筆者はアップルのアイフォンを使っているが、バイクの振動でカメラ機能に障害が発生すると発表されたので、振動対策済スマートフォンホルダーを愛用している。
2021年のアップルの発表以来、振動対策済スマートフォンホルダーは徐々に増えてきているが、大きく分けると二つのジャンルに分かれる。
- 専用ケースを使ったもの
- ケースに依存しないもの
この二つだ。
それぞれの特徴は以下の通り。
筆者の場合には仕事で色々なバイクに乗なるので、後者のスマートフォンホルダーを愛用している。
だがこれなら専用ケース付を使いたい!と思ってしまう魅力的な製品がピークデザインから発売されたので紹介したい。
ピークデザインって?
2010年にアメリカのクラウドファンディングサイト、キックスターターでキャプチャーカメラクリップという製品の支援募集を開始し、多くの人の支援を集めたことで一躍有名に。
キャプチャーは一眼レフカメラなどを、バックパックのショルダーストラップに固定することで、撮りたい時に素早く撮影することを可能にするプロダクトで、現在はカメラバッグや三脚などカメラ関係の製品を扱っている。
ピークデザインモバイルシリーズ
今回紹介するピークデザインのスマートフォンホルダーは新しくリリースされたモバイルシリーズの製品となる。
スマートフォンに装着するエブリデイケースとフィンガーループ付きのエブリデイループケースを主軸に、様々なアクセサリーが用意されている。
ケースの裏側にはマグネットが埋め込まれており、SlimLink™システムで様々なアクセサリーを装可能。
装着の方法は二種類あり、ソフトロックは強力なマグネット、ハードロックはマグネットと2本の爪によって強固に固定するというもの。
バイクのハンドルへの固定など、強固に固定する必要があるオプションはハードロックとなる。
ライダーに最適なアイテムを集めてみた
SlimLink™システムで装着可能なアクセサリーには多種多様なものがあり、カテゴリとしてはPHOTO、DESK/HOME、WALLETS、CAR、BICYCLE、MOTORCYCLEといったものがある。
今回はライダー的に使い勝手が良さそうなアイテムを集めてみた
エブリデイループケース
まずは主軸となるスマートフォンケース。長距離走行した後はエンジンの振動などで手が痺れていることもあるので、ループ付きの方が安心だ。
フレーム部分には弾力性と衝撃吸収性を備えたプラスチックのTPUを採用、ケース本体はバイクのウインドスクリーンなどにも採用されるポリカーボネイトだ。
高速走行中の飛び石などでも割れにくいポリカーボネイトは頼りになる。
ケース表面はシックなキャンパス生地が張られており、フレームの淵部分にはピークデザインのロゴが打刻されるなど見た目にも美しい。
スマートフォンケースとしては決して安くはないが、質感が高く細部にこだわって作られている点を考えれば妥当と言えるだろう。
スリムウォレット
コロナ禍をきっかけに急速にキャッシュレス化が進んでおり、ポイントカードもスマホアプリへと変化している。
筆者の場合も大抵の場合はクイックペイかID、どちらも使えない場合にはスイカ、それでもダメな場合にはクレジットカードで支払いするが9割以上は現金以外の支払いとなっている。
スリムウォレットは最大7枚のカードを収納可能なのでETCカード、クレジットカード、免許証、保険証、千円札数枚を入れておくには十分だ。
上部は磁石の力で蓋ができるようになっており、不意に飛び出してしまうこともなく、磁石はカードの磁気やスマートフォンには影響しない技術が使われているので安心だ。
モーターサイクルバーマウント
モーターサイクルバーマウントはアルミにブラックのアルマイトで仕上げられた見た目の質感も高いハンドルバーマウント。
一般的な国産バイクに多い22.2φ、ハーレーなどに採用されることが多い25.4φ、ファットバーや一部の車種で採用される2.86φ、3.18φと幅広く取り付けできるように設定されている。
アームの位置は付属の六角レンチで調整可能で、アームを外してハンドルマウントに直接装着もできるので幅広いポジションに対応している。
昨今心配されるスマートフォンの手振れ補正壊れる問題に関しては、ヘッド部分にゴムのような素材が採用されることで対応している。
こちらはケースとハードロックで固定する形になるが、ケースに近づけただけで強力な磁石でカチッと固定され、外すときにはヘッドの両端にあるプッシュボタンを押さなければ外れない。
なおフルカウルバイク用にステムにマウントするキットも販売されている。
クリエイターキット
インスタグラムやyoutubeへの投稿でスマートフォンを活用しているライダーも多いはず。クリエイターキットはスマートフォンを撮影機材として最大限に活用するためのアイテムだ。
付属されている1/4インチネジ穴付きプレートと、様々な雲台に対応可能なアルカスイス互換プレートを使えば、幅広い三脚に取り付けが可能となる。
だが個人的にはこちらの製品の使いどころと言えば、ピークデザインの代表的な製品、キャプチャーカメラクリップと併用する形が最適と思える。
キャプチャーV3 クリップオンリー
2010年に初代が発売されたキャプチャーは、創業者のピーターデアリングがアウトドアでの撮影時の不満を解消するために開発された。
移動中に撮影する際にはカメラをバックパックから出してシャッター押す、終わったらバックパックに戻すという一連の流れになり、いちいち手間がかかってしまう。
キャプチャーはバックパックのショルダーストラップに挟み込み、プレートを装着したカメラを固定できるというものだ。
カメラストラップの場合、どんなに短くしてもカメラが揺れてしまうが、キャプチャーを使えば確実に固定することが可能で、シャッターチャンスを逃すこともない。
バイクでの移動中にキャプチャーにカメラを固定するのは、万が一の際に自分を傷つけてしまう可能性があるのでお勧めできないが、スマートフォンならカメラに比べてリスクが低いように思う。
走行中にふと気になった景色を撮影したり、モトブログの撮影にも使えそうだ。
実際に車体に装着してみた
モーターサイクルバーマウントには幅広いハンドルに対応するためのカラーが複数付属されているが、デフォルトでセットされているのは22.2φ用カラーとなる。
多くの国産バイクや後付けのアクセサリー取り付けバーは22.2φを採用しているので、そのまま使うユーザーが多いはずだ。
取り付けに関しては付属の六角レンチでボルトを緩めて装着するだけなので簡単なのだが、感心したのはカラーに突起がついており、本体から簡単に落下しないように工夫されている点だ。
スマートフォンは縦、横どちらにもワンタッチで向きを変更できるのがありがたい。
実際に走行してみて感じたこと
今回は400Xのミラー基部にアクセサリー用のバーを装着して、モーターサイクルバーマウントを設置して走行してみた。
モーターサイクルバーマウントとエブリデイループケースの接合部にゴムダンパーが装着されており、この部分はスマホカメラへのダメージを低減してくれる設計となっている。
実際に走ってみると段差やバイクの振動などでスマートフォンが揺れるのが確認できた。振動対策済スマートフォンホルダーが増えているので、取材する機会が多いのだが目に見える振動が与えるダメージは大きくはないらしい。
むしろ目に見えない微細な振動が大きなダメージにつながるので、防振ダンパーが振動の種類を変換する役割を担っているのだとか。
走行していて気が付いたのは、スマートフォンは揺れるが振動が収まるのが早いという点だ。ダンパーがきちんと機能しているので振動したエネルギーを収めている様子が見て取れる。
ゴムダンパーの動きがあるので、モーターサイクルバーマウントに装着したスマートフォンを触ってみると上下左右に多少動くのだが、力を入れてもプッシュボタンを押さなければ外すことはできない。走行中の落下の心配はなさそうだ。
モトブログの撮影もやってみた
キャプチャーV3をバックパックのショルダーストラップに装着し、クリエイターキットと外付けマイクを装着したスマートフォンをマウントして走行してみた。マイクは風切り音を避けるためにヘルメットの中、ノーズガードにクリップで固定する形だ。
実際に撮影してみたわかったのは、ショルダーストラップにマウントする位置で画角が大きく変わるという点だ。バイクのポジションや着座位置によって調整するとうまく撮影できるだろう。
また筆者は普段アクションカムでモトブログの撮影を行っているが、一般的なアクションカムは画角は一定でズーム、広角などの調整はできない。
だが筆者が愛用しているアイフォン12proはカメラレンズが3個装備されており、標準、ズーム、広角の画角を選択することが出来る。
キャプチャーV3に関してはガッチリクリエイターキットとスマートフォンをマウントすることが出来た。カメラ愛好家の評価が高く耐荷重に関しては、なんと90kgとのことなので安心だ。
また画角にこだわりたい方はクリエイターキットにはGoProのアクセサリーを併用することもできるので試してみてもいいだろう。
携帯変えたら、マジで買おうか検討中
筆者は2年に一度スマートフォンを買い替えており、秋ごろ発売が噂されているアイフォン14proが発表されたら購入する予定だ。
今から現在愛用中のスマートフォン用ケースを買うのはもったいないので、買い替えたタイミングでピークデザインのモバイルシリーズを検討したいと思っている。
今回はバイクに関連しそうなアイテムのみご紹介させて頂いたが、それ以外にも魅力的なオプション品が揃っている。
バイク用品メーカーではないので、大きな話題にはなっていないが使い勝手は最高なのでチェックして頂けたら幸いだ。
文・写真:相京雅行