ZEKURA BIKE X-SYN 10W-40 MA
バイクの消耗品の中でも最も交換サイクルが頻繁なのがエンジンオイルではないでしょうか。
近年の機種では1万キロもしくは1年と若干長めの交換タイミングが指定されているケースが多いですが、少し前までは3000kmもしくは3ヶ月ごとの交換というのが一般的でした。
バイクのエンジンはやはり高回転を多用しますし、クラッチやミッションまでエンジンオイルで潤滑されている(輸入車や60年代の国産車などは別体ミッション車もあり)ので、オイル的にはやはり厳しい環境にあります。
私、個人的にはやはり現行車でもオイルは早めの交換に越したことはないと思います。環境面やコスト面は別にすれば。
交換前後で違いを体感できるのがエンジンオイル
数ある消耗品の中でもオイルは交換の前後で変化を少なからず体感できる部類のものと思います。程度の差はありますが、オイルが新しくなるとおおむねミッションの入りが格段に良くなるし、エンジンもスムーズに回るようになるものです。
しかし、それが継続するかというとそうでもないのです。安価なオイルなどでは数時間走るともう前のオイルとの違いがわからくなりことも多いです。
私も今まで数々のバイクを乗り継いできて、様々なオイルを使ってきましたが、こういった印象を抱いてきました。
その点、確かに高性能オイルは良いのです。安価なオイルに比べると良好な変化は明らか。また、サーキットなどでレブリミット付近の高回転を多用した際の油膜保持性能では大きな違いが出るでしょう。
ただ、公道ばかり走るライダーにとってはコストと性能を天秤にかけてみると、高性能オイルを選ぶメリットが弱いような気がしていたのが確かなところです。
オイルでエンジンフィーリングが一変したのを初体験!
確かにオイルはエンジンにとって重要なのですが、オイルがその機種固有のエンジンフィールまでを変化させる影響力は無いと思っていました。
しかし、ここで紹介するエンジンオイル「ZEKURA BIKE X-SYN 10W-40 MA」を今回使ってみて、私のVMAX1200のエンジンは明確に変わったのです。
国内で唯一「次世代添加剤PAG」を配合したエンジンオイル
私自身その名を知らなかった「ZEKURA」は某国内有名オイルメーカーから独立した代表が創業した新鋭オイルメーカー「株式会社潤研」の日本製エンジンオイルブランド。
「ZEKURA BIKE X-SYN」には高性能オイル代名詞となっている添加剤「エステル」よりも酸化安定性・熱安定性に優れた次世代の添加剤「特殊PAG」が配合されており、軽負荷時に潤滑皮膜を形成することで金属同士の接触を防ぐことが期待できるとのこと。
また、エステルの弱点である水の混入に対して強いのも特徴のひとつ。特に寒い季節のエンジン始動直後はクランクケース内が結露してかなりオイルに水が混じって性能を低下させていきます。
酸化、熱、水分の混入に強いということは、結果的にオイル性能が継続することになり、オイル交換後の良好なフィーリングが長持ちするこということを意味します。
ただ、ベースオイルに対する添加剤の量は多ければ良いというわけではないので、PAGは、そのブレンドが非常に難しいそうです。そういったハードルをクリアして商品化された国内唯一のエンジンオイルということになります。
日中も気温の低い日が続いてきている昨今、オイル交換の前に少し近所を走って、油温を上げてオイルを抜きやすくしておきました。結果的に時間をあけずに新旧オイルの違いを実際に体感できることになりました。今までは非純正の化学合成油を使っていました。
楽しいけど疲れるVMAX1200のエンジンフィール
私のVMAX1200は80年代設計のエンジンですし、独特の不等間隔点火であって、今のバイクと比べると少し癖のある乗り味です。
乗れば非常に楽しいのですが、とにかく角の立ったエンジンフィールでガサツに回転が上がりますし、スロットルオフのエンブレでも硬質な感じがあって、まあ疲れるのであまり遠出はしたくありません。
そういったフィーリングを少しでも抑えるために、今までにキャブレターの同調をしっかり取り直してみたり、クランクケース内圧コントロールバルブを装着してみたりして、幾分かの改善は見られました。
しかし、すべてを消し去ることはできず、というかそれをすべて無くすことはエンジンの個性を消すことだとも思っていたのです。それに、こういったフィーリングはエンジンオイルで変わるものとは認識していませんでした。
大排気量エンジンなので、真冬でも少し信号待ちが続くと水温が上がってファンが回りっぱなしになります。そうなると、油温も上がって途端にシフトチェンジのフィーリングが悪化するのです。これがまた不快なのでした。
さらに油温が上がるとシフトダウンの時にギア抜け症状が出ることもありました。ギア抜けの頻発はいずれミッション交換の大手術に繋がるので、ここも悩みの種なのでした。
オイル&エレメント交換を実施!ZEKURA BIKE X-SYN 10W-40 MAを注入
BIKE X-SYNの効果は交換後、ギアをニュートラルから一速にシフトした時にすぐに体感できました。
これまでニュートラルから1速に入った時の「バコンッッ!」といった壮大な音と振動が影を潜め「シャコン!」というように実にスムーズにシフトが入ったのです。これは我がVMAX史上初めての体験で期待に胸が高まります。
そこからクラッチを繋いでいくとスムーズに思い通りの発進ができました。低速の扱いにくさは影を潜め、そこからの加速も非常にジェントルかつ力強いものになっています。
エンジンの角が取れてまろやかさが際立ちつつ、それでいてVMAXらしさは失われていません。
オイル交換だけでこれだけエンジンフィーリングとか、乗りやすさなどが変わるものかと少し面食らいました。
VMAX1200らしさもしっかりクリアに見えてくる
VMAXはVブーストと呼ばれる独特の機構を持っていて、だいたい7000回転を超えると前後キャブのインレットマニホールドが繋がって1気筒2キャブとなり、2ストのような二次曲線的加速を味わうことができるのですが、その繋がりもスムーズになりました。
スムーズになると荒々しさみたいなものが無くなってワープ感が損なわれるのかと思ったのですが、Vブースト前後の違いがかえって明確になって実に気持ちの良いフィーリングになったのです。
高油温下もしっかり潤滑性を確保
なんて調子に乗って走っていると、気温が低くても信号待ちで水温が上がって冷却ファンがうなりだします。
そうなると、今まではすぐにシフトタッチの悪化やギア抜け症状が見られたのですが、それが出ないのです。高温下でもしっかり潤滑性が保たれているのが実感できたのでした。
オイル交換だけでこれほど乗り味が変わるとは全く思わず、私自身30年近いバイク歴の中でも初めての体験でした。
エンジン内にはカムとタペットとか、ピストンリングとシリンダーとか、クランクのベアリングとか、金属と金属の摺動箇所が無数に存在しますが、そのひとつひとつがオイルによって、スムーズに潤滑することで、これだけフィーリングに違いが出るものかと、驚きと共に身を持って体感した次第です。
バイクも進化していますが、エンジンオイルの進化も目覚ましいものがあったのです。
もちろん、このようなオイルによる良質な変化を実感するには、車体自体の整備が行き届いた上でという注釈が入るわけで、決して故障や不調がオイルで改善するというわけではありませんし、効果の体感は車体や人によってそれぞれであります。
しかし、まだオイルは安いものや純正スタンダードのものしか使ったことが無いという人は次回のオイル交換の際に是非、「ZEKURA BIKE X-SYN」を試して見ていただきたいものです。
ZEKURA BIKE X-SYN 10W-40 MA 4L
ベースカテゴリーGIIIタイプを使用した10W-40。 高性能油性向上剤PAG配合。 ●エンジン内各部に吸着し、低速走行時にも安定した走行 ●バイク独自機構である湿式クラッチにも対応し滑らない ●複雑に構成されたギヤ表面を保護し滑らかに動力を伝達 ●高性能油性向上剤PAGがエンジン内を保護し一般的に難しい低速回転および低温時における摩耗を防止 ●過酷なレース走行にも適した高性能4Tバイク専用エンジンオイル!! JASO MA規格相当品。 MB指定車を除いた多くの4サイクルバイクに適用。 通年使用可 。
価格 | オープン |
タイプ | GⅢ+PAG |
規格 | MA相当 |
対応粘度適用車 | 10W-30/5W-40/10W-40 |
ZEKURA BIKE X-MIN 15W-50 MA
15W-50でありながら鉱物油でもハイグレードなカテゴリーGIIタイプを採用。油性向上剤としてPAG配合。JASO MA規格相当品であり、MB指定車を除いた多くの4サイクルバイクに適用。 高粘度鉱物油なのでエンジン内から漏れる心配もなく、旧車や外車に向く。
価格 | オープン |
タイプ | GⅡ+PAG |
規格 | MA相当 |
対応粘度適用車 | 10W-40/10W-50/15W-50/20W-50 |
発売元・株式会社 潤研 https://jyunken.co.jp