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こんにちは! ライターのサブローです。
今回はキャブレターのセッティングに挑戦します!
使用するバイクは、愛車の06年式ホンダ・XR250(MD30)。
そして用意したパーツは、岸田精密工業がリリースしている「キースター燃調キット」です。
キースター燃調キットは長い歴史を持つ製品ですが、なんとこのXR250用は2023年から新しくラインナップに加わった新製品なんです!
インジェクション車が主流となっている令和の時代に、まさかキャブレターパーツの新製品を販売してくれるメーカーがあるとは!
…などと語ったところで、キャブレターに馴染みがない人にはピンとこないかもしれません。
まずはキースター燃調キットについて解説しますね。
キースター燃調キットって何?
キースター燃調キットとは、キャブレターのインナーパーツが全部そろったパッケージ製品です。
キットには純正と同じジェットやニードル、ガスケットなどが含まれていて、これらを交換することで新品キャブレター並みの性能を取り戻せるというモノ。
いわゆるオーバーホールキットです。
さらに混合気の濃さを自由にセッティングできるように、ジェットやニードルは複数の番手が用意されています。
プロも絶賛する旧車の必需品
同梱されるパーツ類は、純正品と遜色ない作りになっていて、とくに「純正品をはるかに凌ぐ性能」とメーカーが謳っているパーツがニードルバルブ。
ニードルバルブって、先端のゴム部分が劣化すると、すぐガソリン漏れ(オーバーフロー)を起こすので地味にトラブルの原因になりやすいパーツなんですよね…。
キースター燃調キットは、この劣化しやすいゴム部分を強化。
ガソリンはもちろんアルコールにも強い「アンチアルコールニードル」を採用しています。
ほかにもジェットやニードルなど、純正がもし廃盤になっていても、いつでも新品を手に入れられるのがうれしいポイント。
プロのメカニックからも絶賛されていて、旧車のレストアやオーバーホールの必需品になっているそうです。
500車種以上のバイクに対応。今もラインナップは増加中
もうひとつ、キースター燃調キットのすごいところは「豊富なラインナップ」です。
対応車種は500を超え、2023年現在もその数を増やしています。
ちなみに非対応の車種でも、ユーザーからの問い合わせが多いと開発に踏み切ることがあるそうです。
気になる人は岸田精密工業までぜひ問い合わせてみてください。
なんでキャブレターのセッティングが必要なの?
新車状態のノーマル車両ならセッティングは必要ありません。
でも長い距離を走ったバイクはジェットやニードルが摩耗してスキ間が広がって燃料の量が増え、混合気が「濃い」状態になっていきます。
もしくは抵抗の少ないエアクリーナーや抜けのいいスポーツマフラーに交換したバイクは燃料が追い付かず「薄い」状態になります。
さらに付け加えると、シビアなカスタムをほどこしたバイクは、気温や気圧によってベストセッティングが変わってしまいます。
テスト車両の仕様は?
ここからは、今回使用したテスト車両について解説します。
まずはキースター燃調キットを使う前の仕様から。
テスト車両のXR250は、ハイカム、ハイコンプピストンを組んで、エアクリーナーのダクトをレーサーXR250Rのものに変更しています。
当然このままだと全開域で薄すぎるのでメインジェットを濃い番手に変更しています。
純正のメインジェットが入手できたのでここまではOK。
問題はジェットニードル(針)とニードルジェット(筒)です。
まずジェットニードルですが、セッティングを変えようにも、XR250はこんな形状(写真右上)のため調整不可。
しかもニードルジェットは廃盤というお手上げ状態。
ならせめてジェットニードルだけでもと、町の鉄工所に駆け込んでニードルを加工してもらいました(写真右下)。
しかし今度は薄くなりすぎてしまい、0.5mmのシムをかませることでなんとか調整。
ベスト(?)なセッティングは出ましたが、お金も手間もかかってしまいました。
ちなみに加工にかかった費用は5,000円。
キースター燃調キット(4,400円)を買った方が安上がりでした…。
キースター燃調キットを使ってセッティングしてみた
苦労に苦労を重ねて妥協のセッティングは出したものの、ボクの力じゃここまでが限界。
当時(2021年)はキースターのラインナップにXR250用はなかったんです。
それから2年後、「今さらこんな古いバイクのパーツなんて出るわけないよな…」。
そう思ってなんとなく岸田精密工業のHPを見ていたら、なんとXR250用の型番が追加されていました!
さっそく導入してセッティング開始です。
メインジェット&パイロットジェット
メインジェットは6種類入っていて、番手は薄い順に♯128、♯131、♯135、♯139、♯144、♯149。
ノーマルは♯135です。
パイロットジェットは3種類。
番手は♯44、♯45、♯48でノーマルは♯45です。
ジェットニードル&ニードルジェット
テスト車両の症状は「アクセル中開度で加速がモタつく」というもの。
同梱されていたセッティングチャートに、その症状と対策がバッチリ記されていました。
そして何年も手に入らず泣き寝入りしていた新品のニードルジェット! 本当に夢に出てくるくらい欲しかった製品です。
さっそく古い純正品の内径を測ってみると、やっぱり新品よりも穴が広がっていました。
その他のパーツ
ニードルホルダーやパイロットスクリュー、ニードルバルブ、スタータープランジャーなどもすべて新品に交換。
ちなみにニードルホルダーも内径が広がっていました。
濃い症状はこれが原因だったのかも?
ちなみにパイロットスクリューは、純正だとアタマがD型になっていて専用ドライバーじゃないと調整できないのですが、キースターはマイナス溝なのでマイナスドライバーでOKです。
走ってみた結果
今回の作業は主に2つ。
インナーパーツのオーバーホールとジェットニードルの変更(ノーマル番手に戻す)です。
ニードルをノーマルに戻した理由は、ニードルジェットとホルダーが明らかに摩耗していたから。
こんな状態でヘタに番手を変えると原因がますます分からなくなってしまいます。
結果は大成功!
アクセル中開度域での加速のモタつきが改善されました。
つまり、ニードルをわざわざ削って加工する必要はなかった…?
まとめ
今回の結果は摩耗したインナーパーツを新しくした効果が大きかったと思います。
そもそも、今までのボクは摩耗したキャブレターのままセッティングを出そうとしてたのですが、これが間違いだったと気づきました。
すべてのパーツを新品にしてオーバーホールしたキャブレターなら、不具合が出ても原因がすぐにわかります。
キャブレターでも何でもそうですが、セッティングで大切なことは「まず正常な状態にすること」。
そこがセッティングのスタートラインです。
今回は身をもって知りました。
キースター燃調キットなら、オーバーホールとセッティングが同時にできるので、キャブレターの不調で悩んでいるライダーの心強い味方になってくれるはず。
あなたの愛車本来のパワーを引き出せますよ。
※記事内容は全て執筆時点のものです。最新の情報をお確かめください。