エンジンレスポンスが向上！ヤマルーブのバイク用エンジンオイル刷新

ヤマハの純正アクセサリーを手がける同社グループのワイズギアが展開する「YAMALUBE（ヤマルーブ）」は、世界各国でも展開されるなどバイク乗りには馴染み深いヤマハ純正オイルの製品ブランドであり、同社初の4ストロークモデル「XS-1」の登場と前後して誕生し、半世紀以上も開発と進化を続けてきた。

現在ヤマルーブのエンジンオイルは用途に合わせて6種類がラインナップされているが、ヤマルーブシリーズ最高峰エンジンオイルとして明確化され2015年に登場した「RS4GP」が2023年4月より大きくリニューアルして発売されたので紹介しよう。

また他ラインナップに加え、オイル別におすすめバイクや使用用途も紹介しているので要チェック!!

YAMALUBEのエンジンオイル

冷却／潤滑／密封／防錆／洗浄までさまざまな機能が求められるエンジンオイルは、エンジンパーツの一部とも言えるほど重要だ。

そして四輪車のエンジンオイルと異なり、二輪車のエンジンオイルは、エンジンだけではなくクラッチも潤滑する役割があり、エンジン内ではパーツをよく滑らせる必要があるがクラッチは滑りすぎてはいけないという矛盾する性能を確保しなければいけない。

一口でエンジンオイルといっても、その性能には高次元の各種バランス配合が求められているのだ。

液体パーツとしての位置付け

ヤマルーブはエンジン開発の初期段階からエンジンパーツの一部と捉え、YAMALUBE（ヤマルーブ）=「液体パーツ」と位置付けており、二輪車専用オイルに必要とされる主な性能をあらゆる環境でもエンジンを保護し最適なパフォーマンスが発揮されるように設計開発している。

性能を100％引き出すために設定された「ヤマハ基準」

「ヤマハ基準」とは、自分たちが開発したエンジンの性能を100％引き出すため、いくつかの項目で規格値よりも高い数値や独自の項目を追加し、JASO規格よりも厳しく設定した独自規格。

この基準はエンジン開発の過程で導き出してきた成果をフィードバックすることにより、高性能・高品質な純正オイルを追求する過程で生まれ、これらを満たしたものだけが「ヤマルーブ」として商品化を許されるという。

こういった安全基準と性能に対して一切の妥協もないことも、他メーカーのユーザーも愛用オイルとして使うほどの製品への大きな信頼と人気につながっているのだろう。

より高く厳しく設定された5つのチェック項目

• 高い油膜保持性
• 高いせん断安定性
• 優れたエンジン清浄性
• 優れたオイル低蒸発性
• 優れた触媒保護性

新しくなったYAMALUBE RS4GP

ヤマハMotoGPレーシングチームで培われた技術を市販車向けにフィードバックし、2015年に登場したヤマルーブシリーズ最高峰エンジンオイルであるRS4GP。

今回のリニューアルでは高性能化学合成油と添加剤の選定・配合バランス徹底的に見直し、従来のものと同等以上の馬力を出しながらも3つの特徴である「低温度域のさらなる低粘度化」「高温度域の粘度を確保」「性能の持続性を確保」を実現している。開発者曰く「モアパワーかつ“ギヤまわりの性能”で勝負した」。

リニューアルポイント：レース専用ではなく純正オイルとしての信頼を確保

• 低温度域のさらなる低粘度化
  粘度グレードは10W-40のままで実用領域でさらなる低粘度化が図られた。シフトフィーリングやエンジンレスポンスの向上を体感できる。
• 高温度域の粘度を確保
  通常の10W-40のオイルよりも低温度域を低粘度に設定しつつ、高温高負荷時でも粘度を保持し高い油膜保持性で高出力化、耐久性を維持。
• 性能の持続性を確保
  ベースオイルの低粘度化に加え、最新の粘度指数向上剤（VM）を採用。温度変化による粘度変化を減少させ、トランスミッションのギヤ／ベアリング部の摩擦低減による出力向上、耐久性を維持する。これによりオイル交換時期まで安定した性能を保つ。

走行による粘度劣化が少なく、高温高負荷状態でも油膜を保持することでエンジンが保護され、シフトフィーリング／エンジンレスポンス／クラッチフィーリングが向上し、交換時期までそのフィーリングや性能を維持してくれるのもフラグシップモデルならでは!!

従来品との低温時の粘度比較

高温時の高い油膜保持性を確保しつつ、低温時でも低粘度化を実現していることがひと目で分かる。エンジン始動性もよい。（＊オイル内での落下スピードを見たもの）

RS4GP スペック

最適なバイク／使用用途

• MT車またはAT車（51cc以上）
• ツーリングはキビキビ爽快派（高速道路含む）
• スポーツ走行での使用

YAMALUBE エンジンオイル ラインナップ

YAMALUBE Premium Synthetic

渋滞時や高速走行時に油温の上昇が顕著な大排気量モデル／空冷エンジンモデル／高回転域の使用が多い中小型モデル向けの高温・高負荷に強いハイグレードエンジンオイル。高温・高負荷の過酷な状況下でも蒸発量が少なく、高い酸化安定性能と油膜保持性能を発揮する。ベースオイルは100%化学合成油を使用。

Premium Synthetic スペック

最適なバイク／使用用途

• MT車またはAT車（51cc以上）
• 街乗り走行がメインで燃費より”走り”を重視
• 通勤・通学使用がメインで1回の走行距離が”5km未満”

YAMALUBE SPORTS

街乗り／ツーリング／スポーツ走行まで、走行シーンを選ばず幅広く対応する万能エンジンオイル。ベースオイルは、鉱物油のコストパフォーマンスと化学合成油の性能の高さをバランスよくブレンドした部分合成油を使用。

YAMALUBE SPORTS スペック

最適なバイク／使用用途

• MT車またはAT車（51cc以上）
• 街乗り走行がメインで走りより”燃費”を重視
• 通勤・通学使用がメインで1回の走行距離が”5km以上”

YAMALUBE Standard Plus

ヤマハエンジンの基本性能を引き出す、車種を問わず使用できる経済性に優れた安心安全な高品質エンジンオイル。ベースオイルは鉱物油を使用。

Standard Plus スペック

最適なバイク／使用用途

• 経済性を優先したい人
• オイルの性能に特別なこだわりがなく、安心してライディングを楽しみたい人

YAMALUBE BLUE ver.for Scooter

摩擦低減剤を効果的に配合することで、アイドリング安定性／省燃費性／出力向上を両立させた、乾式自動遠心クラッチ使用の50ccからミドルクラスの4ストロークスクーターに最適なエンジンオイル。ベースオイルは部分合成油を使用。

BLUE ver.for Scooter スペック

最適なバイク／使用用途

• スクーター（50cc以下）でバイクの指定SAE粘度が【10W-40】
• AT車（51cc以上）
• 通勤・通学使用がメインで1回の走行距離が”5km以上”
• 街乗り走行がメインで燃費より”走り”を重視
• ツーリングスタイルはゆったりロングツーリング（下道＆高速）

YAMALUBE RED ver.for Scooter

高温時の粘度を下げることでオイル攪拌ロスを低減し、摩擦低減剤を高バランスで配合することで省燃費性効果も持つ、コスパ抜群の2018年以降のJOG&VINOシリーズ専用オイル。ベースオイルは鉱物油を使用。なお、10W-40指定のスクーターには使用しないように。

RED ver.for Scooter スペック

最適なバイク／使用用途

• スクーター（50cc以下）
• バイクの指定SAE粘度が【10W-30】

オイルチェンジキット

安心の純正エンジンオイルとオイル交換時に必要なモノからあったら嬉しいモノまでをワンパッケージにまとめたエンジンオイル交換キット。

• オイルは安心のメーカー純正オイル「YAMALUBEプレミアムシンセティック」を採用
• 漏斗はこだわりのYAMALUBEオリジナルデザイン
• オイル交換時期リマインドステッカーはメンテナンスノートに貼り付け可能
• 探す手間や買い間違いを防げるように純正部品を同梱

オイルチェンジキット スペック

超長距離林道ツーリング前にYAMALUBE RS4GPに交換してみた

ヤマハ純正オイルとしてヤマハモデルオーナーはもちろん、他メーカーモデルオーナーも愛用者の多いYAMALUBEのオイル。そこでちょうど来週より北海道へ8泊9日の林道ツーリングに行くタイミングだったので、YAMALUBE RS4GPを他メーカーモデルである愛車に試してみることに。

高速道路走行に加え1日における走行距離も多く、速度は低くても高回転数になりやすい荒れたダート走行を含むという“オイル劣化の激しそうな超長距離林道ツーリング”ならば、新RS4GPの性能を試す大チャンスと思ったからだ。さらに単気筒なのでこれまでとのフィーリングの違いも、より一層わかりやすく体感できそうな予感!!　

予想以上に驚きのシャバシャバ具合

通常の10W-40のオイルよりも低温度域が低粘度と謳うだけあって、そのシャバシャバ具合はかなりのものだった。色合いもあいまって、一瞬フルードと間違えて買っちゃった？　と焦ってしまったほど。

これで高温高負荷時も粘度を保って高い油膜保持性を実現しているというから、旅でそのフィーリングを味わうのが楽しみで仕方がない。

高い性能と純正ならではのド安心感でお値段以上!!

価格は少し高めに設定されているが、高い性能とその維持／厳しい基準をクリアしてきた純正ならではの安心感と品質を考えると完全にお得といえるのがヤマルーブの誇るエンジンオイル。

オイル選びに迷ったりわからなかったら、高品質なエンジンオイルを入れてあげることをおすすめする。愛車をいい状態に保ち、かつ気持ちいいライディングフィールを楽しめること間違いなしだからだ。

なお、安いオイルは昔ならいざ知らず、現代においてはバイクにとって本当にデメリットしかないのでおすすめしない。