古いバイクを直して乗る「レストア」は、バイク趣味のひとつ。多くの人が楽しみながらバイクを再生している。その中でも内部がサビてしまったガソリンタンクのサビ取りやコーティング作業はプロでも苦労する行程。その労力を軽減してくれるのが、東京モーターサイクルショーにも出展している大阪発のバイクパーツ販売メーカー・カスタムジャパンがリリースしているProTOOLs(プロツールス)ブランドの「錆取革命・革命セット」である。
名車や思い出のバイクを再生する「レストア」の世界
今、古いバイクに人気が出ていて、傷んだ所を直して車両を再生する「レストア」をショップに頼らず行うマニアが増えてきた。汚れやサビを落とし、動かなかったバイクをキレイにしていく作業はなかなか楽しいもの。ネットでも多くの情報が飛び交っていて、レストアの人気が高いことを感じる。
そのときにひとつのネックになるのが、外から見えないガソリンタンク内のサビだ。ガソリンタンクにサビがあると、燃料ホースを通ってキャブレターに達しオーバーフローや始動・走行不良などの原因になる。非常に厄介な現象と言えよう。
機械いじりが好きな筆者もその昔、長期間放置されていたヤマハ・SDRをレストアしたことがある。そのときにガソリンタンク内のサビ落としをしたことがあるのだが、量販店のスタッフに勧められて使った1液性のサビ取り剤は、お湯で希釈することで高い効果を発揮するモノ。また頑固なサビは12〜24時間放置する必要があったため、かなりの手間と作業時間がかかった。
場所や道具の確保にはじまり、事前のタンク内の洗浄、サビ取り剤の注入、温度を下げないよう毛布でくるんで放置。12時間後に抜いてサビが落ちているか確認するも、落ちきっていなかったため再度サビ取り剤を注入。トータル24時間以上放置後に内部を洗浄して終了と、かなり時間と手間がかかった。サビ取りの効果としては満足だったが、正直「もうやりたくないな」と思う作業量だった。
ところがある動画を見てもっと手軽にガソリンタンク内のサビ落としができる事を知った。それがプロ整備士が認める総合ブランド、ProTOOLs(プロツールス)がリリースしている「錆取革命・革命セット」である。
水で希釈し3時間でサビが落ちる!プロと共同開発したサビ取り剤
「錆取革命・革命セット」には以下の特徴がある。
- 濃縮タイプの超強力な「サビ落とし剤」と「防錆剤」をセットで使う
- サビ取りと防錆の合計時間が6〜8時間でできる
- 常温の水で使用できる
- 使った液は繰り返し使用できる
というもの。自分でやったときに大変だと感じたところが相当改良されている。
また、カスタムジャパン公式YouTubeチャンネルで公開しているレストアのプロがサビ取り作業を行っている動画を見ると、もう1つ目を引いたアイテムがあった。それが「錆取革命 腐ったガソリンの洗浄剤」だ。
業界初の謳い文句があるこのケミカルは、サビ取り剤の効果を最大限に発揮するため、タンクに残っている腐ったガソリンやタール状になったガソリンを強力に洗浄する効果がある。
サビ取り剤にはクリーニングする性能がなく、汚れが残っているとサビに対して十分に効果を発揮しないので、事前に内部をクリーニングするのは大切なこと。
作業工程を見てみると、タンクに「錆取革命 腐ったガソリンの洗浄剤」を入れる。希釈せずにタンクを上下左右に動かし、内部全体に液体を行き渡らせる。
2〜6時間放置する間に腐ったガソリンやタール状になったガソリンを分解する。液体を取り出すとこの汚れ!
最初に「錆取革命 腐ったガソリンの洗浄剤」で内部を洗浄することで、サビ取り剤がダイレクトにサビに働きかけるようにすることができる。現場のプロの意見から生まれたというだけあって、かなり性能がよさそうだ。
「サビ落」としと「防錆」をそれぞれ専用の液体で行う!
販売されているサビ取り剤の中には、1液でサビ取りから防錆まで行う製品があるが、ProToolsは敢えてサビ取りと防錆を別々の液体で行う。作業が煩雑になるのではないかという懸念はあるが、それ以上に「サビをしっかりと落とすこと」と、「確実に内部をコーティングしてサビを再発させにくくすること」を重視しているのだ。後発製品だけに、さまざまな角度から「サビ取り・コーティング」について研究・開発してこの仕様になったという。
まずは「錆取り専用剤・ひど~いサビ用のサビ取り剤」をタンクに注入。その後、水道水で希釈する。最大20倍まで薄めて使える(内容量が1ℓなので20ℓの水まで希釈可能)というから、大型バイクまでカバーできそうだ。
時々向きを変えて、すべての面にサビ取り剤がいきわたるようにする。
3時間放置後にサビ取り剤を抜き取るが、再使用が可能なので密閉できる容器に入れて保管するのが良いだろう。もしタンク内のサビが酷いようなら、サビ取り剤をメッシュや濾紙などで濾すことをオススメする。
サビ取り剤を抜き取ったあとは水道水で洗浄。
《ウラ技》
水でも十分なサビ取り効果を発揮するが、ぬるま湯にすることで反応を高めることができるとも。夏場であれば日なたに置いておくというのも手だろう。注意したいのは温度が上がると内圧が高まり、ガソリンタンクが膨らんでしまうことがあること。定期的にエア抜きすることが推奨されている。
再びサビが発生しないよう、強力な防錆剤でコーティング
サビ取りが終わったら、次は「防錆コーティング剤・なが~い効果の防錆剤」で内部をコーティングする。3〜4時間ほど浸けることで、金属の表面に強力な防錆被膜を形成。長時間の防錆効果が持続するというもの。まずはタンクに原液を入れて水で希釈。
3時間ほど放置するが、その間もときどき向きを変えて液体が全体の壁面にくまなく行き渡るようにする。処理後、液体を取り出すときは、こちらも再利用できるので保管に適した容器に出す。
その後、エアブローなどで内部を乾かして防錆処理は終了となる。
見事にサビは落ち、コーティングも行き渡っているようだ。これで安心して車体に取り付けることができる。
2つの液体を使うが、それぞれが強力なので1液あたりの作業時間が3時間程度と短い。そのためトータルの作業時間はかなり短縮できる。またサビ落としと防錆を専用の液体で行うことは、それぞれに高い効果が期待できるということ。
高い効果を持つため、全国のバイクショップで使用されている実績があるのに加え、作業が短時間でできるというメリットもあるので、ProTOOLsの「錆取革命・革命セット」はレストアを趣味とする人にもお勧めできるサビ落とし&コーティング剤だと言えるだろう。
そこまで酷くないサビや時間がある人向けの製品もある
ProTOOLsには、そこまで酷くないサビや、少し時間がかかっても手間がかからないほうがいいというユーザー向けの製品もある。
ProTOOLsの錆取り剤には、リンス&シャンプーのように1液でサビ取りからコーティングまでを行う「錆取革命 錆取りいざ本番」あり、多くのバイクショップで利用されているとのこと。
自分のバイクの状態や、レストアスタイルにあわせて使用を検討してみてはいかがだろうか。