今、キャンプでブラックスタイルが流行中!!
ここ数年のキャンプブームで、バイクや車でキャンプを楽しむ人が非常に多くなった。そのスタイルは実に多様化しており、テント一つとってもドーム型、モノポール、パップテント、カマボコ型とあらゆる形が存在する。そんな中でここ最近、世の男性のハートを鷲掴みにしているのが、すべてのギアを「黒」で統一するブラックスタイルだ。テントはもちろんタープ、チェア、テーブル、コット、クーラーボックスなど、あらゆる道具を黒で統一し、しかもそこにミリタリーやタクティカルの要素を入れることで、ぐっと無骨な雰囲気を上げる。するとアメリカの特殊警察である「SWAT」の基地のような雰囲気が、演出できるのである。これが実にかっこよく、そういったギアに囲まれているのもまた楽しい時間だ。
普通のキャンプ好き、ツーリング好きにはもちろん、黒ギア好きな方には、ぜひその装備の一つとして加えてもらいたいのが、このアスティーの 「JAGUY(ヤガイ)」シリーズにラインナップする「ブラックライン・スタックギアコンテナ」だ。
見た目だけでなく、多機能さも魅力
今回は一番人気で使いやすいMサイズと、コンパクトで気軽に使えるSサイズを実際にテストしてみた。本体のサイズはMが約50×30×32cm(48L)、Sが約50×30×15cm(22L)。おもしろいのは、SとMで、高さが違うだけで左右と奥行きは同じであること。だから、Mの上にSを載せた時の「座り」がジャストフィットなのだ。
素材はターポリン/PVCコーティングで、一見つるつるしているように見えるが、よく見ると少しマットで素材も分厚く耐久性の高さが垣間見える。本体のすべての面にパッドが入っているので、中身がなくても自立し、クタっとしない上に、ランタンや瓶の調味料などの保護にも効果的だ。
上蓋はダブルファスナーによって大きく開閉。このファスナーは止水仕様なのだが、滑りが良くまたタブも指が掛けやすいデザインだ。ファスナーのすぐ下には帯状のデイジーチェーンがぐるりと1周縫いつけられている。これがタクティカル的な要素を演出しているばかりか、ここに物を掛けたり、バイクに積載する際のずれ防止ガイドになったりと多機能だ。
中を見てみると、2枚の仕切り板があり、荷物を小分けできるようになっている。この仕切りはマジックテープにより位置を変えたり着脱可能なので便利だ、また蓋の裏側にはメッシュポケットも装備。ここに保冷剤を入れておけば簡易的なクーラー(もちろん一時的な)としても使えそうだ。
ハンドルはメインと両サイドに装備。いずれも持ちやすく、蓋を明けた状態での移動も可能。本体前面には3つのポケットを持ち、キャンプ地では、ナイフやグローブなど、よく使うものを入れておけばすぐに取り出せるだろう。上蓋の上面にはエラスティックコード(ゴムの紐)を装備しているので、マットやブランケットなど軽い物の保持に便利だ。この前面のポケット以外は、SもMもほぼ同じ装備を有している点も優秀だ。
実際にソロキャンプの道具を収納してみる
今回は筆者が普段使っているバイク用のソロキャンプグッズを用意して、Mサイズに入れてみた。テント、マット、椅子、ローテーブル2つ、寝袋、クッカー、カトラリー、焚き火台、LEDランタン、グローブ、ハンマー、ガスバーナー、調味料といった内容だ。Mサイズは容量48Lなので厳しいかと思ったが、これがすっぽり。どころか、まだ少し余裕がある状態だった。
CT125へ積載してみると、相性抜群だった
キャンプ道具を入れたままCT125ハンターカブのキャリアに積んでみると、これがほぼピッタリ。左右が3㎝ずつはみ出し、キャリアの後端は12㎝も余っているので、まだここに何か積める状態だ。そして固定も楽々。前述のデイジーチェーンに固定用のストラップを通すことで、ストラップの位置がズレず、荷物がしっかり安定する。一度ストラップを外し、Mの上にSを載せて、再び固定すると、これもばっちり固定できた。Mサイズ48L+Sサイズ22Lだから合計で70Lもの容量なのだが、非常にスマートでがっちり固定できたことには驚いた。
SとMを重ねて、ストラップを通してみたところ、これもがっちり固定できた。これだけで容量70Lの荷物が固定できるのだから、パッキングの時間が大幅に短縮される。筆者なら、上のSには、レインウエア、着替え、洗面具、スマホのバッテリーなど身の回りの物を入れ、Mにキャンプ道具を入れる。例えば、長旅でフェリーに乗船するような場合は、上のSだけを船内に持って入るような使い方が便利だと思った。
もちろん、これは車に積載する場合にも同じことが言え、左右と奥行きが同じなので、非常にスタッキングしやすいのだ。ちなみにシリーズにはもう一つ上のMH(ハイラージ)サイズがあり、これは高さが46cmで容量69Lあるので、これも車ならスタッキングがばっちり決まる。
またメーカーによると本体の素材とファスナーは防水仕様だが、縫い目は防水ではないので、完全防水ではない、とのこと。今回実は雨の中も走行したのだが、中身が濡れることはなかった。つまり相当な長時間(丸一日とか)の雨天走行などをしなければ、ほぼ防水できると考えていいだろう。
キャンプ地でとにかく映える、使える「ロマン枠」
今度は車にギアコンテナを積みこんで、実際にキャンプ地へ赴いた。テントを立て、筆者が普段セッティングするように椅子とテーブルを配置。SとMのギアコンテナは右側に置いてみた。この状態で、コンテナの中からクッカーやカトラリー、食材などを出すと非常に使いやすい。右から物を取り、左のテーブルで下ごしらえ、正面の焚き火台で調理、という具合だ。やはりこれだけ大きな黒い物体が並んでいると、それだけで存在感があり、使って、眺めることが喜びにつながる。筆者の装備は黒ではないが、これに揃えて全体を黒くしたくなる気分だ。
キャンプギアには「ロマン枠」という言葉があり、これはたいして明るくないが、カッコいいから持って行くオイルランタンのような道具のことを指す。役にたたなくても眺めているだけで幸せにしてくれるギアのことだ。その点、このギアコンテナは眺めて良し、使って良し。バイクでも車でも機能性を発揮し、その上でキャンプ地で「映え」も担ってくれる一石何鳥?というアイテムと感じた。
このギアコンテナのブランド名であるJAGUY(ヤガイ)の語源はそのまま=野外なのだろうと推測していたが、JA=JAPAN発信のアウトドアブランド/JA=ドイツ語で「はい」/GUY=「ガイ」男性が持ってカッコいいギア、という深い意味が込められていたのだ。そう思うと、まさにこのギアコンテナは無骨な男が野外で楽しむためのかっこいいギアなのだと腑に落ちたのである。
基本スペック
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