静粛性・被り心地・ベンチレーション三位一体の効果は抜群!フルフェイスとは思えない快適性を実現!
もう30年近くバイクに乗っていて、無駄に歳を重ねていると新しいバイクギアを導入するにも腰が重くなってくる。
ヘルメットに関してもそうだ。
ロングツーリングでの疲れにくさや万が一の時の安全性を考慮して、フルフェイスをひとつ持ってはいるものの、私はもう20年近くジェット型のオープンフェイスばかり使い続けている。
眼鏡をかけていることもあるし、かぶったまま飲食できたりするし、視界が広いのに慣れてしまっているし、まあ、いろいろ理由を挙げてみたけれど、特に深い考えも無く思考停止状態だ。今ジェットを使っているから次もジェットと前例踏襲事なかれ主義である。
個性際立つフルフェイスヘルメットが続々登場!
ところが最近、なにやら国産メーカーのフルフェイスヘルメットのデザインが妙に気になってきた。
SHOEIで言えばグラムスターなんか、70年代旧車にも似合うスタイリングとカラーがグッとくる。
アライならラパイド·ネオだ。高校生の時にあこがれた90年代カスタムバイクに合わせたらカッコ良いだろうなあ~。
と、錆にまみれて折れかかったオジサン物欲アンテナがフルフェイスの最新情報をキャッチしはじめたところ、また新しく気になるフルフェイスが新登場したのだ。
それがArai(アライ)アストロGXだ
アライのフルフェイスらしくオーセンティックなフォルムの中に、後頭部に配されたGTスポイラーが高速性能を主張する。
これが、個性が強すぎるのは嫌だけど普通はもっと嫌だという複雑なオジサン心をがっちり掴んでしまったのだ。
写真はつや消しのプラチナグレーFとなる。
アストロGXのスタイリング
彩度を抑えた色味なのでクラシックバイクとかハーレーなんかとも相性が良さそうである。
その他ソリッド5色とグラフィックモデルは8色もラインナップされている。
被ってすぐわかる頭を包み込むフィット感
アストロGXはプロモーションのコピーとして「アストロ史上最高の被り心地」と謳われているが、これは実際に被ってすぐに体感することができた。
正確にいうと、全ての歴代アライ、アストロを被ってみたことは無いのだが、頬もこめかみも頭頂部も後頭部もおでこも、全部均一にテンションがかかって頭部全体が包まれた感触がある。少し驚くくらいのフィット感だ。それゆえに頭部を動かした時の安定感が高い。
さらに重量バランスが良いので、どこかの方向に自然に首が傾く感覚も無いため、フルフェイスヘルメットなのに気になる重さを感じることが無いのだ。
ヘルメット装着時の画像
メガネもスムーズに脱着できるし、ツルの部分に圧迫感も無い。メガネも自然な位置を維持してくれるので、視界に違和感が出なかった。
間口を拡大し、着脱しやすさを向上
また、被り間口が前方に5ミリ、左右に10ミリ拡大されていることもあり、着脱時のスムーズさにも配慮されている。
Araiロゴがベンチレーションに!新採用された「フロントロゴダクト」
もうひとつの特徴は、新たなベンチレーションの採用である。
これからの季節、ヘルメット内に走行風を通して蒸れを抑制するベンチレーションは必須の装備である。
アストロGXでは、アライヘルメットのアイコンとなっている前頭部のメーカーロゴがベンチレーションになっているのである。
この「フロントロゴダクト」は厚みもそれほど無いので、ヘルメットのフォルムを壊すことなく、より積極的な走行風の導入に成功している。
走行時も保たれるヘルメット内の快適環境
実際にアストロGXを被って走行してみることにする。
予想はしていたのだが、やはり静粛性は素晴らしい。純正マフラーながら、ガラガラゴロゴロ賑やかなVMAX1200の排気音、エンジン音、そして風切り音がしっかり遮音されており、ヘルメット内は快適そのもの。
新品ヘルメットの香りも新車の車内のようで、まるでVMAXが高級セダンのように感じると言ったら言い過ぎか。
高速道路へと場所を移しても、その快適性は続く。長距離を走る際に遮音性というのは非常に重要で、音で疲れ方はかなり違ってくるものだ。
ヘルメットを被った頭部の安定性は高速道路でも失われることも無かった。速度が3桁に入ってもヘルメットが振られるような不安定な挙動が出ることも無い。
これも、ライダーの疲労軽減に寄与することは間違いない。
低速から効いてくる2つのダクト
ベンチレーションに関して言えば、走り出してすぐ、時速20km/h程度で前頭部のフロントロゴダクトと、口元のマウスシャッターから風が入ってくるのが分かった。
さらに速度が60km/hを超えて来ると、風が頭部を通り抜けていく。
ここからGフローダクトとエアーアウトベンチレーションの効果が現れてきているようだ。
当たり前だが、停車してしまうとまったく風が入ってこないので、他のヘルメットと同じだが、走り続けてさえいればベンチレーションの恩恵を常に感じることができるだろう。
フルフェイスながら良好な視界を確保
私がなんとなくジェットヘルメットを使い続けている理由のひとつに視界の広さがあったのだが、アストロGXでは確かに視界の下の方に少しばかりヘルメットの顎の部分が入ってくるものの、それ以外の左右、上部に余計なものは見えてこない。
それゆえに窮屈感じは無いし、こうなってくるとジェットヘルメットの優位性は着脱のしやすさくらいになってくる。
逆に安全性はもちろん、快適性の面でも大きなアドバンテージを持っているのはアストロGXだ。
最新ヘルメットに疎い私からすると、隔世の感を抱く完成度の高さを身をもって思い知った次第である。
Arai ASTRO-GX(アストロGX)
価格 | ソリッドモデル57,200円(税込)・グラフィックモデル66,000円(税込) |
規格 | スネル・JIS |
シールドシステム | シールドシステム |
内装 | ハイフィッティング・アジャスタブル・FCS内装(抗菌・消臭・防汚内装) |
サイズ | (54)・(55-56)・(57-58)・(59-60)・(61-62) |