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長寿命で高耐久なシールチェーンとは
エンジンのパワーを後輪に伝える重要な役目を担っているドライブチェーン。
現在、新車として市販されている250cc以上のバイクはほぼ100%シールチェーンが純正採用されている。
シールチェーンとは、上のイラストのようにピンとブッシュを常時潤滑するためのグリスをシール(シールリング)によって封入しているチェーンのこと。
定期的なメンテナンスは必要となるが、封入されたグリスは雨に流されることもないし、ホイールの回転による飛散にも強いので、長期間にわたり安定した潤滑性能を確保できるのだ。
シールチェーンのメリットとは?その5つの大きなメリットを解説!
①高耐久・長寿命
封入されたグリスによって摩耗が低減されているので、ノンシールチェーンに比べて約3倍長持ちする。
②トータルコストに優れる
チェーン単体の価格はノンシールチェーンの方がリーズナブルだが、シールチェーンの方がライフが約3倍長いし、交換工賃などの費用を考えると長く乗れば乗るほど、シールチェーンを装着した方がコストメリットが出る。
③メンテナンスサイクルが長い
ノンシールは走行すれば油分が飛散してしまうので、より早いサイクルで注油が必要となってしまう。一方、シールチェーンは約500kmごとの注油が推奨されており、メンテナンスのサイクルが長い。
④低フリクション
エンジンの駆動力を受け止めるチェーンの「ピン」と「ブッシュ」がグリスで潤滑されているので、ノンシールチェーンに比べてフリクションが少なく、よりエンジンパワーを後輪にスムーズに伝えることができる。
⑤ダンパー効果によってパワーロスが少ない
走行中はかなりチェーンが振動しているので、プレートの間にあるシールリングがその振動を緩和する役目を担うので、パワーロスを最小限に抑えることができる。
シールチェーンは伸びない?
ノンシールチェーンに比べて数多くの優位性を持ち、長寿命が特徴のシールチェーンだが、決して伸びないというわけではない。
チェーンの伸びは、上図のようにピンとブッシュの摺動によって発生したクリアランス(ガタ)が原因となる。
ただし、先にも述べたようにシールチェーンのピンとブッシュは常時潤滑されているため、グリスが性能を維持している間はほとんど摩耗=伸びは発生しない。摩耗が発生しているということは、グリスが劣化しているのである。
つまり、シールチェーンが明らかに伸びているということは、すでにピンとブッシュの摩耗が進んで交換時期を過ぎている可能性が非常に高いのだ。
シールチェーンの寿命の見分け方を実践!
シールチェーンの交換時期を判断するには「伸び」を基準にすることと、シールチェーン独自の基準でも寿命を判断するのが正しいのである。
ここでは、チェーンのプロフェッショナルであるRK JAPANに伺った、「シールチェーンの寿命を正しく判断する3つの症状」を基に、実際にユーザーのオートバイのチェーンを診断した模様をご紹介したい。
チェーン診断に挑戦したのはこの人!
女性ライダーのKANAさんは、バイクに乗るのは好きだがメンテに関しては洗車ぐらいしかしないとのこと。チェーンのメンテや寿命の判断もショップに任せているそうだが、今回は愛車のCB400SFでチェーンの診断に挑戦してくれた。
固着【チェーン寿命の症状①】#チェーン診断
チェーンはすべてのリンクがスムーズに動くことが重要となる。しかし、チェーンの固着が発生し、動きが悪い、もしくは動かないリンクがあれば、チェーンの寿命と判断できる。
固着が発生する原因は、チェーンのピンとブッシュを潤滑するためのグリスが劣化し、硬くなったことによるもので、初期は動きの渋さが現れ、徐々に固着が進行し、ピンとブッシュが焼き付き状態となっていく。
固着の見分け方は非常に簡単で、チェーンを横から見て真っ直ぐになっているかどうかで判断できる。
上の写真のようにチェーンが自重で真っすぐになり、屈曲しているリンクが無いのが正常な状態だ。
【固着】があるか?自分でチェーン診断!
KANAさんのバイクを見てみると、チェーンの全周で屈曲しているリンクは見つけられなかった。
現在のところ固着は発生していないようだ。
ピン回り【チェーン寿命の症状②】#チェーン診断
先に述べた通り、シールチェーンのピンとブッシュはグリスによって常時潤滑されている。
固着の状態が悪化し、圧入固定されていて本来回転しないはずのピンが回転してしまう現象がピン回りだ。
ピン回りが起こっているかどうかは、チェーン側面のピンの頭を確認し、ピンの角度が変わっていないかどうかで判断することができる。
【ピン回り】があるか?自分でチェーン診断!
KANAさんも自分のバイクのチェーン側面を凝視し、ピン回りが起こっていないかどうかを確認!
チェーンの全周でピンの頭をひとつひとつ確認したが、幸いにもピン回りは発見できなかった!
シール切れ【チェーン寿命の症状③】#チェーン診断
ピンとブッシュを潤滑しているグリスを封入する役目を担うのがシールリングだ。
このシールリングが切れてしまって欠損していたら、グリスを保持できなくなってしまうのでチェーンの交換が必要となる。
シール切れが起こる2つの要因
紫外線劣化
バイクカバーを使わずに青空保管していると、チェーンも直射日光にさられることになる。その紫外線によって、ゴム製のシールリングが劣化し、シール切れを起こしてしまうのだ。
つまり、走行距離が少なくても長期不動車などは注意が必要となるのである。
粗悪なチェーンルブ・クリーナーの使用
現在販売されているチェーンルブ、クリーナーの中には、シールチェーン対応と表示されていても、残念ながら実際にはシールリングに悪影響のあるものが存在する。
そうした粗悪なチェーンルブ、クリーナーの使用でシール切れを起こすことがあるそうだ。
だからこそ、チェーンに使用するケミカルは、車両メーカーの純正ケミカルかチェーンメーカーの商品を選ぶ必要がある。
【シール切れ】があるか?自分でチェーン診断!
チェーンを全周目視で確認し、今回はシール切れは確認できなかった。
ちょっと汚れは目立ったものの……シールリングの欠損は見られずひと安心。
結論!現状は大丈夫でした!
今回の確認ではKANAさんのCB400SFチェーンはまだ交換時期に無いと判断できた。チェーンの寿命は乗り方やメンテナンスサイクルによっても異なるので、今後もこまめなメンテナンスを推奨したい。
チェーン診断によって寿命の症状が出ていたら速やかに交換を!
今回はチェーン寿命を示す症状は見られなかったものの、今後走行距離を重ねていけば、必ずチェーンの交換タイミングは必ずやってくる。シールチェーンの3つの交換サインを見逃さずに、愛車の好調を維持しよう!
みなさんも、自分の愛車で「#チェーン診断」してみていただきたい!
取材協力 T.T.R Motors
今回の撮影は埼玉県草加市のバイクショップT.T.R Motorsにご協力いただいた。同店は旧車、絶版車の取り扱いが豊富で、一般の車両修理や販売のみならず、独自サービスにも積極的に取り組んでいる。
得意とするホンダCB-F系に関してはリビルトエンジンの販売も行っている。
このエンジンは、一度完全に分解され、ウィークポイントの対策部品や新品部品を仕様して、新車エンジンと同水準の性能を発揮するもので、一般ユーザーだけでなくプロショップからも注文が絶えない。
さらに、独自のブラスト技術「RECS」は、ドライやウェットブラストのように、残留メディアが残らないブラスト洗浄技術だ。貴重な旧車部品にダメージを与えることなく、サビや汚れを除去できる。
残留メディアの心配がないのでエンジンやキャブレターなどに安心して施工できる。気になる方は是非お問い合わせを!
T.T.R Motors
埼玉県草加市吉町 4-3-28
048-925-8655