BMW MOTORRAD PRESENTS R12 CUSTOM PROJECT
BMW Motorrad Japanとカスタムバイク雑誌RISER Magazineがコラボして、日本の著名カスタムビルダー&コミュニティによる4台のカスタムバイク制作プロジェクトが、今年3月にスタートした。
カスタムを手がけるのはHAMANS CUSTOM、MOONEYES、TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES、Chirihama Sand Flats。いずれもカスタム業界において名の知られた存在だ。
ベースとなるバイクが、今年発売されたばかりの新型クルーザーモデル「R 12」であることも併せて公表された。世界のカスタムフリークが注目するなか、プロジェクト始動から約5か月を経た2024年8月23日、完成したカスタムマシンを一堂に集め、都内の会場で完成車のお披露目が行われた。ついにベールを脱いだ、個性豊かな 4 台のカスタムマシンの速報をお届けしよう。
カスタムベースとなったR12ってどんなバイク?
R 12は、ボクサーエンジンとシャフトドライブというBMW Motorradの歴史と伝統を全身で表現しながらも、自由なカスタマイズを前提とした車体デザインを採用した新感覚クルーザーモデル。
カテゴリーは、先進の車体にクラシックな外観を組み合わせたヘリテイジシリーズで、BMW Motorradでは 2013年に発表したR nineTがその先駆けとなる。R nineTは、多くのカスタムビルダーやオーナーたちに歓迎され、現在でも数多くのカスタムバイクが制作され、そのR nineTの登場から約10年を経た今年、新型空油冷ボクサーエンジンを搭載したR 12が発表された。
フロントに19インチホイール、リアに16インチホイールを履かせるクルーザースタイルで誕生したR 12は、BMW Motorradが誇る最新の電子制御技術はふんだんに盛り込まれており、2種類のライディングモードや最新のABS、クラッチ操作なしでの変速が可能なシフトアシスタントProも装備している。
R 12が採用する新設計のチューブラーフレームは、従来のR nineTが採用していた分割式2ピースから1ピース式のフレームへと進化。リアサスペンションは大きくレイダウンして路面追従性を高めつつ、乗り心地も大幅に向上。さらにエアクリーナーボックスのレイアウトを大きく変更することで、車体はよりシンプルな構造へと変貌を遂げた。
これまでのR nineTと同様に、自由なカスタマイズを前提とした分割式シートフレームをはじめ、シンプルなシート&タンクマウント構造や豊富な純正アクセサリーなどは引き継がれている。クルーザーやボバーなどあらゆるスタイルを許容するR 12は、カスタムビルドに最適な1台と言える。
4台を手掛けたカスタムビルダーとは?
HAMANS CUSTOM
アメリカンカルチャーをさまざまな手法で体現
カスタムショーに出展すればアワード常勝のHAMANS CUSTOM。古き良きモーターカルチャーの黄金期たる1960年代のチョッパーからハイテックなカスタムバイクまでアメリカンカスタムカルチャーの息吹を、卓越したクラフツマンシップで表現してきたプレミアムショップだ。
MOONEYES
世界的に注目されているイベントを主催しカスタムカルチャーを牽引
国内最大にして世界屈指の規模を誇るカスタムの大祭典“YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW”の主催としてその名を轟かせるMOONEYES。二輪から四輪まで多種多様なカスタムショーを開催するなど、日本のカスタムカルチャーを牽引している。
TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES
制作するカスタムマシンはどれもスタイリッシュでエレガント!
BMWオーナーにも馴染み深いJEKILL & HYDEマフラーの日本総代理店を務めることでも知られる。同社は金属加工を含むカスタムからエンジンワーク、シート製作、CADを用いたパーツ開発に至るまで、多岐に渡る専門職が一堂に会した技能集団で、アメリカンクルーザー向けのオリジナルパーツ開発のほか、エキゾーストシステムのトップブランドJEKILL & HYDEの日本代理店として日本国内の法規に照らし合わせたカスタムを得意としている。
Chirihama Sandflats
ミニマリズムと機能性を両立したヴィンテージスタイル
ビーチドラッグレーサーを念頭にカスタムビルドを続ける千里浜サンドフラッツ。石川県の千里浜で1969年以前に製造されたヴィンテージバイクのみに出走を制限している、世界的に注目を集めている一大イベントだ。バイカーアパレルやパーツなどを手がけるHWZN.MFG.Co.、金沢の地元バイカーたちから絶大な支持を集めるショップWheelies、そして国内外のバイカーアパレルを幅広く取り揃えるCanvas Clothing Store、そしてモーターカルチャーの文脈に沿ったセレクトショップCANVASの4社による共同プロジェクトチームだ。
4台のカスタムマシン紹介
「60年代コーチビルドの空気が漂う仕上がり」
HAMANS CUSTOM / マシン名・”EI Viento”
Caféレーサーというテーマを持ちながら、既存のカフェテイストマシンとは一線を画す、モダンかつ前衛的なスタイルを卓越したメタルワークで表現。デュアルヘッドライトとハンドメイドのライトカウルが印象的なフロントビューは、ハンドルバーを極限まで低くマウント。燃料タンクからシートカウルまではワンピース構造のような面曲線を構成。前後ホイールはノーマルながら、ペイントをはく離したのちにグレー色のセラコートを施工。エキゾーストやアースカラーのボディと相まって、落ち着いた大人のカスタムに仕上げている。
「エンジンの造形を活かしスピードの世界を表現」
MOONEYES / マシン名・”MOON Arrow”
MOONEYES伝統のレーシングマシンを彷彿させるスピード感あふれるカスタム。前後のホイールはBMW Kシリーズ用をコンバートし、MOONEYESのアイコンにもなっているムーンディスクを装着。リアのパラレバー式スイングアームに合わせて、フロントのブレーキシステムを右側のみとすることで足回りを印象的に演出している。前後サスペンションはランドスピードレーサーのように極限までローダウンし、燃料タンクやシートカウルもコンパクト化している。R 12のボクサーエンジンの造形とマッチするフェアリングは「MOON Arrow」という車名に相応しいスピード感を印象付ける。
「パーツ開発を念頭においた誰にでも手の届くカスタム」
TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES / マシン名・”Legal Weapon R 12″
制作にあたって車体を丹念に3Dスキャンしながら、将来的な市販化を見越してパーツを制作。燃料タンクはノーマルタンクをベースに両サイドを加工。オイルクーラー横にはカーボン製のウイングレットを装備。サイドカバーやシートカウルも洗練されたデザインで制作し、前後ホイールもワンオフ制作。マフラーは同社が日本総代理店を務めるJekill & Hyde製。さらにYSS製の特注リヤサスペンションやAELLA製のハンドルなど、国内トップコンストラクターともコラボ。特筆すべきはすべてのパーツをボルトオン制作していることで、将来的に同仕様のマシン制作を可能としている。
「砂上を疾走するドラッグレーサーをイメージ」
Chirihama Sand Flats / マシン名・”R 12 Sand Speeder Mark I.”
砂浜を疾走するビーチドラッグレースに求められる要素を取り入れたレーシングマシンがコンセプト。ボトムケースの長い特徴的なフロントフォークはノーマルより約2インチ(約5cm)長く、上下のステムはアルミ削り出しで制作。フロントブレーキを取り外し、ディッシュホイールを装着していることも注目だ。リヤもリジッド化することで極限まで車高を下げ、燃料ポンプやバッテリーの移設などで極限までミニマム化していることも特徴。ハンドルやシートは砂浜でアパレルマシンを抑え込めるポジションを設定し、見た目の威圧感だけでなくビーチドラッグレースで勝てるマシンに仕上げている。
会場となったのは麻布台ヒルズにオープンした「FREUDE by BMW」
2024年6月1日に麻布台ヒルズにオープンしたBMWブランド・ストア「FREUDE by BMW」。「人生に、駆けぬける歓びを。」というテーマのもと、BMWブランドの新たな情報発信拠点として、飲食店や物販、車両展示、試乗、イベント・キャンペーンなど様々な体験ができる空間だ。店内にはカフェ「CAFÉ & BAR B」も併設されている。
R12 CUSTOM PROJECTの詳細はR 12カスタムプロジェクト | BMW Motorrad (bmw-motorrad.jp)で確認できるので、興味のある方はウェブサイトをチェックしてほしい。