【Brand pickup】
バイクのライディングを楽しむ際に選ぶボトムスの筆頭といえばやっぱりデニムジーンズですよね。ジーンズはそもそも鉱山労働者のために生み出されたワークアイテムとあって、何と言ってもそのタフな耐久性が魅力です。
バイク用のアパレルとしては戦前からミリタリーアイテムやワークウエアが重宝されてきましたが、そうしたアイテムが選ばれてきたのは高い機能性と耐久性が大きな理由です。現在はバイクのライディングに特化したファブリックも数多く開発されていますが、あくまでストリートファッションの延長線上でバイクアパレルを選ぶなら、気軽さとファッション性という点でジーンズはやっぱり外せないアイテムでしょう。ということでモトメガネ編集部がレコメンドするイチオシのジーンズをご紹介します。
今回フィーチャーするのは児島ジーンズの「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」です。国産デニム産地として世界的な知名度を誇る岡山県に本拠地を構えるデニムブランド「児島ジーンズ」は近年バイク乗りたちからも厚い支持を集めるブランドです。ビンテージデニムを丹念に解析して生み出されるマニア向けのジーンズをはじめ、ストレッチ素材を使用して抜群の運動性を誇るストレッチデニムなど数多くのジーンズをラインナップする児島ジーンズ。
「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」は伸縮性に富む「シャーリング」と呼ばれるパーツをジーンズに組み合わせた斬新なデニムパンツです。
膝上のシャーリングがアイキャッチ!
なんと言っても目を引くのは、膝上に設けられたシャーリング。シャーリングとは布に特殊な加工を施して布地をヒダ状にして伸縮性を持たせたパーツを意味します。レザーを使用するレーシングスーツではよく見られるディテールですよね。
「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」はその名の通り13ozのセルビッチ・デニム生地を使用していますが、実際バイクにまたがってみると膝上のシャーリングの効果もあって、デニム生地でありがちな膝回りの「突っ張り感」がかなり軽減されていることを実感。今回は新品のワンウォッシュデニムをお借りしましたが、一般的に新品のデニム地は生地の張り感が強く、馴染むまで時間がかかるのですが、シャーリングの恩恵もあって初めて足を通したその日から快適にライディングを楽しむことができます。
シャーリングのパーツを作る為だけに自社で開発した特別なミシンを使用して、シャーリングパネルとデニム生地を組み合わせることで柔軟性と弾力性を実現。ピッチの細かい独特のヒダを生み出すには高い技術力が必要なのです。
シャーリングはウエストにも配置!
「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」では膝上だけではなく、ウエストにもシャーリングを配置しています。このウエストへのシャーリングの採用によって、デニム生地の張りを抑えて伸縮性を確保しているので、腰回りの負担が軽減されています。
今回試乗テスト用にホンダGB350を用意しました。GB350はアップライトなポジションなので極端な前傾姿勢は強いられませんが、例えば高速道路などでは上体を伏せ気味にすることもあると思います。実際に「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」で前傾姿勢を取ってみても、生地がしっかり身体に追従するので腰回りに余計なストレスを感じることはありませんでした。
生地にひと工夫加えることでストレスを軽減できる—じつはこれって身体だけではなくデニム生地へのストレスも軽減しているんですよね。シャーリングパーツの追加によってヒップや腰回りのデニム生地の負担を減らしているので、長い目で見ればジーンズが長持ちする、そんな効果も期待できます。「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」はサステイナブルなジーンズとも言えるでしょう。
裏側にはシャーリングパネルが確認できます。このパネルを専用ミシンを使用してデニム生地と貼り合わせているのです。
独特の裁断パターンで運動性も高い
「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」は膝上とウエストへのシャーリングパーツの追加によって、ライディングにも使いやすい柔軟性を実現していますが、もうひとつの特徴があります。それが独特の裁断パターンです。下の写真をご覧ください。
どうでしょう?わかりましたか? デニムジーンズの生地は前身頃と後身頃の生地を両脚の外側と内側で縫い合わせるのが一般的ですよね。でも「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」では内股に生地の切り替えを追加しているのです。上の写真で見るとヒップの部分でアーチを描き、裾まで伸びているステッチが確認できますが、ここが通常のジーンズにはない第3のパーツなのです。
前身頃と後身頃に加え、ヒップと内股をカバーする生地の切り替え。立体的な裁断でフィット感を高めるだけでなく、後ろ姿でも個性を発揮できる1本です。
バイクにまたがるときも突っ張りづらい
ヒップから裾にかけて生地を追加していることで、バイクをまたぐ時にも突っ張り感が少なく、独特のフィット感も実現しています。この感覚はライディングの時だけではなく、座ったりしゃがんだりするときにも体感できました。
ヒップポケットにも遊び心をプラス
シャーリングパーツや独特の裁断で機能性を高めている「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」ですが、ヒップポケットもオリジナリティあふれるデザインです。通常のデニムジーンズのヒップポケットはポケット周囲をステッチで縫い付けていますが、「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」ではポケットの外側を前身頃と後身頃の縫い目に合わせて縫い付けています。
この仕様と前述の裁断パターンとの組み合わせで他のデニムジーンズでは見られない特徴的なリアシルエットを生み出しています。普通のジーンズとは違う個性を求めるライダーにとっては魅力的なディテールではないでしょうか?
リベットや縫製にみるクラフツマンシップ
国内でも指折りのデニム加工技術を持つ児島ジーンズ。「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」でも細部に至るまでデニムブランドとしてのこだわりを表現しています。
ポケットに使用されるリベットは通常のリベットとは違って、リベット先端をフラットにした特殊なもの。「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」はバイク専用のデニムではありませんが、頭部がフラットなリベットは、燃料タンクなどに触れても傷になりづらいという利点を持ちつつ、デザイン的にも面白いディテールです。
また、フロントはデニム好きには知られたUNIVERSAL製のジッパーを採用。トップボタンは児島ジーンズオリジナルの刻印があしらわれています。さらに裾はチェーンステッチで仕上げられており、ビンテージデニム好きにもグッとくるディテールが盛り込まれています。
まとめ
今回は児島ジーンズの「13oz ストレッチ・シャーリングデニム」をご紹介しました。シャーリングパーツの追加と独自の裁断パターンによって軽やかな履き心地を実現したジーンズは、個性的なデニムジーンズを求めるライダーにはおすすめの1本です。
デニムマニアたちからも絶賛される深いインディゴの色合いは、履きこむほどに魅力的な風合いに変化していくでしょう。機能性とデニム本来の魅力、その両方を併せ持つ稀有なジーンズで、バイクシーズンを楽しんでみませんか?