社名の「ACTIVE(アクティブ)」を冠した製品群に加えて、「GALE SPEED(ゲイルスピード)」に代表されるオリジナルブランド製品を積極的に展開し、その一方で国内外のさまざまなモーターサイクルアイテムを正規代理店として取り扱うアクティブ。そのラインアップはあまりに膨大だが、東京モーターサイクルショー2022では3タイプのカスタムマシンを中心に、厳選した製品展示でその世界観を伝えた。カスタムマシンは、いずれも一般ユーザーに実車展示されるのは今回が初めて。パーツ群には、これから発売予定の最新アイテムも!
オリジナルアイテムも膨大な数を誇る!
愛知県を拠点に、二輪パーツの企画開発、製造、輸入、販売を手がけるアクティブ。自社ブランドとしては、現在では5000点を超える製品をラインアップする総合パーツブランドとして「ACTIVE」と、アルミ鍛造ホイールの開発からスタートして現在ではキャリパーやマスターシリンダーなどのブレーキ関連やフットコントロールキットにも幅を広げた「GALE SPEED」を主軸とする。 一方で国内外ブランドの正規代理店としても活躍し、サスペンションの「HYPERPRO(ハイパープロ)」、ヘルメットの「BELL(ベル)」、エキゾーストシステムの「AKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)」などを国内展開。海外製品も日本で装着確認などを実施してからユーザーに販売し、高い信頼性を獲得している。
3タイプの「CUSTOMIZING LIFE STYLE」がテーマ
三車(者)三様のカスタムライフ提案が、今回の東京モーターサイクルショーにおけるアクティブブースのテーマ。バイクを楽しむ“ヒト”をイメージしながら、スズキ・HAYABUSA、ホンダ・GB350S、カワサキ・Ninja ZX-25Rという3タイプのショーモデルを、独立したガレージ風の空間に配置して表現。総合パーツメーカー&代理店として「走る、曲がる、止まる」をバランスよくまとめるトータルカスタム提案ができる強みを生かして、それぞれのライフスタイルを彩るカスタムパーツを車両と合わせて展示した。
3年ぶりのモーターサイクルショー開催に対する想いは?
今年のショーに向けてHAYABUSAとGB350Sのショーモデルを製作。「モーターサイクルショーがあることで、メーカーとしても大きな動きがしやすいし、開発陣もそこに向けていつも以上に精力的な動きができます」と、アクティブの広報を担当する三崎梢さん。ちなみに、展示された3タイプのショーモデルのうちNinja ZX-25Rは、ショーが開催されなかった一昨年から昨年にかけて製作されたモデルで、こちらもユーザーに実車が披露されるのは今年が初となった。
今年の東京モーターサイクルショーで注目を集めたのは?
展示のメインとなったのは、スズキのHAYABUSA、ホンダのGB350S、カワサキのNinja ZX-25Rをベースとした3タイプのショーモデル。アクティブが取り扱う製品をバランスよく取り入れながら、それぞれの世界観を構築してある。中には現在開発中のアイテムも!
ツアラー性能に焦点を当ててカスタマイズ!
SHOW MODEL
スズキ・HAYABUSA
メガスポーツツアラーの最高峰に君臨するHAYABUSAのツアラー性能をさらに引き出すことをテーマにカスタマイズ。全体的なポテンシャルアップを図ってある。
とくに注目したいのは、GALE SPEEDの「フットコントロールキット(開発中/予価8万8000円)」。大きめで肉抜き加工が施されていないアルミ切削によるヒールガードには、エンジンからの熱をステップ後方に整流する効果も与えられている。4ポジション(アップ12/23mm、バック0/11mm)可変式だ。 ACTIVEの「トップブリッジ&ハンドルキット(開発中/予価8万5800円)」も新開発中アイテムで、純正よりもアップライトなポジションとなるよう設定。純正はラバーマウントだが、トップブリッジも同時に換装することでこれを廃し、よりリニアでスポーティなフィーリングも狙っている。
主な装着パーツ■GALE SPEED フットコントロールキット(予価8万8000円) ●ACTIVE トップブリッジ&ハンドルキット(予価8万5800円) ●ACTIVE タンデムステップバー シルバー(予価9900円) ●ZERO GRAVITY スクリーン ダブルバブルスモーク(1万6500円) ●GALE SPEED ElaborateブレーキマスターシリンダーVRE φ19 レシオ18-16mm(8万6900円) ●GALE SPEED ElaborateクラッチマスターシリンダーVRE φ16 レシオ18-16mm(8万6900円) ●GALE SPEED Elaborateフロント4PラジアルキャリパーSCMボルト仕様(各10万7800円) ●GALE SPEED アルミ鍛造ホイールTYPE-E ソリッドホワイト(10万4500円/F350-17、12万4300円/R600-17) ●AKRAPOVIC JMCA認証スリップオンライン チタンブラック(38万6100円)
カフェレーサーをアクティブ的に解釈!
SHOW MODEL
ホンダ・GB350S
現代的な素材も用いながら、GB350Sをカフェレーサー風にカスタム。ボルトオンパーツを中心としながら、ワクワクできる走りを予感させるモデルに仕上げてある。
まずはライディングポジションにこだわり、カフェレーサーにありがちな極端すぎる前傾姿勢を避け、250ccスーパースポーツのように適度な乗車姿勢を追求。これを実現するため、ハンドルキットを開発中だ。理想的なハンドル位置を実現し、キーロックなどを作動させるため、トップブリッジも開発。ハンドルとトップブリッジのキット販売予定だ。 前後サスはHYPERPROのアイテムでチューンし、こちらは間もなく発売予定。リヤは20mmローダウンしてある。一方で、カーボンファイバー製のシングルシートカウル(内部が小物入れになるよう設計)など、これから開発が進められていくアイテムも装着されていた。
主な装着パーツ■ACTIVE セパレートハンドル&トップブリッジキット(予価8万8000円) ●ACTIVE ステップキット(6万6000円) ●HYPERPRO フロントスプリング(予価2万2000円) ●HYPERPRO フロントプリロードアジャスター ブラック(予価1万8150円) ●HYPERPRO リヤショック エマルジョン ローダウン-20mm(予価13万7500円) ●ACTIVE メーターステー(参考出品) ●ACTIVE シングルシートカウル カーボン 純正シート用(参考出品) ●ACTIVE フェンダーレスキット(予価3万800円) ●ACTIVE インジェクションカバー(参考出品) ●ACTIVE スキッドプレート(参考出品)●ACTIVE ショートフロントフェンダー(参考出品)●ACTIVE アルミ鍛造ホイール TYPE-N グロスブラック(開発中 予価11万3300円/F275-18、12万6500円/R400-18)
250ccクラスに大型クラスの技術とアイテムを!
SHOW MODEL
カワサキ・Ninja ZX-25R
こちらは、2020~2021年にかけて製作されたショーモデルで、現在も進化が続けられている。最大のポイントはホイールサイズで、ノーマルのフロントフォーク&スイングアームのまま、GALE SPEED製アルミ鍛造ホイールで前輪を120幅、後輪を180サイズにワイド化。これにより、600ccクラスと同じタイヤを履けるようにカスタムしてある。 GALE SPEEDのブレーキシステムやフットコントロールキット、HYPERPROのフロントサススプリングやリヤショックなどで、運動性能をさらに向上。ACTIVEの新製品となるレバーガード&バーエンドも装着し、レーシーにまとめてある。
主な装着パーツ■GALE SPEED アルミ鍛造ホイールTYPE-GP1S ゴールド(11万8800円/F350-17、15万4000円/R550-17) ●GALE SPEED ElaborateブレーキマスターシリンダーVRE φ14 レシオ18-16mm(8万6900円) ●ACTIVE リモートアジャストワイヤーV2星型&ブラケット オフセットタイプ(1万2100円) ●GALE SPEED Elaborateフロント4Pラジアルキャリパーチタンボルト仕様(12万1000円) ●GALE SPEED クロスロックディスクローター フロントφ310mm 5.0mm厚(3万6300円) ●GALE SPEED Elaborateリヤアキシャルキャリパー φ34 チタンボルト仕様(6万4900円) ●GALE SPEED モノフローティングディスクローター リヤφ220mm 5.0mm厚(2万900円) ●ACTIVE レバーガード&バーエンドフルセット(1万1880円) ●GALE SPEED フットコントロールキットLIGHT(5万3900円) ●ZERO GRAVITY スクリーン コルサスモーク(1万5400円) ●AKRAPOVIC JMCA認証レーシングライン カーボン(21万7800円)
こちらも要チェック!
アクティブは、今年新発売予定のアイテムもブース展示。その中から注目の製品をいくつか紹介しよう!
リーズナブルだがハイスペック!
GALE SPEED
フルスペックマスターシリンダーVRD
スパンに加えてレバーレシオの可変機能も搭載して、個々のユーザーに合わせた調整ができるフルスペックマスターシリンダーに、ブラックボディで2 点留めクランプを持つVRDが今年追加登場予定。価格を抑えながらもクランプ剛性に優れたラインアップとなる。可変レシオ機能のない「スタンダードスペックマスターRD」も発売予定だ。
予価●5万8300円(VRD)/5万2800円(RD)
100mmピッチ追加でより多くの車種に適合
GALE SPEED
Elaborateフロント4Pラジアルキャリパー 100mmピッチ
2ピース構造による優れた操作性やメンテナンス性と、センターブリッジ4本締結ボルトによる高剛性を特徴とするGALEキャリパーに、100mmピッチのフロント用が今夏に追加される。放熱性の高いヒートシンクを熱発生源近くに増量し、パッド摩擦熱を効率的に冷やす導風口を追加し、パッド開口部を拡大してより幅広いディスクに対応しているのが、従来型108mmピッチ仕様との違い。よりレーシーな仕様となっている。
予価●10万7800円(SCMボルト仕様)/12万1000円(チタンボルト仕様)
キャリパーの着脱が超簡単になる!
GOODRIDGE
G-LINK
迅速なピットワークが求められるレースシーンで重宝されている、ブレーキホースのクイックリリースパーツ。ワンタッチでキャリパーなどの着脱が可能で、フルードの再充填やエア抜き作業を必要としない機構になっている。レースでは、転倒後の復帰を素早くするためマスター側に追加することもあるパーツだ。
予価●5万5000円
大人気ブランドは他にも多数!
膨大なブランドとアイテムを手がけるアクティブ。オリジナルブランド以外で、とくに注目しておきたい海外ブランドをいくつかピックアップ!
【HYPERPRO】
1992年にオランダで創業されたサスペンションブランド。当時のスプリングはリニアレートとツーレートが主流だったが、路面変化の多い公道での快適性を求めてコンスタントライジングレートスプリングを開発。不等ピッチスプリングが、カタすぎず柔らかすぎない状態を維持する。アクティブが扱うHYPERPRO製品は“ジャパンスペック”で、日本人の体格や日本の走行環境に合うよう、アクティブの専任スタッフが1製品ずつていねいにセッティングを決めている。
【BELL】
1954年に米国ベルオートパーツ社が立ち上げたヘルメット部門がルーツ。1957年に新たな会社として活動を開始し、1967年にはフルフェイスヘルメットのSTARを発表して、優れた安全性と最先端のルックスでヘルメット業界に革命を起こした。アクティブが扱うBELLは、すべて日本人の頭の形に合うよう改良が施されたアジアンフォーム。日本の公道走行に必要な安全基準も満たしている。写真の500-TXJ(2万4200円)は、1950年代の500-TXを現代の技術で復刻。フラットシールド(4180円)の装着も可能だ。
【SW-MOTECH】
1999年に創立され、革新的で高品質なモーターサイクル用アクセサリーを生産するのがSW-MOTECH。ドイツに本社、チェコのブルノに生産拠点を置き、世界60ヵ国以上に輸出もされている。代表的なアイテムは、ツーリング時の荷物積載に役立つバッグやケース。このうちプロタンクバッグシリーズは、燃料給油口に専用のタンクリングを装着することで、確実かつ素早いバッグの着脱を実現している。最新シリーズでは、この装着機構にマグネットが用いられ、よりスムーズにフィッティングできる。