私も数度、体験したことがあるがバイクで250km/hを超えてくると、風圧はかなりの障害となってライダーの前に立ちはだかってくる。
ヘルメットは風圧で持ち上がって顔面に押し付けられ、頭が振れられてライディングポジションも安定せず、視界はどんどん狭まってくる。いかに空力というものがバイクやヘルメットにとって重要であるかを身をもって知ることになる。
空力を極めたエアロダイナミクスフォルムKabuto「F-17(エフイチナナ)」
Kabutoのフラッグシップとして誕生したF-17。
その最大の特徴は最先端のエアロフォルムにある。
前面からの風だけでなく、横風や後方確認時の空気抵抗を低減させると共に、ハイスピード時にヘルメットが浮き上がる揚力を抑えることに成功している。
曲線が織りなす迫力のフォルム
まるでレーシングカーの様なメリハリの効いた迫力のフォルム。フラットブラックのカラーリングもあり、ある種の凄みを感じさせる。
3箇所に設けられたエアベンチレーション
上部にあるセンター、おでこの部分左右にあるサイド、口の上に位置するチン、と3箇所、計5個のエアベンチレーションが設けられており、直進時だけでなくコーナーリング時も効率良くフレッシュエアーを取り込む。
開閉の感触はカチッっと節度良く、開き閉じが明確だ。
シールドはセンターロック式
シールドは下げきるとガチッとロックされる。樹脂部品なのに金属部品の様な剛性感ある感触だ。300km/h近い高速域を見据えた造り込みが感じられる。
大型レバーなのでグローブをした指先でもロックの解除は容易だ。
レッドとブラックの2色を使ったヘルメット内装もスポーツカーのシートの様な高級感を感じさせる。
内装は硬めに感じるが、かぶり心地自体は良好で頭部全体を抱え込むようなフィット感がある。頭を左右に振ってもヘルメットがずれる感触は無かった。
一般道の速度域で感じられたF-17の空力性能
実際にF-17を被って走ってみる。
走り出してすぐわかったのは、風切音の異様な小ささである。
ゴーっといった風切音、ピューピューといった高音の風切音、エンジン音、チェーンの音、排気音、ロードノイズなどなど走っていれば必ず聴こえてくるはずの音の中で、耳に最も近いところで聴こえるはずの風切音が著しく少ないのだ。
時速60km/hくらいで走っていたら、右から追い抜いていくバイクのチェーンの音がはっきりと聴こえてきた。
余計なノイズの小ささは長時間のライディングで疲労軽減のメリットになるだろう。
しかし、ツーリング時の快適性でメリットを持つヘルメットは他にもある。
F-17の優れた空力性能による恩恵はスポーツライディング時にこそ見出すことができたのだ。とはいえ一般道のみの試用であったのでその片鱗だけはしっかり感じ取れたと言っておこう。
コーナーリング時に感じられた頭部の安定性
高速コーナーにそれなりの速度で進入した時である。積極的にコーナーの内側へと体を入れて体勢を移していく時、強い走行風に晒されて頭が振られるような感じを抱くことは良くあることだ。
ところがそんな場面でもF-17では頭が振られないのである。
頭が動かないから姿勢は乱れない。
姿勢が乱れないから走行ラインが安定するのだ。
横風による空気抵抗も確実にいなす
また、車線変更時など目視確認で後ろを向いた時も風の影響はごく少ない。
やはり頭が動かないから体がブレずにレーンチェンジも安定するのだ。
こうしたF-17の優れた空力性能は、速度域の高いサーキットでこそ、その真価が遺憾なく発揮されるだろう。
純粋に走りを楽しみたい人にこそお勧めしたい
高速道路を延々と長距離を走るようなシチュエーションや、ワインディングを楽しむようなツーリングでも、その性能を享受できるだろう。インカム装着を前提とした装備も随所に見られるし、のんびりツーリング派のライダーでもF-17を快適に使うことができるのは間違いない。
だが、ツーリングに快適なヘルメットは他にも数多ある。サーキットや高速道路、ワインディングなどハイスピード域で純粋に走りを楽しみたいユーザーにとってF-17は他のヘルメットには代えがたい心強い相棒となるはずだ。
Kabuto F-17
価格 | 51,700円(税込) |
サイズ | XS・S・M・L・XL・XXL |
カラー | ホワイト・ブラックメタリック・フラットブラック |
発売元・オージーケーカブト https://www.ogkkabuto.co.jp