【Brand Pickup】
バイクは思いのほか汗をかく。
何もサーキットを走るようなスポーツ走行の時だけ汗をかくわけではなく、普段の何気ないバイクの取り回しでの押し引きや、ツーリング、さらには凍える季節であっても意外に汗をかいていたりする。バイクでのライディングは通常時よりも体幹の筋肉を使い、体温が上がるためいつもよりも汗をかきやすいのだ。
そもそも人間は安静時でも皮膚や粘膜、呼気から1日で約900mlもの水分が失われている。
だからこそ冬のバイクウエア選びは重要なのだ。
寒風から体温を奪われないために防風機能が必要なのはもちろん、吸汗速乾機能も重要になる。
冬のライディングで大敵となる、かいた汗が冷えて体温を奪う『汗冷え』。
そこでウエア内の蒸れを軽減し汗冷えを防ぐため、肌面をドライに保つことがポイントだ。
これらの問題に対応する機能をもった防寒アウター(ライディングジャケット&パンツ)は高機能で非常に優れているが、高価なのがネック……。
そこでおすすめしたいのが、アウターは今まで使っていたものを着用しつつ、インナーウエアを最新の高機能なものに変える方法だ。そうすれば予算を抑えつつ、寒い時期のライディングを快適に楽しむことができる。
今回紹介するBODY TOUGHNESS「WINDSMASH3」はまさにうってつけの商品。
防風、ストレッチ、吸汗速乾といった機能をもちつつ、リーズナブルでタフなのだ。
製品を細かくチェックしていこう。
現場で鍛え上げられた『BODY TOUGHNESS』
『BODY TOUGHNESS』は1926年に創業した『おたふく手袋』の機能性インナーウエアブランドだ。
『おたふく手袋』は軍手の製造から始まり、現在では靴下、グローブ、安全靴、レインウエアと多岐にわたる製品をリリースしている。それら製品は様々な厳しい現場で鍛え上げられ、機能性と堅牢性を兼ね備えたものばかり。
『BODY TOUGHNESS』は当初、建築現場などで働くユーザー向けに開発されたものだったが、防風、ストレッチ、吸汗速乾といった高い機能にオートバイユーザーや自転車のロードバイクユーザーが着目。
寒い時期に体を動かし汗をかくような環境でもしっかりと体温を保持してくれることから、まさにバイク乗りにはうってつけな製品なのだ。
バイク乗りが開発した『WINDSMASH3』は寒い時期の神アイテム!
寒い時期に着用する高機能防寒インナーといえば、一般衣料の吸湿発熱素材がまず頭に思い浮かぶことだろう。
汗をかくと発熱すると謳っているインナーを着たことがある人なら体感したことがあるはずだが、冬の電車内で暖房が効き過ぎた環境だと汗をかいてしまうが、それによって素材が発熱しさらに暑くなって汗がダラダラと……。その状態で電車外に出た瞬間に汗が冷えて凍えるというシチュエーションだ。吸湿発熱素材は、汗を大量にかき素材が水分飽和状態となると発熱効果を発揮できなくなるのだ。
だから、吸湿発熱素材は通常よりも汗をかくような、バイクでライディングするシチュエーションには意外と向かないのである。
『WINDSMASH3』では吸湿発熱素材を使うことなく、吸汗速乾素材と防風素材をうまく組み合わせることで、保温性を確保している。
具体的には、肌に密着する部分に水分を含まないポリプロピレンメッシュ生地を用い、その上の層に吸汗速乾素材(ポリプロピレンメッシュ+吸汗ポリエステル機造)を使うことで、肌面はサラサラ状態をキープ。その吸汗速乾素材の上に防風フィルム、一番外側にポリエステル素材と、4層構造になっているのだ。
同モデルの前に『WINDSMASH2』が発売されていた。こちらはストレッチ生地の表面にポリウレタンコーティングが施され防風機能を持たせていた。表面はツルツルとした光沢を放ち、ファスナーなどの金属類が当たるとコーティング部分の剥がれが生じてしまうことがあったのだ。そのため手洗いが推奨だった。
一方、『WINDSMASH3』では防風フィルムが生地にサンドされているため、耐久性がUPし洗濯機で洗濯できるのも大きなポイント。
現場作業員や雪国での雪かき作業といった冬場でも汗をかくシチュエーションで重宝されているのは、高い防風性能、保温機能に裏打ちされているからなのだ。
インナーシャツは2タイプ!
体温調整しやすいハーフジップ『BT防風ハーフジップ ハイネックシャツ ウインドスマッシュ3』
首元スッキリのハイネック『BT防風ハイネックシャツ ウインドスマッシュ3』
WINDSMASH3のインナーシャツには、体温調整しやすいハーフジップタイプ(JW-197)と首元がスッキリとしたハイネックタイプ(JW-196)の2種類がラインナップされている。
それぞれのシャツともに、前身ごろと後ろ身ごろ、腕の外側には防風素材が生地にサンドされ、バイクで走行中に風が当たり体温を奪われやすい箇所をしっかりと保温してくれる。
逆に、脇から腰にかけての横部分と腕の内側部分といった汗をかきやすい箇所は防風素材を使わず、ウエア内部の湿度を下げ汗冷えしにくいよう設計されている。
着圧が強そうなスポーティな見た目だけど着心地は?
生地に防風素材がサンドされているため一般的なコンプレッションウエアに比べたら伸縮性はやや劣る。
しかし、写真からも分かるように伸縮性自体は十分確保されており、ライディングポジションをとっても窮屈だったり疲れることは皆無だ。
防風生地の裏側はメッシュ地で、そうでない部分の裏地には微細起毛となっており、肌へのあたりはしなやか。肌に当たる縫い目部分もチクチクするようなことはなかった。
首へのあたりに関しては、ハーフジップもハイネックも優しい質感。モデルのKANAさんは普段タートルネックをあまり着用しないそうだが、それでも違和感なく着れたという。
サイズ感は?
サイズ展開はメンズサイズのみだが、伸縮性を持ち合わせているのとSSから3Lまで6サイズ展開されているので、女性から男性まで着ることができるだろう。
この原稿をかいている筆者は身長163cm、70kgのメタボ昭和体型。普段のインナーではMサイズを着用。
WINDSMASH3のインナーシャツではMサイズがちょうどよい。
Sサイズでも伸縮性があるため着ることができるが、胴回りよりも腕周りのほうがパツパツ気味。これは腕の外側にサンドされている防風生地によって伸縮性がややスポイルされているため。腕、特に前腕部が太い体型の場合は、ワンサイズアップして選んでもいいかもしれない。
モデルのKANAさんは身長165cm。普段のインナーではレディスのM〜Lサイズを着用。
Sサイズでは肩腕周りがややキツかったが、Mサイズはちょうどよかった。撮影ではMサイズを着用していた。
SS | S | M | L | LL | 3L | |
胸囲 | 78-84 | 80-88 | 88-96 | 96-104 | 104-112 | 108-116 |
身長 | 155-165 | 165-175 | 175-185 |
ロングタイツも防風&ストレッチ
『BT防風ロングタイツ ウインドスマッシュ3』
ロングパンツは前面に防風素材を使い、ひざ上の一部分とフロント上の一部は動きやすくするため2WAYストレッチ素材を採用。 前モデルでは後ろ側も防風素材だったが、2023年秋冬モデルから後ろ側すべてが2WAYストレッチ素材となった。
防風素材部分が生地にサンドされ肌に当たる部分にメッシュ地を使い、そうでない部分の裏地には微細起毛の生地を使っているといったことはインナーシャツと同様だ。
ロングタイツの着心地は?
インナーシャツ同様に肌のあたりは柔らかく、縫い目部分のチクチクなども皆無。
後ろ側がストレッチ素材のため、しゃがんだり足をあげたりと動いても窮屈感はどこも感じず快適。それでいて温かいのだからバイクには最適だ。
パンツのサイズ感は?
先程も申し上げた通り昭和体型の筆者。お腹ポッコリでふくらはぎは太め。普段のパンツはジーンズだと31インチ。下着のパンツはMサイズでも履けるがボクサーブリーフのゴムが食い込み、楽を求めてLサイズを着用。
ロングタイツでは、Sサイズ、Mサイズのどちらでも問題なく着用可能。Sサイズでもウエストゴムの伸縮性が高いため、窮屈な感じはしない。ふくらはぎ太めの筆者だが、後ろ側がストレッチ素材のため、こちらも圧迫感は皆無だ。
それでも、ツーリングで長く着ることを考えたら自分ならMサイズを選ぶ。
モデルのKANAさんは、普段ではレディスのLサイズを着用。
今回のロングタイツではSだとぴったり、Mだとやや余裕ありといったところ。撮影ではMサイズを着用していた。
SS | S | M | L | LL | 3L | |
胴囲 | 66-72 | 68-76 | 76-84 | 84-94 | 94-104 | 98-108 |
身長 | 155-165 | 165-175 | 175-185 |
高い質感&タフな作り
冬もバイクに乗るユーザーにはマストアイテム!
高機能なことはもちろん質感が高く見た目もスポーティ。それでいて買い求めやすい価格に設定されているため、購買意欲を刺激されるのは間違いない。
これだけ高機能なのだから、バイクに乗るときだけ着るのはもったいない。
冬場の犬の散歩や外での作業から、冬キャンプといった外で楽しむアクティビティまで、これからむかえる寒い時期に存分に着倒したいアイテムだ。
取材協力:T.T.Rモータース
CB-F系やCBXを得意とし旧車、絶版車などの販売修理を行う。バイク初心者の方にも安心して購入できるアフターサービスも充実! 楽しくなければバイクじゃないという考えのもと、様々なイベント、ツーリングやサーキット走行会などを催している。
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