国内最大規模を誇るバイクの祭典、モーターサイクルショー。その開催に合わせて、今年も様々なニューモデルが発表&お披露目となった。モトメガネ編集部では注目のニューモデル6車をピックアップ。メーカーのブースと車両をご紹介していくぞ!
2025年はオフロードモデルが活況!
スズキがDR-Z4/4SMを、トライアンフが完全新設計のエンデューロマシンを発表したかと思えば、ヤマハからはオフロードコンセプトなるモデルが展示されていたりと、2025年はオフロードモデルが活況だ。
オフロードバイクはバイクのカテゴリーの中でも、比較的マニアックな分類。とはいえ、車重が軽く取り回しがしやすく、シートに座ったときのライダーの目線が高いから、オフロードだけでなく街中でもかなり運転しやすいのだ。
SUZUKI
スズキは「スズキオシフェス」をテーマに、来場者が魅力を体感できるブースを展開。「DR-Z4」「DR-Z4SM」を日本初公開するほか、特別仕様の「隼」も展示し、注目を集めていた。
スズキのプレスカンファレンスでは、2025年東京モーターサイクルショーでの展示内容と今後のイベント計画について説明が行われた。
展示車両については、DR-Z4S/SMを含む21機種26台を展示。ストリートファイター6とのコラボレーションモデルも紹介された。また、樋口日奈さん主演のWebショートドラマを制作し、若年層へのアプローチも強化。
安全スクールに関しては、北川ライディングスクールの継続開催に加え、新たにリターンライダー向けのスクールを全国5会場で実施することが発表された。
2025年の鈴鹿8耐にはチームスズキCN(カーボンニュートラル)チャレンジの詳細も説明され、環境に配慮したサステナブルアイテムを採用したレース参戦についての報告もあった。開発ライダーには津田拓也選手が起用される。
注目モデル① 400クラス最強? 待望のオフ&モタが復活だ! 「DR-Z4S」「DR-Z4SM」
日本初公開となったDR-Z4SとDR-Z4SM。DR-Z4Sは前後21/18インチホイールのオフロード仕様、DR-Z4SMは前後17インチのスーパーモタード仕様だ。エンジンは398cc単気筒エンジンで38ps/37Nmを発揮し、最新電子制御「S.I.R.S.」やトラクションコントロールを装備。車体重量とシート高はS/SMでぞれぞれ151/154kg、920/890mmとなっている。
気になる価格は、北米価格で8,999ドル(約136万円)。日本では90万円台後半が予想される。シート高は約900mmと高めの設定だが、日本販売に向けてローシートモデルが用意されるとのことだ。
注目モデル② 身近に感じるスーパースポーツ! スト6コラボも!「GSX-8R」
第2の注目株は新型フルカウルスポーツGSX-8R。80psを発生する776cc並列2気筒エンジンを搭載し、優れたトルクと軽快なハンドリングを実現した等身大のSSだ。
会場では、人気ゲーム『ストリートファイター6』とのコラボモデルも展示。作中キャラクターで、バイクを趣味とする「ジュリ」をイメージした「GSX-8R Tuned by JURI」(非売品)だ。ジュリのトレードマークである蜘蛛模様や、手書き風のGSX-8Rロゴを加えたスペシャルマシンに仕上げられていた。
ロイヤルエンフィールド
クラシカルなデザインや扱いやすい中排気量エンジンで、注目度が高まっているロイヤルエンフィールド。会場では、日本導入が決定したばかりの「BEAR 650」と参考出品車の「CLASSIC 650」「GOAN CLASSIC 350」を日本初公開した。
飛ぶ鳥を落とす勢いのロイヤルエンフィールド。東京モーターサイクルショー2025のプレゼンテーションでは、アジア太平洋市場担当事業責任者のアヌージ氏が登壇。そこでロイヤルエンフィールドの新製品が紹介された。紹介されたのは、先の大阪モーターサイクルショーでも展示されていた3モデル「BEAR 650」「CLASSIC 650」「GOAN CLASSIC 350」だ。
なかでも最も個性的な「GOAN CLASSIC 350」は、ロイヤルエンフィールドだからこそラインナップできるモデルといえよう。CLASSIC 350をベースにインドのビーチエリア〝GOAN〟をイメージし、エイプハンガースタイルのハンドルをセット。見ているだけで心がわくわくするようなカラーリングを採用し、タンクにはフラワーがデザインされている。
ロイヤルエンフィールドが重視しているのは、〝走る楽しさ〟や〝走っている時間をいかに充実したものにするか〟という、単純には数値化できないバイク本来の面白さだ。大型バイクがバイク業界を席巻しているなかで、ロイヤルエンフィールドが中型セグメント(中間排気量)に力を入れている理由もそこにある。扱えきれないパワーを持て余すより、アクセルを開けて走れる喜びやライダーがコントロールする楽しさを享受しやすいのは、中型セグメントのバイクなのだ。事実、中型セグメントの分野でロイヤルエンフィールドは高い支持を受け、イギリス、ニュージーランドでは販売台数1位、アルゼンチン、タイ、マレーシア、韓国では2位、オーストラリア、ブラジル、イタリアでは3位と、各国の市場で存在感を年々増している。
注目モデル① オフロード欲をかき立てる新型スクランブラー「BEAR 650」
648cc空冷並列2気筒エンジンを搭載した60年代の精神を継承する新型スクランブラー。特長は、なんといってもオフロード走行を想定した倒立フォークとブロックタイヤだろう。フレームも補強され、ダート走行を意識した設計だというから、オフ好きは要チェックの1台だ。エンジンはINT650やコンチネンタルGT650と同じだが、2-1集合マフラーにより中速トルクが強化されている。
注目モデル② 空冷・ツインショックのカフェレーサ「コンチネンタル GT 650 Racer」
コンチネンタル GT 650をベースにカスタマイズされた競技車両。日本のレースイベント「鉄馬(Tetsuma)」のアイアンACT18クラスで2位を獲得するなどの実績を持つマシン両で、軽量化(約20〜25kg軽量化)や出力アップ(約10%向上)が施されているという。
BMW
多くのファンが詰めかけていたのはやはり1300ccのボクサーエンジンを搭載した新型アドベンチャーモデル「R 1300 GS」。他にもスーパースポーツ「S 1000 RR」や電動モデルの「CE 04」を展示し、BMWの多様な魅力を発信していた。
BMWモトラッドのプレスカンファレンスでは新製品について説明が行なわれた。
まず紹介されたのはF900R/900RSの性能向上についてだ。新型フロントフォークの採用やパフォーマンスも向上している。C400シリーズも改良され、タンク容量の増加やTFTモニターが大型化されている。
新型M1000RRはウイングレットが大型化。これによりダウンフォースが37%向上。最高速度は314km/hに達するという!! 価格は430万円から。
アンベールされた車両は、空油冷式ビッグボクサーの「R20コンセプト」。国内への導入・販売は未定だ。
注目モデル① クラッチレバーがなくても楽しさ健在「R 1300 GS ASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)」
ASAとは、BMW Motorradが2024年5月に発表した新技術で、従来のクラッチ操作を不要にするというモノ。
このシステムには2つのモードが用意されている。「Mシフトモード」ではライダーがシフトペダルで任意に変速でき、「Dシフトモード」ではエンジン回転数や走行状況に応じて自動で変速する。クラッチレバーを排することで長距離ツーリングやオフロード走行での操作負担を軽減し、快適性と利便性を向上させた新時代のGSだ。
注目モデル② クラシカルなスタイルに最新デバイス搭載「R 12 nine T」
BMW Motorradが「100周年記念」として2023年に公開したR 12 nineT。デザインはクラシックながら、109psを誇る1,169cc空冷ボクサーエンジンや、最新の電子装備を搭載している。走りとスタイルが幅広い層から高く評価されているモデルで、BMW Motorradの売れ筋の1つだ。