7月16日、17日に宮城県のスポーツランドSUGOで全日本モトクロス選手権シリーズ第3戦が開催された。
モトクロスとは、自然の地形を生かしつつ人工的セクションとしてジャンプなどが設けられたコースを一定の時間走行し順位を競うというもの。
選手が横一列に並び一斉にスタートする様は圧巻! スタートでライバルより前に出ることでその後のレース展開を有利に運ぶことができるから、選手たちは他の選手と肘が当たりそうなギリギリの間隔で1コーナーへ猛然と飛び込んでいく。
会場はどんなところ?
全日本モトクロス選手権はシリーズ戦で、今年は全7戦開催される。第1戦はHSR九州(熊本)、第2戦はオフロードヴィレッジ(埼玉)で行われた。
第3戦の会場となったスポーツランドSUGOは広大な敷地を有し、そこには全日本ロードレース選手権やスーパーGTなどが開催される『国際レーシングコース』、モトクロス世界選手権も以前開催されていた『国際オフロードコース』、カート専用の『西コース』、ミニバイクやモタード向けの『SUGOマルチショートコース』と4つのコースが設けられている。
全日本モトクロス選手権が行われたのはもちろん『国際オフロードコース』だ。
全長27mもの巨大なジャンプ、高さのある大きなコブが続く箇所、テクニカルな小さいターンを繰り返す箇所などさまざまなセクションが用意されている。中でも菅生名物の「大坂」はまさに壁そのもの! 傾斜角30°全長約70m 最大高低差約35mもあるのだ。
ドロドロだから面白い?!
モトクロスコースは土で作られていることもあり、レースが開催されるごとに改修される。そのため、以前はなかったターンができたりジャンプが追加されたりと、その都度コースの表情が変化するのが特徴だ。ロードコースのようにコースがずっと同じということがない。
だからコースレコードが存在しないうえに、最速タイムがでるラインも変わっていく。
さらにレースが進行していくほどに土でできたコースは荒れていき、ベストタイムを望める走行ラインも変化する。
このようなことから他のモータースポーツに比べ順位変動しやすく、一瞬たりとも目を離せないのだ!
ましてや、第3戦では雨に見舞われコースはドロドロ。滑りやすくハンドルも取られやすい。レースで走る選手にとっては過酷だが、観戦する側としたらいつも以上に大きな順位変動があるかもしれずスタートからゴールまで実にエキサイティングなレースとなった。
最高峰クラスのIA1の総合優勝は大城魁之輔選手!
450ccの4スト単気筒エンジンを搭載したモトクロッサーで競われるIA1。第3戦では当初、15分+1周を3レース行なう〝3ヒート制〟が予定されていた。しかし、前日からの雨の影響もあり、通常の30分+1周を2レース行なう〝2ヒート制〟へと変更された。
ヒート1を制したのはポイントリーダーの冨田俊樹選手。昨年はシリーズランキング2位に終わったこともあり、なんとしてもチャンピオンを獲得したいところ。そしてヒート2では今年から最高峰クラスのIA1に移った大城魁之輔選手が背後から迫る富田選手を引き離しトップでゴール! ヒート1とヒート2を総合した結果でも優勝を手にした。
なお、250cc4スト単気筒エンジンのモトクロッサーで行なわれるIA2では、ヒート1、ヒート2ともにオーストラリアのトップライダー、ジェイ•ウィルソン選手が1位を獲得。開幕戦から負けなしの圧倒的な強さ見せつけた。
フェス気分で楽しもう!
全日本モトクロスは、自分の好きな場所、好きなペースで楽しめる〝観戦の自由さ〟が魅力。フェスに行くような、天候の急変にも対応できる服装と、足元の悪い環境でも歩きやすいフットウェア、休むことができる折りたたみのチェアを用意すればOK!
どこのコースもぐるりと回れることがほとんどなので、歩いてお気に入りの観戦スポットを見つけたい。
今後のレースの予定
大会名 | 開催日 | 開催クラス | 開催場所 | |
Rd.4 | 近畿大会 | 2022/09/10-09/11 | 公認:IA1, IA2, IBOPEN, LMX承認:JX, CX, 2st125 | 名阪スポーツランド(奈良) |
Rd.5 | HSR九州大会 | 2022/10/08-10/09 | 公認:IA1, IA2, IBOPEN, LMX承認:JX, CX | HSR九州(熊本) |
Rd.6 | 関東大会 | 2022/10/29-10/30 | 公認:IA1, IA2, IBOPEN, LMX承認:JX, K65, CX | オフロードヴィレッジ(埼玉) |
Rd.7最終戦 | 第60回MFJ-GP モトクロス大会 | 2022/11/12-11/13 | 公認:IA1, IA2, IBOPEN, LMX承認:JX, CX | スポーツランドSUGO(宮城) |