【brand pickup】
走行距離10万kmも通過点!NTBのパーツで愛車をメンテ
耐久性の高い国産車にとって、10万キロは通過点だ。私が過去に取材で見たバイク便ライダーのバイクは走行80万キロ!を超えるものもあった。
確かに、70年代の旧車より、現行の新車の方が排出ガスがクリーンなのは間違いないが、バイクの生産や運搬にもCO2の排出は避けられないわけで、環境負荷を考えれば旧いものを大事に使い続けることこそ、エコに繋がると言えるのではないだろうか。
ただし、長く乗るためには適切なメンテナンスや修理が欠かせない。
公道を安全に走るためにも「壊れてから修理」ではなく「壊れる前に予防修理」を行うことが何より重要であり、それが愛車の好調維持につながるのだ。
乗り換え要因となるのが高い修理コスト!
走行距離を重ねてくると、あちこち同時にメンテナンスの必要な箇所が出てくることがある。それを合わせた費用と買い替え費用を天秤にかけて買い替えを決断するケースは非常に多い。
確かにそれも賢い選択なのかもしれないし、良いタイミングなのかもしれないが、実は修理のコストは部品代でグッと下げられる可能性もある。
純正同等の性能と耐久性を有するNTBの「規格部品」
NTBは消耗部品を中心にバイクの様々な部品をラインナップするメーカーだ。
同社の部品は精度や耐久性などの安心面はそのままにリーズナブルな価格が実現されていて、修理の際にNTBの部品を使用することでコストを抑えることができるのだ。
いわばジェネリック医薬品のバイクパーツ版のような存在である。
今では、ネット通販で手に入る格安の部品も存在するが、耐久性や精度、適合など信頼性に欠けるケースが多く安心して使用しづらい。
しかし、NTBのパーツは、同社の「N.T.Bオートパーツサーチ」でしっかり適合確認が取れるし、純正同等の品質が確保されているので、バイクショップの整備の現場でも広く使われている。
NTBの規格部品を使用したメンテナンスの実例を紹介!
フロントフォークシールの交換
バイクのテレスコピック式フロントフォークは、減衰力を発生させるためにフォークオイルとダンパーを内蔵している。
その、フォークオイルが漏れないように「オイルシール」とオイルシールをゴミなどから守るための「ダストシール」という2つの部品が重要な役割を果たしている。
オイルシールは消耗品で、インナーチューブとの隙間にゴミが挟まったり、ゴムの硬化でオイルをシールすることができなくなると、フォークオイルが漏れ出てしまう。
フォークオイルが漏れると適切な減衰力が発生できずに走行安定性が低下したり、漏れたオイルがブレーキに付着して制動性が著しく悪化する原因となってしまう。
だからこそ「オイルシール」と「ダストシール」のコンディションは非常に重要だ。
NTBのオイルシールにはバイク用ならではのノウハウが詰まっている!
フロントフォークのオイルシールはインナーチューブ径とアウターチューブ径と高ささえ合えば流用できると思われるかもしれない。
しかし、ロードモデルとオフロードモデルではサスペンションのストローク量も異なるため、オイルシールのリップ部にテンションをかけているスプリングが異なっているのだ。
このスプリングが強すぎればフォークの動きの悪化を招くことになり、逆にスプリングが弱ければオイルが漏れやすいということになる。
そこで、NTBではサイズが同一だからといって適合品とせずに、スプリングのテンションまで測定してしっかりと適合の確認を行っているのである。だからこそ、安心して使用することができるのだ。
もし、適合品選びで不安を感じたなら「N.T.Bオートパーツサーチ」で確認すれば安心だ。
アドレスV125Gのフロントフォークシール交換
アドレスV125Gのフロントフォークを外すには、三叉からアッセンブリーで分解しなければならない。ゆえにフロント周りは全バラに近い状態に。
フォークのトップキャップがフォークの抜け止め(位置決め)になっているので、ここまでバラす必要がある。トップキャップを緩めるには17mmのヘックスが必要。
フォークオイルは本来赤色なのだが、ヘドロのような色のオイルが出てきた。交換時期はとっくに過ぎている。
ダストシールを取り外す。ヒビが入っていたのでゴミの侵入を防ぎきれないし、インナーチューブを傷つける要因になる。さらにクリップを外す。
フォークボトムのドレンボルトを緩める。供回りするので作業開始時に車体に装着された状態であらかじめ緩めておくと良い。
ドレンを外すとインナーチューブを抜くことができる。アウターチューブに残ったオイルシールを取り外す。外す時にアウターチューブを傷つけないように注意。ここでは裏技的にスパナを使った。
外れたオイルシールは弾力も無く、近いうちにオイル漏れが予想されるコンディション。早く交換できてよかった!
すべて分解できたので、ここからパーツクリーナーでよく洗浄する。
フロントフォークの組み立て
上が今まで付いていた旧いシール。下がNTBのオイルシールだ。当然だがゴムの弾力があって柔らかい。
ボトムケース内側のサビなどを確実に除去して、オイルシール外側と内側のリップ部にシリコングリスやフォークオイルを塗布する。
フォークシールの外径に合うソケットでシールを打ち込んだ。本来は専用工具の使用を推奨。
ボトムケースのクリップ溝が全周現れるまでフォークシールを打ち込み、クリップを装着する。
インナーチューブにダンパーとオイルロックピースをセットした状態でドレンボルトを締め付け、インナーチューブとアウターチューブを合体させる。
フォークオイルを注ぎ入れて、油面調整を行う。注射器型の調整ツールで純正規定の103mmに合わせた。
ダストシール、フォークスプリングを組み付けて、車体に復元する。
フォークオイルが新しくなり、さらにフォークシールが新品になったことで、フロントフォークがしなやかな動きになった。これでフォークオイル漏れの心配なく快適に乗ることができるようになった!
操作性に直結するケーブル&ワイヤー類の交換
スロットルワイヤーや、ブレーキケーブルは走行中に破断すると大変危険だ。また、油切れやワイヤーのほつれで動きが悪くなっている場合は、快適に走ることができないので早期に交換が推奨される。
NTBのワイヤーは純正同等の仕上がりだ。ちゃんと必要なところにアウターの補強カバーが付いているので、耐久性の面でも安心できる。
アドレスV125Gのリアブレーキケーブル交換
スクーターのリアブレーキはドラム式でワイヤー作動の場合が多い。
ハンドルからリアホイールまで届く長いワイヤーが使われているので、走行距離が増えてくるとワイヤーが伸びてブレーキレバーを握り込まないとブレーキが効かないという状態になりがちだ。
また、ブレーキワイヤー切れは非常に危険だ。
ブレーキシューを交換してもブレーキ調整範囲が正規の位置まで復帰しないようであればワイヤーの伸びが疑われるので早期の交換をお勧めしたい。
スクーターのリアブレーキケーブルはカウルの中を通っているので交換には手間がかかる。
外したワイヤーは折れ癖が付いていた状態だった。右が新品のNTB製のワイヤー。
下がNTB製。レバー側のタイコの部分には純正と同じようにしっかりゴムのダストカバーが付いている。格安品は省略されていることもあるので注意が必要だ。
NTBの新品ワイヤーを装着。ブレーキ調整範囲がかなり復活した!
レバーの握りも軽くなり、ブレーキをかけた感触も頼もしい!レバーの戻りも非常にスムーズだ。
アドレスV125Gのメーターケーブル交換
バイクの機械式メーターはほとんどの場合、フロントホイールのメーターギアで速度を計測している。メーターケーブルが切れるとメーターが動かなくなるが、これを放置していると危険だし、当然だが整備不良となる。
時には白バイが並走してメーターを視認してメーターが動いていないバイクを取り締まることもあるので、メーターが動かなくなる前に時期を見て新品交換しておきたい。
メーター側のケーブルはナットで固定されているのでプライヤーなどで緩める。
ホイール側はメーターギアにプラスビスで固定されていた。
NTBの新品ケーブルには、メーターギア側のOリングも付属しているし、しっかりした造りとなっている。
ケーブルのセット時はホイールを回転させながら行うとスムーズにセットできる。最後にメーターの作動を確認する。
Vmax1200のスロットルワイヤーを交換
スロットルケーブルはたいていオープン側が切れるが、切れたら即、走ることができなくなってしまう。スロットルの作動が重く感じたら早めに交換しておきたい。
私のVmax1200は、メンテ時に誤ってアウターケーブルの樹脂部分を割ってしまっていた。接着剤に固定して使っていたのが、見た目にもみっともないし、走行中に補修部分が割れると危険なので新品に交換した。
Vmax1200のスロットルワイヤーは特殊な構造で、グリップ部分からキャブまでの間で2分割されている。交換するのはそのグリップ側にあたる。
スロットルケーブル連結部分のホルダーを外した後、スイッチボックスを外せばケーブルの交換ができる。
外したケーブルとNTBのケーブルを比較してみると、曲線部分の角度までしっかり合致しており、純正同等の動作性と耐久性が確保されている。
NTB製の新品スロットルケーブルを組み込んだことで、見た目も美しくなった。
新品ケーブルなのでスロットルの動きもシャープかつスムーズになった。これで安心して走ることができる。
安全の要となるブレーキパーツのラインナップも豊富!
アドレスV125Gのブレーキパッド交換
言うまでもなく、ブレーキはバイクにとって最も重要なパーツのひとつ。決してメンテナンスを欠かすことはできないし、品質の低い部品を使うことは避けたいものだ。
そんなブレーキパーツもNTBの部品ならば純正部品と同じく安心して使うことができるし、コストも抑えることができる。
アドレスV125Gはブレーキローターもブレーキパッドも摩耗限度に近い状態だったのでセットで交換した。
ブレーキローターは社外品のペタルディスクが装着されていた。
かなり偏摩耗が進んだ状態だった。ブレーキ制動力の低下や鳴きの発生原因となる。
ホイールを外してブレーキローターを交換する。ホイール側のローター取り付け座面はサビや汚れをしっかり落としておく。ローターボルトにはネジロック剤を使用し、しっかり締め付ける。新品ローターには錆止めオイルが塗布されていることもあるので確実に脱脂する。
ブレーキパッドも交換時期が近い状態だった。新品ローターに合わせて新品ブレーキパッドを装着する。
NTBのブレーキパッドは信頼性が高く、タッチや効きも安定している。新品と比較すると摩耗度合いが良くわかる。
ブレーキダストで汚れたキャリパーを水洗いしておいた。
キャリパーピストンには点錆が発生していたので次回パッド交換時にはキャリパーオーバーホールが必要だ。
摩擦材の面取りとパッドのバックプレートに鳴き止め用のグリスを塗布して新品パッドを組付けた。
新品ブレーキローターと新品ブレーキパッドを装着して新車時の効きとタッチが蘇った。コントロール性も良好で、安全性も大きく向上することになる。
劣化が排気漏れの原因となるマフラーガスケットの交換
アドレスV125Gのマフラーガスケット交換
原付スクーターはリアタイヤ交換のためにマフラーを外す必要があるが、マフラー脱着時はマフラーガスケットを新品に交換するのが原則だ。
マフラーガスケットが潰れて排気をシールできなくなると排気音が大きくなったりパワーが低下したりする。
脱着時に必ず毎回新品にしないまでも、時期を見て交換しておく方が安心できる。
NTBのマフラーガスケットは素材もサイズも純正と同一で、シリンダーヘッドの排気ポート出口にぴったりはまって排気をしっかりシールしてくれた。
定期交換部品のフィルター類も充実のラインナップ
Vmax1200の燃料フィルター交換
Vmax1200は独特な車体レイアウトなので、燃料ポンプに電磁式が採用されており、さらに燃料フィルターを装備する。
燃料フィルターは燃料タンク内の錆やゴミを濾して、クリーンなガソリンをキャブレターに送る役目を担っている。
フィルターが目詰まりを起こすとガソリンの流量が足りなくなってしまうこともあるので、やはり定期交換が必要だ。
Vmax1200の燃料フィルターはシート下に設置されている。
燃料ホースを外すと少量ガソリンが流れ出るので、車体に付着しないようにウエスを敷いて作業した。
外した燃料フィルターは内部に錆の粉末が堆積しているのが確認できた。フィルターの取り付け向きを判別するための矢印の刻印が入る。
劣化していない真っ白な樹脂が眩しいNTBの新品燃料フィルターに交換する。サイズはしっかり同一なのでそのまま付け替えるだけだ。
燃料フィルターの交換はおそらく新車時から初なので、今後10年くらいは交換せずに済みそうだ。
Vmax1200のエアフィルター交換
バイクのエアフィルターも大事な定期交換部品だ。
汚れを放置して目詰まりを起こすと空気とガソリンのバランス(燃調)が狂って、パワーの低下やエンジンの吹け上がりの悪化、燃費の悪化を招くことになる。
Vmax1200は乾式のエアフィルターを採用するので、掃除ではなく定期交換が必要になる。
Vmax1200の専用部品なので純正はかなり高額だが、NTB製はリーズナブルだし形状や性能は純正同等なので安心して使用できる。
エアフィルター交換時はエアボックス内の汚れを良く掃除しておくのが重要だ。
新品と今までのものを比較すると汚れ具合は明らか。交換後のエンジンフィールに明確な違いは感じられなかったが、確実にフレッシュな空気をエンジン内に取り込めるようになっているはずだ。
ここで紹介した以外にも膨大な部品ラインナップを持つNTB
これまで紹介した通り、NTBの部品を修理やメンテナンスに使うことで、性能や耐久性を落とすことなくコストダウンを実現できるのだ。
ここで紹介したものはごくごく一部となり、NTBの部品ラインナップはかなりの商品点数だ。
まずはホームページで自分の愛車用の部品があるかどうかご確認いただきたい。
また、部品の適合に迷ったらNTBのオートパーツサーチが便利だ。年式や車名などから適合確認を行うことができる。
SDGsへの取り組みを積極的に行っていくNTB
NTBブランドを展開する丸中洋行では今後、バイク分野から持続可能なより良い世界を目指すSDGsの活動を強めていく。
我々ライダーが末永くバイクを楽しむためにも、丸中洋行の取り組みを応援していきたい。
Photo&Text 丸山淳大