筆者はバッグが好きなのですが、特にリュックがお気に入り。気が付けばランニング用も含めて6個も所有しています。
バイクは天候の変化に対応できないので、デジタルガジェットを持ち歩く人は防水バッグが必須となります。そのためランニング用のバッグを除いた5個は防水性に優れたバッグです。
ただ防水バッグは重量が重くなりがち、防水性に拘らずに軽量なバッグが欲しいなと思い、目星をつけてモンベル店舗に足を運んだところ、狙っていたバッグの隣にあったものを買ってしまいました。
新しく購入したのはキトラパック35Lです。
キトラパック35Lのデザイン
これはもう完全に登山用のバッグという感じです。
愛用中の他の防水バッグに関しても機能性重視で選んでいますが、タウンユースを目的としているため見ためや生地の質感が異なります。
長時間重い荷物を入れて背負うことを想定しているため、リュック自体が軽量。それでいて簡単に壊れないように強靭な素材で作られています。
またリュック選びのコダワリの一つとして、運転中ショルダーハーネスがずれないようにチェストストラップがあるものを選んでいますが、登山用はさらにウエストストラップがついているのが特徴。
カメラ機材などを持ち歩く際に肩だけでなく、腰でも支えることができるので負担を分散することができます。
歩いている時に入れている荷物がずれないようにコンプレッションベルトがついているのも特徴で、とにかく機能性を持たせるために色々なものがついているのが登山バッグです。
素材
メイン素材には強度に優れた100デニールのバリスティックナイロンを採用していますが、底面のみ210デニールのバリスティックナイロンを採用することで強度を増しています。
またバッグ内側にはウレタンコーティングされ防水性に優れたアクアバリアサックがマジックテープで固定され、バッグ上部のロールトップ構造と組み合わせることで防水性を確保しています。
バイク用として最高の装備
既にキトラパック35Lを背負ってあちこちにロケに行ったりしていますが、やっぱり最高と感じさせるポイントがあります。
ウエストストラップに大きめの収納がついていること。モンベルの他バッグにもウエストストラップに収納がついている製品もありますが、容量は様々です。
キトラパック35Lの収納に関しては小銭入れや携帯電話を入れても余裕があります。左右両方についているので、筆者の場合は左側に携帯電話と小銭入れ、右側にはクレジットカードを入れています。
取材ではETC付きのバイクとは限らないので、取り出しやすいウエストポケットにクレジットカードを入れておくことでスムーズに支払いができます。
また地方の有料道路などではETCやクレジットカードが使えないこともあります。スイカなどの交通系ICに対応していることがあるので、モバイルスイカか現金で支払うために携帯と小銭入れもウエストポケットに収納しています。
ショルダーストラップの収納も見た目に反して大容量です。入れたことがありませんが、600mlのペットボトルまで入れることができるのだとか。ゴムでボトルを抑えるボトルストッパーもついているので、簡単には落下することはなさそうです。
ライダーの熱中症対策としても便利なのが、ハイドレーションを装着する機能です。別売りのトレールウォーターパックを装着すれば信号待ちなど短時間で水分補給が可能です。
左右に設けられたワンドポケットにはペットボトルや三脚を入れておくことが可能で、走行中に落下しないようにコンプレッションベルトで固定も可能です。
ショルダーストラップにはフィット感を調整するスタビライダーテープが付属されていますが、荷室のトップ部分と肩の位置を合わせることができます。
荷室が肩より上になってしまうと、ヘルメットを被ったときに後頭部がリュックに当たってしまいポジションが自由にならないことがあるので、調整しておきたいところです。
改造したポイント
バッグ前面にフロントポケットが用意されていますが、ファスナーなどがついているわけではないので、走行中の落下が心配になってしまいます。
アクアバリアサックには取り外し可能な内ポケットがついてはいるのですが、バッグ上部のほうについているので、物を入れると下に入れて荷物が見えにくくなるデメリットがあります。
メインの荷室はバッグ下部からもアクセス可能で、上下二つの荷室に分けることができますが、財布や小物入れなどを分けて入れておくような場所がありません。
そこでフロントポケット内にカラビナを二つ追加しました。
一つにはモンベルのポーチをつなぎ、財布や小銭入れなどを入れておくことができます。もう一つはGoProのネックマウントを付けています。
GoPro自体はコンパクトなのですが、ネックマウントと外部マイクがついているので嵩張ります。
ネックマウントをフロントポケット内に設置することでバッグ内が広く使えるようになりました。
バイクやヘルメットによっては容量をアップさせるトップリッドSを追加するのもおすすめ。ウエストバッグとしても使うことができます。
収納力
メインに荷室の収納力を調べるためにコーヒーツーリングに行く想定でパッキングしてみました。収納したのは
- 椅子
- テーブル
- レインウエア
- ケトル
- OD缶
- シングルバーナー(ケトル内に収納)
- コーヒーキャニスター
- コップ
- フィルター
- フィルターホルダー
- マドラー
- 一眼レフ用ポーチ
上記すべてを入れて8割程度のスペースを使いました。
それに加えてワンドポケットにはペットボトルと三脚、フロントポケットにGoProと長財布、ウエストポケットには小銭入れと携帯電話を収納しているので重量はかなりのもの。
手で持ち上げると重いのですが、背負ってしまえば重さを感じにくいのは、肩と腰で荷重を分散できる登山用バッグならではのメリットと言えます。
動画でインプレッションを見たい方はこちら
前傾がきついスーパースポーツ系にはお勧めできない
色々なバイクのロケにキトラパック35Lを背負って行きましたが、前傾がきついスーパースポーツバイクだと、顎を極端に上げる姿勢になるので、荷室がヘルメットに当たることがありました。
最近のフルカウルスポーツバイクはタンデムシートがコンパクトで大きめのシートバッグがつかないケースもあるはず。
そんな時はモンベルの登山用バッグ、キトラパック35Lを使ってみてもいいかもしれません。
文/写真:相京雅行