2022年11月から大阪府堺市でもサービスを開始した電動キックボードのSUMRiDE。
交通事故の発生件数が増える年末を前に、そのSUMRiDEを取り扱う長谷川工業が安全講習会を実施するとの情報を得た。
今回は南堺警察署が主催する交通安全教室のイベントに協力するとのこと。
早速取材に駆けつけた!
パトカー・白バイ やっぱりカッコイイ!!
日産レパードやスズキ・GSX-R1100などが登場していた『あぶない刑事』(1986年〜87年)を見て育った私としては、そのドラマに登場するパトカーや警察官も格好良く憧れを抱いていた。だから大人になってもパトカーや白バイといった実物を目の前にするとドキドキが……!
そんな警察のかたから「電動キックボードは、手軽で便利な乗り物です。しかし、同時に危険性もはらんでいるので、交通ルールを理解して安全に利用してもらいたい」と話があれば、“襟を正さねば!”とより強く思うもの。
交通安全教室では電動キックボード・SUMRiDEの安全な操作方法を学べる、老若男女問わず参加者全員が納得の教室となっていた。
改めて、交通安全について考える良い機会になった。
SUMRiDEの安全講習会は・・・
2022年11月に堺市でサービスが開始され1ヶ月が経過したSUMRiDE。現状を堺市に聞くと、事故はゼロとのこと。
長谷川工業主催の安全講習会は11月にも行なわれたばかりであり、頻繁に開催されることからも安全啓発への意識の高さが伺える。SUMRiDEの安全講習会の特長ともいえる、電動キックボードのルールに加え、他モビリティと共存するための具体的な講習は参加者からとても好評だ。
電動キックボードの非利用者や車の運転者からみて、電動キックボードの走行はどう思われているのか。
交通法規はもとより、SUMRiDEを取り扱う長谷川工業の社員が実証実験を重ね毎日走行しているからこそ得られる、実体験を元にした走行時の安全対策は極めて実用的であり、参加者にとって非常に有益な内容となっていた。
電動キックボードを試乗してみて
電動キックボード・SUMRiDEの操作方法をスタッフから丁寧にレクチャーされる参加者たち。
「20年以上、自転車に乗ってないけど大丈夫!?」という声が聞こえる中、不安そうに試乗する参加者だったが、乗り出してものの数分で笑顔がこぼれる。
誰でも簡単に乗れるのが電動キックボードのメリットでもあるのだ。
自転車に数年、いや十数年乗っていないような人でも、しっかりしたレクチャーを受ければ安心して乗ることができる。
試乗前と試乗後の変化は
昨今の事故にまつわる報道(飲酒やノーヘルでの転倒)で悪いイメージばかり膨らんでいた電動キックボード。
それゆえ試乗前は『危ない』『迷惑になるのでは』と思っていた参加者もいたのは事実だ。
しかし試乗後、それらの声は一変。安全な走行は試乗者次第であり、バイクやクルマを運転するように交通法規をしっかりと理解し守りさえすれば、コレほど気軽に移動できる人力を必要としない交通手段は他に無い。
SUMRiDEの試乗を終えた参加者たちは「想像よりも簡単に乗れた!」と口をそろえ、さらに「乗ってみて初めて電動キックボードの良さを知りました」といった意見が集中した。
電動キックボードに対する否定的な考え方は、事故を起こしたユーザーの危険な使い方に問題があるが、バイアスのかかった昨今のメディア報道にも原因があるといえよう。
危険なのは乗り物の種類ではなく、
それを操る人間の知識不足と乗り方にあり
参加者にインタビューしてみると、電動キックボードに限らず道路交通法の正しい知識が不足していることを痛感。身近な自転車でも飲酒はもちろんNGで、並走や傘持ち、イヤホンをつけての走行も禁止だ。
問題なのは、これら行為が違反だという認識すらもっていなかったことにある。
今回の安全講習会を通じて、モビリティを乗る私たち自身のマナー、モラル、規則の認識不足の低さに怖さを感じ、改善の必要性を強く感じた。今後は、警察署や信頼できる企業の講習会などに参加し知識を深め、安全走行につなげたいと思う。
自転車であっても交通違反をすれば赤切符を切られるようになり、目に余る傍若無人な自転車の運転に対する罰則が強化され、少しずつ状況は改善されている。しかし、電動キックボード業界が販売だけでなく安全に関する啓蒙活動も同時に行なっているのに対し、圧倒的に利用ユーザーの多い自転車を取り扱う業界で特に何をするというわけではないので、劇的な変化は感じない。
SUMRiDEのように業界の安全を引っ張る企業が少しでも増えれば、モビリティ全般の安全な運用に関する使用者の意識が高まるのではないかと期待している。