをしているようでした。強靭な下半身ホールドの筋肉もあり基礎はバッチリです。
#29 岡本祐生選手
ブレーキングする時に若干外足がフワフワしているように見えます。そうすることで余計な力を抜いているのでしょう。このコーナリング技術は実践して見ないと説明できません。今度やってみようと思います。
#15 渡辺一樹選手
ブレーキングは、短距離で最大に減速するのが理想ですが、リアがせり上がるとブレーキを緩めざるを得ず絶妙なコントロールが必要になります。コーナーで理想の車体姿勢にするためには、フルブレーキングした状態から荷重を後に乗せなければなりません。渡辺選手はセオリー通りのコーナリングを実施しています。
#2 濱原颯道選手
濱原選手は、大柄な体を最大限に活かして乗っています。フルブレーキングした時にリアが起き上がるのを全身を使って荷重をかけてタイヤを潰す。それによって時間を掛けずにリアタイヤを安定させてコーナーに入れてアドバンテージを得ているように見えます。
#3 清成龍一選手
清成選手の走りはギューンとGが来る感じです。開幕前に負った怪我が回復せず思ったような結果に繋がらないもどかしさはありますが、ファンは復活を待っています。
達人のテクニックを真似ることでコーナリングが上達するはず。この続きは、しんたろう炎の動画「プロのフルブレーキングをじっくり考察!ヤマハワークス&ヨシムラが凄い!」をチェックしてください!
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この記事では、動画「Shintaro.Nakayama 炎のしんたろう」チャンネル協力のもと、モトメガネ編集部で記事を再編集。ジャンル&排気量を問わず、さまざまなバイク情報を取り上げています。