【brand pickup】
車両をトータルで作り上げるコンストラクターとして世界を相手に戦っているヨシムラ。
東京モーターサイクルショーの初日はサーキットでマシンテストが行なわれており、土曜日の早朝にはテストで走行した本物のレーシングマシンがヨシムラのブースへ搬入された。
レースへの並々ならぬ思いは高性能なマシンという形になり、さらには市販製品へとフィードバックされ、高品質で信頼性の高い製品として世の中のバイクファンの心を熱くしてくれるのだ。
ヨシムラがコンストラクターたる所以はレースにあり!
バイク好きなら一度は名前を聞いたことがあるであろう『ヨシムラ』。
その歴史は1954年に吉村秀雄(POP吉村)が、九州は福岡県で吉村モータースを創業したことに始まる。
ヨシムラを代表する製品の1つである『集合管マフラー』は、四輪のエンジンチューニングで発想し、バイクの集合管に応用したのが始まりとされている。その集合管マフラーを世界で初めてオートバイのレースで使用したのもヨシムラなのだ。1978年に開催された第1回鈴鹿8時間耐久ロードレースで車両メーカーを相手にして、ヨシムラが初代チャンピオンを手中に収めた事は、今や伝説となっている。
プロライダーに転向した亀井雄大選手に注目!
今シーズン、ヨシムラで全日本選手権(JSB1000クラス)を走るライダーは、ついこの前まで会社員だった亀井雄大選手だ。これまでは一日の会社業務が終わった後に会社の仲間と集まり活動するというスタンスで、部活動に近いものだったという。レース会場では自分で走る傍ら、電子制御のマッピング解析から車体のセッティングまでを自らの手で行っていた。その姿を見たチームマネージャーの加賀山就臣が「走ることだけに集中すれば、もっと速くなれる」と確信し、会社員だった亀井雄大選手をヨシムラスズキライドウインへと招いたのだ。
「昨年のレースでピットが彼のチームの隣だったんです。そこで、マシンのセッティングや整備まで自分の手でやっているのを見て驚いたのと同時に懐かしくも感じました。昔はこんな感じでレースをやってたなぁと。これからはプロライダーとして彼を厳しく育てていきます」とチームマネージャーの加賀山就臣は語る。
亀井選手にとってスズキのマシンは初めてで、これまでと違うマシンに当初は戸惑いを感じていたそうだ。
「最初乗った時には『なんだこのマシン!?』と正直思いました。それまでは自分でセッティングしていた車両だったので、いろいろと違っていたんです。まだまだマシンの限界を引き出せていませんが、乗るほどにヨシムラが作ったマシンの懐の深さに驚いています。目標は当然、優勝することです」。
走行テストでも順調にタイムを縮めてきており、今後の活躍が非常に楽しみだ。
展示ブースのコンセプトは「P+RIDE」 MY RIDE,MY PRIDE.
「P+RIDE」 MY RIDE,MY PRIDE.をコンセプトに、ヨシムラの経験に裏付けされた技術、高品質な製品を展示。壇上には2023年を戦うEWCマシン(金曜日には‘86鈴鹿8耐#12油冷GSX-R750レーサーがEWCマシンのところに置かれていた)とJSB1000のマシンが並び、ブース内には初披露となる注目のパーツが取り付けられた数々の車両が置かれていた。ヨシムラの製品が取り付けられた車両はあらゆる角度から見やすいよう一段高い位置に展示され、エンジン周りのパーツやマフラーなどをじっくりと見ることができた。
何より昨年と大きく違ったのは、その展示ブースの反対側にヨシムラ直営店をイメージしたオフィシャルショップが併設されていたこと。
ジャケットやTシャツ、キャップといったヨシムラグッズはもちろん、キャブレター、カム、マフラーまでが展示され、実物を前にして購入することができたのだ。
各パーツ類が美しくディスプレイされ、ヨシムラファンならずとも食指がうごく!
普通二輪免許で乗られる人気マシンのヨシムラ仕様!
GB350Sのスポーティな雰囲気をさらにUP
中低速域で粘る空冷シングルエンジンを搭載したGB350S。スタンダードなマシンスタイルにマッチするGP-MAGNUMサイクロンを採用したスリップオンマフラーは、全域でノーマルのパワーとトルクを上回る。単気筒ならではの鼓動感を楽しみつつも、スポーティな走りを実現している。カーボンヒートガード、エンジンケースガード、オイルフィラーキャップ、ハンドルバーエンドといったパーツも用意され、細部の質感をより高めてくれる。
可愛らしいDax125をキリッとさせる!
Dax125用にはすでにスタンダードな形状のマフラー・GP-MAGNUMサイクロンがリリースされていたが、今回のモーターサイクルショーで展示されたのは、艶消しブラックが渋い機械曲ストレートサイクロン。展示されていたのはアップタイプで、ダウンタイプもラインナップされる。リヤ周りをすっきりとし軽快なスタイルに変えてくれるフェンダーレスキットは、ナンバー取りつけ部分をダックスの顔でカット。ナンバーを装着したら見えなくなってしまうところだが、こんなさりげない遊び心がにくい!
ヨシムラの原点!レーシングマシンとレーサー用チタンサイクロンマフラー
トークショーが行なわれたステージには「ヨシムラSERT Motul」として世界耐久選手権(EWC)を走るSUZUKI GSX-R1000Rレーサーと、「ヨシムラスズキライドウイン」で全日本ロードレース選手権(JSB1000クラス)に参戦するレーサーを展示。GSX-R1000Rレーサーの仕様は基本的に昨年と同じ内容を踏襲。小柄な亀井選手がライディングするためシートに工夫がされ、巨大なパッドを追加。正面ステージ前で展示していたのは細かく溶接された部分から虹色の輝きを放つフルエキゾーストの世界耐久レーサー専用マフラーだ。ヨシムラの技術の粋を集めたチタンサイクロンR-11SqR。ブースの中心にレーサー用マフラーが展示されていることからも、ヨシムラの原点がレースにあることを再確認できた。
こちらも要チェック!
ビッグバイクユーザーから人気のZ900RS、Z650RS、Hayabusaにはヨシムラのパーツが装着されブースに展示。世界耐久選手権や全日本ロードレース選手権を走るレーサーなどと同じく、多くの来場者が足を止めマシンを見入っていた。
質感を高められたZ900RS、Z650RS
ともにストレートサイクロンが装着されたZ900RS(左手前)、Z650RS(右奥)。足の裏にステップが吸い付くようなフィーリングでスポーツ走行に最適なステップKIT・X-TREADはまさに逸品! アジャスタブルポジションであらゆる体系のライダーに対応する。
サイクロン2本出し!Hayabusa
Hayabusaのマッシブなスタイルをさらに強調してくれるのが、チタン機械曲R-11SqR サイクロン2本出し、今回はフルエキでの初披露となった。レースシーンから誕生したスクエア断面のマフラー『R-11SqR』は、市販車ベースのロードレースのトップカテゴリーで開発が進められた製品。パフォーマンスだけでなく重量や強度、高い消音性能など全てを満たしてくれる。