炎天下の渋滞路で風がなくとも確実に涼しい
高機能アンダーウェアは基本的に風などで汗が乾燥する気化熱によって涼しさを得ることができる。つまりはバイクで言うところの空冷だ。なので、渋滞路など停車している時間が長いと効果が半減してしまう。
その空冷式に対し、水冷式の冷却方式で確実な涼しさを実現したのがTHANKOの「水冷クールベストLite」である。
電熱ジャケットの夏版として期待が高まる!
私は電熱ジャケットを愛用しているのだが、すでに冬場に電熱無しではバイクに乗れない体になってしまった。とにかく着込めば寒さは和らぐものの、走れば徐々に熱は奪われていく。しかし、電熱は電気で加温していくので、やはり暖かさは段違いなのだ。
この夏版が「水冷クールベストLite」ではないか!
着ているだけで確実に涼しければ、これほど嬉しいことはない。近年の日本の暑さにどれだけ対抗できるのか!?実際に着用テストしてみることにした。
見た目は小型のリュックサックのように見える
形状はベストというよりは小型のリュックサックのようである。エンデューロライダーが、走りながら水分補給するための飲料を入れるキャメルバッグのようである。
背中部分と前面の内側には冷却水が循環するためのホースが確認できる。
非常に細く、本数も少ないのでこの時点では効果があるのか少し不安を感じたのだが……。
背中の部分のファスナーを開くと水タンクと循環ホースが現れた。
着用してみた
身長180cmの男が背負うとやや小さいように感じる。冷却範囲が少ないのではないかと少し不安が残る。
事前準備の手順
背中のタンクに氷を1kg投入する。1kgは家庭用冷蔵冷凍庫で作るには結構大量だ。半分の500gくらいしか無かったので、ひとまずある氷全部投入した。
あまり少ないと、上半身を曲げるとポンプが水を吸えない音がしていたので、しっかり規定量入れた方が良さそうだ。
私の持っているAnkerの10000mAhのモバイルバッテリーでは、3時間くらい連続使用してバッテリー残量の目盛りは1つも減らなかった。
ボタンを押すごとに冷水循環の強さを3段階に調整することができる。上から、強、弱、エコモードとなり、エコモードは自動で強モード10秒とオフ40秒を繰り返し運転する。
強運転モードは結構モーター音がするので、バイクに乗るときはエコモード。締め切った30℃超えの室内で写真を撮っているときは弱で連続運転させて使用してみた。弱だとモーター音はごく小さいので、オフィスとかで近くに座ったりしない限り作動音が気になることはなさそうだ。
スイッチオンで驚愕のひんやり感!水冷式の威力は抜群だった
実際に氷水を入れてスイッチをオンした瞬間
「あっ!水が漏れた!」
とリアルに思った。 実際は水が漏れてるはずもなく、氷水の循環がスタートしただけなのだが、本当にそれぐらい冷たいのだ。
生地が厚めの綿Tシャツでも背中に、ス〜ッと冷たさ伝わってくる。真夏に入院したときに冷たい点滴を打たれて、腕から全身へとと冷たくなっていった感触を思い出した。
実際にバイクに乗ってみる
炎天下に着たらかなり暑い3シーズンジャケットを着てバイクで走ってみる。日中30℃の天候だったが、風が通らないジャケットを着ていても全く問題なく涼しかった。確かにヘルメットや腕など局地的に汗が出るものの、背筋が冷えているだけで、まったく暑さを感じないのだ。
近頃、真夏だと40℃近い気温の時もあるが、これでやがてやってくる酷暑に対抗していく勇気が生まれたのだった。
ネックは持続時間にあり!
ただ、1時間ちょっと走っていると、明らかに効果が薄れてきた。ベストを脱いで水タンクの中の水温に触ってみると確実にぬるま湯だ。体温と同じくらいの水がいくら循環しても涼しさを感じる事はできない。
予想以上に冷感持続時間が短く感じたが、これは最初に入れた氷の量が少なかったことに起因するので、あまり参考にはならないのかもしれない。
室内使用すると冷え過ぎ感あり!
帰宅後に氷を追加して28℃くらいの室内で写真撮影時に使っていたのだが、これは効果がありすぎて体の芯が冷えて寒いくらいなので、途中で脱ぐことに。
背中に水を背負っているので、背もたれのある椅子に座ったり寝転んだりすることはあまりできないかもしれないが、ウォーキングや軽作業時にも使うことができるだろう。
真夏のバイク使用ならば……
都心の通勤ライダーには最適ではないだろうか?私もサラリーマン時代は約50分のバイク通勤をしていたが、真夏は毎朝会社に着くとぐったりとして、午前中はもっぱらアイス片手にデスクで薄ぼんやりしていたものである。
しかし、水冷クールベストLiteがあれば都心の渋滞も怖くない!帰りには日が落ちて幾分涼しくなっていることだろうし、会社の冷蔵庫で氷を量産しておくのも良いだろう。
夏場のツーリングと言えば、涼しい高原を目指すのが定番ルート。ならば目的地周辺は気温も低いはずなので、行き帰りの都市部を走行するときだけ、氷を入れて水冷クールベストを使用するというのはいかがだろうか?
氷はどこのコンビニでも手に入るがもちろん有料なので、往路は自宅の氷を使用し、帰路に1回だけ購入すれば涼しく帰宅できるのである。
水冷クールベストLiteの下は高機能アンダーウェアがベスト
冷水循環ホースから肌が近ければ近いほど涼が得られるので、素肌に着るのが良いかもしれないが、それでは様子がおかしいヘルスエンジェル状態になってしまうので、ここは薄手のアンダーウェアが最適である!
あの高橋名人も推薦!
水冷クールベストLiteは「面白くて役に立つ」をコンセプトにオリジナル商品の企画販売を行い、秋葉原に実店舗も構える「THANKO」の商品である。同社のホームページには、我々昭和ファミコンどストライク世代には神格化された存在である、高橋名人による水冷クールベストLiteの推薦インプレページもある!
THANKO 水冷クールベストLite
価格 | 19,800円(税込) |
サイズ | フリーサイズ(S~5L) |
本体寸法 | 高さ約400、幅約260、厚み約40(mm) |
カラー/品番 | ブラック:TK-WACO-BKB 4562331784807 イエロー:TK-WACO-YLB 4562331784814 |
冷えの持続時間 | 強90分/弱120分/エコ180分 ※外気温30℃でベストの内側が25℃になる時間で、使用環境により持続時間は異なる。 |
ポンプ駆動時間 | 約15時間(5,000mAh) 約30時間(10,000mAh) 約60時間(20,000mAh) ※強モード使用時 |
タンク容量 | 2L※タンクを直接凍らせないこと。 |