夏の快適装備と言えばまずメッシュジャケットを思い浮かべる人が多いと思いますが、メッシュパンツをはいている人は意外と少ないように感じます。
メッシュパンツはジャケットと違い気軽に脱ぐことができないため、ツーリング以外だとデザインが浮いてしまうシーンが多いせいかもしれません。
そこで今回はさまざまなメーカーさんのホームページやカタログをチェックして、普段着っぽく使えそうなメッシュパンツをお借りして実際に使わせてもらいました。
今回テストしたメッシュパンツ3本
メーカー 製品名 | カドヤ ワーク・メッシュ (MR-PANTS-2) | ROUGH & ROAD メッシュカーゴパンツルーズフィット (RR7513LF) | コミネ ライディングメッシュジーンズ (WJ-740R) |
税込み定価 | ¥25,300 | ¥15,180 | ¥12,100 |
サイズ | L | MW | L |
今回お借りしたのは上の3種類です。どのモデルもバイク専用品のイメージがなく、パッと見普段着のように見えませんか?
これならバイクで出かけてそのまま買い物や食事をしたり、普段着OKの職場で働いたりといったシーンでも気兼ねなく使えそうです。
快適性についても、やはり普通のパンツとくらべると乗車中も降りてからも過ごしやすかったです。上の写真撮影時は外気温が35℃近くて全身汗だくになってしまいましたが、メッシュの触り心地がサラッとしているのでベタベタ感はなく快適でした。
無風状態だとそれなりに暑いですが、木陰や空調の効いた室内に移動するとサッと乾くのもメッシュならでは。
全体的な感想は上記の通りですが、細かな部分の違いが結構ありますので一つずつ細かく掘り下げていきましょう。
カドヤ:ワーク・メッシュ
カドヤのメッシュパンツは3本の中で一番ワイドな履き心地で余裕がありますが、シンプルなのでスッキリ見えます。
ただし股下が91cmと非常に長いため、上の写真では内側に織り込んでいます。膝の曲がりがきつめのスポーツバイクに乗ったとき、くるぶしが露出しにくいのはメリットだと思いました。バイクから降りたときは、ロールアップするなど一工夫必要です。
メッシュは表裏ともにきめ細かく高級感がありますが、その分風を受けた時の爽快感も少し控えめ。
内股全体にエンジンの熱を防ぐ素材が使われていて、メッシュの面積が少ないのが主な原因です。どちらかと言うと、エンジンの排熱が多い大排気量バイクとの相性が良さそうです。
表面のポケットはファスナー付きで左右に一つずつ。バイクのキーや小銭入れなど落としたら困るモノを入れやすく、スッキリしたデザインです。
裏面はボタンやファスナーなしのシンプルなポケットが2つ。お尻もメッシュになっていてそれなりに通気性があります。
裾はストレート形状で絞りはありません。特別太いシルエットではないので、走行中のバタつきは気になりませんでした。
カドヤのメッシュパンツでビックリしたのは、メッシュ生地なのに撥水機能がついていること。半信半疑で水をかけてみましたが結構長時間水滴を弾いてくれるので、ちょっとした雨や霧などレインコートを着るか迷うシーンで重宝しそうです。
膝から上の部分は細かい裏メッシュが付いていて、引っかかりが少なく耐久性が高そうな造りです。走行風の爽快感は少ない印象ですが、肌触りはサラッとしているのでベタベタして不快な印象はありませんでした。
ROUGH & ROAD:メッシュカーゴパンツルーズフィット
ラフ&ロードはカーゴパンツモデルをチョイスしましたが、全体的にスリムなシルエットです。ウエストアジャスト機能があり、かなり幅広いサイズに対応してくれます。ただしウエストに合わせて選んだらフィット感が結構タイトだったため、ゆったり履くならワンサイズ上が良いかもしれません。
メッシュは表裏ともに風通しが良く、今回テストした中では走行風を一番派手に感じることができました。ポケットや膝パッド部分は裏地がありますが、目の粗いメッシュ素材なので全体的に風通しが良い印象です。
表側とサイドに合計4個のポケットがあり、収納力はかなり高いです。サイドポケットはマチがついていないので、活用したい方は余裕のあるサイズを選ぶのが良いでしょう。
裏面はボタン付きのポケット2個と、右側の上部にモバイルポケットが1個。スマホをサクッと差し込めるので結構便利です。
裾の内側にはヒートガードがあり、面ファスナータイプの絞り機構がついています。
ルーズフィット構造でウエストサイズを調整できるので、ツーリング先でお腹いっぱいグルメを楽しんでも大丈夫です。左右に一つずつ付いていて、結構調整幅があります。
ニーパッドとウエストパッドは標準装備。脱着は簡単で体形に合わせて位置調整も可能です。
コミネ:ライディングメッシュジーンズ
今回唯一のデニム風メッシュパンツです。全体的に普通のデニムパンツのような雰囲気で、ツーリングも普段使いも難なくこなせそうです。
傷みやすいお尻と裾の内側は耐久性の高いデニム生地に切り替えていますが、デザイン上の違和感はありません。他の部分はフルメッシュとなっていて、通気性も良好です。
前側のポケットは左右に一つずつで、小物を分けられる小ポケットも一般的なジーンズと同じ造りです。
裏面のポケットはシンプルなものが二つ。お尻のデニム部分は最小限になっているので、通気性の悪さはそれほど感じませんでした。
裏面にもメッシュが合わせてありますが、細かい穴が空いているため通気性は良好。
擦れや熱を受けやすい裾の内側もデニム生地で補強してあります。裾の絞りはなく、太さも一般的なストレート形状のデニムのようなイメージです。
ニーパッドとウエストパッドも標準装備で、それぞれポケットに出し入れする方式で脱着もカンタン。
まとめ:普段着風のメッシュパンツはさまざまなシーンで活躍しそう
夏のツーリングを快適にしてくれるメッシュパンツですが、普段着のように気こなせるデザインなら、さらに利用シーンが広がりそうです。
普段のちょっとした買い物や通勤など、着るものに迷うシーンでも選びやすいですね。
夏でも日常的にバイクに乗る方は、ぜひいろいろなシーンでメッシュパンツを活用してみてください。