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フラットソールとブロックソール、あなたはどっち派? 用途や好みに合わせて使い分けたいDFG フレックスブーツ

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

オフロードブーツにおけるソールに対する考え方を再分析。ガミータイヤの流行りや登山靴、自転車用シューズなど、様々な考え方を取り入れて、フラットソールとブロックソールを考察してみました

オフロードブーツのソールには様々な形状のものがあります。凸凹の少ないフラットソールから、オフロードタイヤのように大小のブロックで構成されているブロックソール、フラットとブロックが半々のもの……。これらのブーツはどのように選び、使い分ければ良いのでしょうか?

一般的にはフラットソールはモトクロス用途がメインの人に、ブロックソールはエンデューロや林道ツーリングメインの人にオススメと言われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか? 実際には路面のコンディションに応じてレースに適したソールというのは変わってきますし、ライダーの好みによっても変わってくるでしょう。

ブーツのソールは、同じ地面にグリップするためのものという共通点を持っていることもあり、考え方や使い分けがタイヤによく似ています。例えばモトクロスのサンドコース用に開発されたタイヤがハードエンデューロに適正が高かったりすることがあるように、ソールも実践的に考えてみると、とても奥が深いのです。

今回はフラットソールとブロックソール、2種類のブーツを同時発売したDFGのフレックスブーツを題材にして、ソールの適性について考えてみましょう。

DFG
フレックスブーツ オフロード
¥27,500(税込)
カラー:ブラック、ブラック/ホワイト
サイズ:24.5、25.0、26.0、27.0、28.0、28.5、29.0、30.0、30.5cm

DFG
フレックスブーツ
¥27,500(税込)
カラー:ブラック、ブラック/ホワイト
サイズ:24.5、25.0、26.0、27.0、28.0、28.5、29.0、30.0、30.5cm

目次

ステップに吸い付くメリット
滑らせられるメリット

まず一番大きいのはそのソール形状による操作感の違いです。

フレックスブーツのソールは写真のようにフラットな形状になっており、ステップのギザギザに引っかかりにくいため、ペダル操作がやりやすくなっています。

モトクロスは林道ツーリングやエンデューロに比べて速度域が速く、より素早い足の踏み替えが求められます。ステップの上で足を浮かせずにスライドさせて踏み替え、ブレーキペダルやシフトペダルを素早く、そして精密に操作する必要があります。その時、ブロックソールだとブロックがステップに引っ掛かってしまい、動きを阻害する可能性があるのです。

コンマ一秒を争うモトクロスではほんのわずかなロスが勝敗を分けることになります。ブレーキにしてもシフトチェンジにしても、少しでも操作を妨げるような可能性は無くしておくことが大切なのです。

逆にブロックソールは意図的にブロックをステップに引っ掛けることでニーグリップを助けてくれるため、レースが長時間に及ぶことが多いエンデューロに適しています。特にヒルクライムやダウンヒルでは土踏まずに設けられているブロックの段差をステップに載せることで足がステップに固定されるような感覚があり、足を休ませることができます。このようにブロックソールは、まるで自転車のロードバイクで用いられるビンディングのような効果を得ることができるのです。

グリップの基本は接地面積
ブロックで排泥性をプラス

オフロードブーツは必ずしもバイクに乗っている時だけ使いやすければ良い、というものではありません。ツーリングではバイクを降りて散策することもありますし、エンデューロレースでもバイクを降りてセクションの下見を行ったり、転倒してバイクを起こしたりする時などはブーツのソールが地面にしっかりグリップすることがとても重要になってきます。モトクロスでもマディコンディションの時などは同様ですね。

原則として、普通のアスファルトや岩盤なら、ブーツはソールの接地面積が大きいほどグリップします。例えば登山靴では、ブロックソールの靴のつま先にフラットな「クライミングエリア」が設けられていて、そこを岩場へのアプローチに使うように設計されていたりします。つまり路面さえ良ければフラットソールの方がグリップする、ということです。オンロードバイクで溝のないスリックタイヤが一番グリップするのと同じ理屈ですね。

しかし、柔らかい土路面やサンド、濡れた岩などでは泥や砂、水を排出できるブロックソールの方が滑りにくい傾向にあります。さらにこのフレックスブーツ オフロードではソールの中心部に柔らかくて粘るように変形する小さいブロックを集約させることで岩へのグリップ力を向上させているように感じました。それでいて外側のブロックは硬く大きめのものを配置しており、キャンバーでの滑りにくさや柔らかい土への刺さりやすさも両立しています。

例えばトレイルランニングシューズにもロードとトレイルどちらも走れるハイブリッドタイプと、様々なトレイルに対応するオールラウンドタイプ、そしてぬかるんだ滑りやすい路面にも強いはいグリップタイプがありますが、このフレックスブーツ オフロードはオールラウンドとハイグリップの中間くらいのイメージが近いと思います。

また、一般的にオフロードブーツは足首を守るために可動域が制限されているものが多いのですが、このフレックスブーツは初心者〜中級者向けということもあって足首の可動域が大きいのです。さすがにトレランシューズと比べてしまうと劣りますが、普通の靴にかなり近い感覚で歩くことができます。そのため岩場や斜面などでも足首が十分に曲がることで地面に対してしっかり体重を載せることができ、グリップを発揮するのです。これはフラットソールでもブロックソールでもどちらにも言える特性です。

上級者にも好まれるフレックスブーツ

フレックスブーツは初心者〜中級者向けとして販売されています。FOXで例えるならコンプブーツであり、ALPINESTARSで例えるならTECH3やTECH5くらいの立ち位置でしょう。オフロードブーツにおいて、一般的にプロテクションの高さと動きやすさは反比例しますが、一概にプロテクションが高いことが、上級者向けの条件とは限らないのです。

上級者になればなるほど、シフトチェンジやブレーキ操作は精密になってきます。例えばいくらプロテクションが高くても、足首が硬すぎて精密なブレーキ操作が不可能になってしまったら、それは上級者向けと言えるでしょうか?

例えばJNCC、JECで何度もチャンピオンを獲得している鈴木健二選手は、以前から柔らかいブーツを好んで使用しています。このフレックスブーツに関しても実際にレースで使用しており、インプレッションを聞かせてくれました。

鈴木健二

「まずバックルが全然外れなかったのが良かったです。エンデューロはセクションが難しいため足を動かす範囲が大きく、障害物も当たりやすいため、バックルが外れやすいんです。このフレックスブーツはバックルの構造が少し特殊で引っ掛かりが少ないので、レース中にバックルが外れる心配がまったくありませんでした。

他メーカーで例えてしまうとFOXのコンプブーツくらいの動きやすさで、実にちょうど良い感じでした。また、今回はブロックソールのフレックスブーツ オフロードを使ったのですが、ソール自体がすごく好みの柔らかさでした。僕はステップからソールをずらしたくないので、ガレ場とかでもずっとソールがステップに貼り付いてホールドできる感じが良かったです」

このように「転倒した時のダメージ」を考えてプロテクションの高い硬いブーツを履くよりも、「転倒しないための操作性」を考えて柔らかいブーツを履くという考え方もあるのです。鈴木健二選手の他にも全日本ハードエンデューロ選手権G-NETでは柔らかくて軽いトライアルブーツを好んで使用するライダーも多くいるのです。

操作性とコストパフォーマンスに優れた
フレックスブーツは万人にオススメ!

実際にフレックスブーツ オフロードを使ってみると、軽さ、柔らかさ、プロテクションが程よくバランスされていることがわかります。

まず軽さ。フラットソールのフレックスブーツは実測1,408g(左足)、ブロックソールのフレックスブーツ オフロードは実測1,459gで、かなり軽量でした。例えばハードエンデューロをやっていると、何度も転ぶし、何度も押します。その度にバイクに跨るために足を高く上げるのですが、何度もやっているうちにブーツの重さがジワジワと効いてきて足の疲労が蓄積していくんです。そのため、ドライの日や岩盤の多いコースなどでは約50g軽量なフラットソールの方が適していると言えるかも知れません。

次に柔らかさ。普通、新品のオフロードブーツは足首の動きが硬くてなかなかシフトチェンジができなかったりするのですが、このフレックスブーツは新品状態からとてもよく動きます。購入してすぐにレースで使うこともできるくらい、柔らかさは一級品。足首付近にはシャーリングが取り入れられていて動かしやすく、繊細なブレーキ操作も可能ですよ。

最後にプロテクション。ミドルクラス以上のブーツには足首にヒンジがついていて、ある程度以上は足首が曲がらないように保護されているのですが、フレックスブーツにはその装備はありません。ですが、要所要所はしっかり守られています。また、足首周りはクッション材が内蔵されているため、衝撃を吸収してくれます。

それでいて価格が¥27,500(税込)と、昨今、価格が高騰しがちなオフロードブーツの中で破格とも言える設定になっています。初心者〜中級者まで、もしくは速度域が低く、軽くて柔らかいブーツを好むハードエンデューロの上級ライダーまでオススメできるアイテムです。

バックル形状には障害物や飛び石に当たって破損するのを防ぐバックルガードが装着されています。確実に固定できて外れにくく、締め付けの調整もしやすかったです。

フレックスブーツ オフロードは石などにヒットしてバックルを破損しないように、トゥーキャップが装備されています。

フレックスブーツはソール一体型で、引っ掛かりが少なく繊細な操作がしやすい構造になっています。

インナーは通気性と吸汗性に優れる3Dメッシュ構造になっており、快適性は抜群。

ニーブレースやニーシンガードと併用できるように開口部が大きく作られています。それでいて少し内側にロールしており、隙間からの泥や雨水の侵入を防ぎます。

ブーツ内側のマシンやフレームに触れる部分には耐熱性・耐久性に優れていて滑りにくい素材を採用。突起物がなくフラットな形状なのでブレーキ操作などもしやすくなっています。

text&photo RIDE-HUCK

RIDE-HUCK掲載日:2023年11月22日

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