前後映像、走行ルート、速度、車体の姿勢(Gセンサー)まですべて記録できる
車ではすでに装着率50%を超えているも言われているドライブレコーダー。一方のバイクは、まだそれには程遠い普及率なのではないだろうか。
しかし、ドライブレコーダーの有用性はバイクの方が数段高いはずだ。
万が一車と絡んだ事故が起きてしまった場合、より大きなダメージを負うことになるのはバイクの方である。意識を失って救急車で運ばれてしまうなど、現場からライダーがいなくなってしまったら残された車のドライバーの一方的な証言で事故の調べが進んでしまうことになりかねない。
また、事故のショックで記憶を失ってしまえば、やはりバイクにとっては不利な結果になりかねないだろう。だからこそドライブレコーダーによる映像記録が重要となるのである。
ミツバサンコーワの最上位ドラレコはすべてを記録する
ミツバサンコーワのEDR-21Gαは、前後カメラ、GPS、Gセンサーを搭載するため、記録できる情報がかなり多い。いざという時に役立つことは間違いない。
また、スマートフォンとの連携に優れていて専用アプリによって設定や録画映像の確認が可能だ。
防塵、耐水、耐震設計のバイク専用品である。
本体に前後カメラ、GPSアンテナ、コントローラーなど高機能ゆえに部品点数はかなり多い。
本体サイズは74.5×100×19mmとなる。収納スペースが極端に少ない車種は設置場所に苦労するかもしれない。
記録用マイクロSDカードは専用品を推奨!
振動や温度変化の激しい過酷な環境下にあるバイク車載を考慮した専用のマイクロSDカード(32GB)が同梱される。ミツバサンコーワのドライブレコーダーEDRシリーズ用にフォーマットされているのでそのまますぐに利用可能。さらにオプションとして別売で大容量のものが用意されており、用品店などでも購入することができる。
映像はマイクロSDに記録される。スマートフォンにwi-fi接続すればスマホ画面でも録画映像を確認できるので、いちいち本体からSDカードを抜き挿ししてパソコンを使う必要はない。
車種によって取り付けは煩雑になるのでプロに依頼するのを推奨
配線はバッテリーとオンオフ信号を得るための車体アクセサリー線への接続を行うだけである。多少バイクメンテできるだけの知識と道具があれば、自分で取り付けるのも難しいことではないだろう。
ただ配線自体はシンプルなのだが、前後カメラ、GPSアンテナ、コントローラーの各部品を設置し、配線を取り回すのはけっこう面倒である。少しでも難しいと感じるようならプロに依頼するのが無難である。
今回は撮影のため急いで付けたのだが、Vmax1200の場合、ここまでバラさないと配線を通すことは出来なかった。
カメラの大きさは27mm径で全長43mm。バイクの車体だと、隠せる場所も少ないので目立ってしまうのは致し方ないところ。
Vmax1200ではこんな感じに装着した
リアカメラ
リアカメラはリアフェンダー上に貼り付けた。
フロントカメラ
フロントカメラは工具箱の中にあったなにかのL字ステーを使ってマウントした。
スイッチ
コントロールスイッチは左手で操作できるようにクラッチマスターに貼り付け。
GPSアンテナ
GPSアンテナはヘッドライト上に貼り付けた。
本体
本体はリアシート下に設置
電源コード
バッテリー端子に電源線を共締めする。
アクセサリー(車体メインキーに連動して12Vが流れる線)線は、ギボシ端子を追加して、以前自分で増設しておいた車体アクセサリーに接続した。
本体とカメラ、GPS、電源、スイッチへの配線は色分けされているのでわかりやすい。
とにかく車体の前後端まで配線が通るので、その取り回しに最も時間を要した。ハンドルを左右に切っても配線が突っ張らないように、基本的にメインハーネスに沿う形で取り回した。
各種設定を行うにはスマートフォンが必須!
装着が終わったら、スマートフォンのアプリをダウンロードしてwi-fi接続を行う。
カメラの映像をスマホ画面でリアルタイム確認しながら、カメラの角度を調整する。
録画映像を確認して驚いた従来のドラレコを超える詳細記録!
取り付けとセットアップが完了したので早速近所をひと回りした後、記録映像をパソコンで確認してみることにする。
ちなみにパソコンによる映像確認にもやはり専用ビューアーが必要で、ソフトはwindowsにしか対応していないので注意が必要だ。
再生される映像は美しく、ひと昔前のドラレコとは別次元の映像クオリティだ。車のナンバープレートははっきり見えるし、通行人の人相も判別できるレベルである。
まあ、それはアクションカメラでも一緒である。だが、EDR-21Gαは映像以外の情報量がすごいのだ。GPSで通ったルートが軌跡表示されるし、映像と連動して地図上で自車位置が動いていくのだ。
これならどこでアクシデントが起こったかが一目瞭然である。
速度も記録!
GPSによって記録されるのは位置情報だけでなく速度も映像と連動して記録される。事故の瞬間、自分が停車していたのか?動いていたのか?その瞬間、速度が何キロ出ていたのか?までわかってしまうのだ。
Gセンサーで車体姿勢も記録!
本体内蔵のGセンサーで車体が加速状態だったか?減速状態だったか?まで記録される。記録映像を見てみると、ものすごく精細というわけでも無かった(本体の固定が悪かったのかもしれない)が、加減速や左右のバンクが記録されていた。これもアクシデントの瞬間、ライダーがどういう操作をしていたのかが後で分かる貴重なデータとなるだろう。
録画映像はその場でスマホ映像で確認できる
録画映像は出先でスマホで確認もできるので、ツーリングでの休憩中などに自分の走りを見たり、もしかしたら、交通違反の弁明にも使えるかもしれない!
前後カメラの同時再生や
全画面表示もできる
記録内容を見ると少し怖いくらいである!
速度や車体姿勢までこれだけ明確に記録されていると、自分の中でもあまり変な運転はできないなと感じるので、違反などの抑止力にもなりそうだ。
また、GPSで通った道や時間も明確に記録されるので、何もやましい事が無くても何だか妻に知られたら怖い気もする……。やましい事はないんですよ!
しかし、映像を含めたもろもろのデータ記録は、万がいち事故や交通トラブルに遭遇した時に、信用度の高い証拠になることだろう。
それに映像以外の速度やGPS位置情報といった記録は、ツーリングを振り返る映像として見てもかなり面白い。
3万円を超える価格と、取り付けの煩雑さはネックになるかもしれないが、それでもEDR-21Gαだけにしか記録できないデータがあると考えると、現状バイク用ドライブレコーダー最良の選択であると言えるのでは無いだろうか。
ミツバサンコーワ バイク専用ドライブレコーダーEDR21Gα
価格 | 38,280円(税込) |
撮像素子 | 200万画素 SONY CMOS センサー |
記録解像度(前後共通) | 1920×1080P(1080P FullHD) 1280×720P(720P HD) 640×480(VGA) |
ファイル形式 | MP4(動画形式:H.264 録音形式:AAC) |
防塵・防水性能 | カメラ部:IP66/67 本体:IP55 |
記録方式 | 常時録画/イベント録画(衝撃録画、手動録画) |
記録データ | 映像ファイル、音声記録、日時、加速度、位置情報 |
通信方式 | 無線LAN |