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バイクツーリングを安全に走るコツ!走行ポジション別に知っておきたい注意点

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

グループでツーリングすることを「マスツーリング」といいます。

 これからの季節、ツーリングデビューする方も多いことでしょう。気ままなソロツーリングに憧れる・・・でも一人は不安。そんなときに頼りになるのが近しいベテランライダー達の存在。気の合うバイク仲間との一体感を共有できる「マスツーリング」は一生の思い出になること間違いなし。

ソロツーリングとの違いとは?

ところで、集団でツーリングする場合のメリットやデメリットにお気づきでしょうか。今回は、ツーリング隊列の「先頭」「中央」「最後尾」それぞれの走行ポジションについて注意点をご紹介しようと思います。

目次

バイクツーリングの目的って?

 自動車を運転する目的は、レジャーというより通勤や買い物などの日常生活の一部というのがほとんど。特に公共交通機関での移動に限界のある地方部において自動車免許を保有していることが必須条件ともいえます。対して二輪免許取得は「ラーメンや海鮮丼などのグルメツーリング」または「絶景を見たい」という趣味的理由が圧倒的多数であることはご存じかと思います。

一般的に、バイクの運転は、趣味やレジャーというのがほとんど。

 ツーリングの目的とは、目的地で何かするというよりバイクに乗っている時間そのものを楽しむ、という数あるレジャーの中の一つです。そして楽しいレジャーには適度な疲れを感じるという点にも気付いていただきたいと考えています。バイクの運転中はスピードの出し過ぎ、リーンに拘るなど、じわじわと溜まる疲労やストレスを自覚できないような走り方は避け、休憩を十分に考慮した無理のないツーリング計画を立案することが理想ではないでしょうか。

「ラーメン一杯のためにリスクを背負うようなツーリング」にならないよう、
無理のない走行計画を立案し、参加メンバー同士の経験やスキルを共有しておきましょう。
私の小言

日頃、教習生にツーリングは、いのちを賭けてまで果たすべきではないと伝えています。一般道における速度超過や無理な追い越しは、操作ミスによる事故のリスクあるいは交通取り締まりに遭うというデメリットがあります。また、早めに出発する等の工夫や運転にゆとりを持つことや、万一の体調不良やマシントラブル等に見舞われた場合はツーリングの中止もやむを得ません。

ベテランライダーが先頭を走る理由

 グループを率いるリーダー的存在であるということから、ベテランライダーやツーリングの発案者が適任と思われます。その日のツーリングを大成功に収めるためにも、経験豊富なライダーによる総合的な注意力が不可欠です。走行経路、走行時間やメンバーの様子を逐一観察し、また急な飛び出し等による緊急回避を想定しつつ、自分自身の安全と円滑な運転を行いましょう。

急ブレーキや緊急回避を未然に防ぐ

① 後続ライダーが安全に停止できるか?

② 追突されないよう安全な車間距離で追従しているか?

等を考えなくてはなりません。

 後続ライダーが初心者であるとか、排気量等に大きな差があるなど、ライダー同士のスキルや車体によりに格差が生じることも考えなくてはなりません。初めて先頭ライダーを担う場合、走り過ぎないようにするとともに、常に隊列全体を観察するような業務的側面があることを知っておきましょう。

中間ライダーは「冷静沈着」に。

無理なペースには付いていかないように。

 先頭ライダーに追従して順列良く走行していても、信号等の交通状況によりツーリング列が一時的に途切れることは頻繁に発生してしまいます。特にビギナーライダーの心理としては、前方のライダーと離れた場合、不安を抱くかもしれませんが、冷静沈着になり走行ペースを維持するいいでしょう。

ツーリング中は集団心理が働き、他車を見落とす危険性が高まります。

 無理に追いつこうとすると、カーブを曲がることができなくなったり、出合頭の事故等に巻き込まれるケースもあります。また隊列の後方になればなるほど、ブレーキのタイミングも遅れがちになります。隊列中間はリスクが多いポジションであることを知っておきましょう。

ツーリング経験者は最後尾に配置

 グループ内にベテランライダーが数名いる場合、先頭と最後尾のポジションはベテランライダーが付くのが常套手段。最後尾のライダーは最後尾から隊列が整っているか走行ペースが適切か等、グループ全体の様子を見通してサポート役となりましょう。

 また、荷崩れを起こしそうなライダーがいないか、初心者ライダーのフォロー、役割は多岐にわたります。もしも隊列が散開しすぎた場合、本来の隊列に戻るまで一時的に先頭を走行し、後続ライダーを引っ張ってあげましょう。場合によっては先頭のリーダー以上に総合的な判断力を要するため、経験豊富なライダーを配置してあげましょう。

車両単独事故の特徴

 平成29年度に報告された2012ー2016における車両単独事故での車種、地形、道路線形、通行目的および平均速度、年齢に関する特徴が下記表(表4-4-1)にまとめられています。事故統計をご覧いただきツーリングにおける安全運転の参考になれば幸いです。

令和4年3月 一般社団法人 日本自動車工業会
公益社団法人 交通事故分析センター 二輪車事故の特徴分析による事故、死傷者数の低減「二輪単独事故の特徴」‐二輪車の単独事故の特徴‐抜粋

「地形(非市街地)+ 道路線形(カーブ・屈折)」山道・峠道

「通行目的」 ツーリング

 上記表の平均速度を見てみると、速度が上がるにつれて事故が発生しやすく、また大型二輪の平均年齢は②、③と比べるとやや高めということにも注目しておきたいところ。更に、事故の要因として明らかな速度超過による転倒、または工作物への衝突という点も注目しておきましょう。安心安全のツーリングを行うためには、計画を立案する際に過去の交通事故データを参考にし、ツーリング出発前には走行経路の特徴や危険度をライダー全員であらかじめ情報共有しておくと良いでしょう。

まとめ

 当然ですが、「ベテランライダーのうしろを走れば、同じように走れるのだ!」というわけではありません。各ライダーの経験と「勘」による判断基準は千差万別ですので、マスツーリングとはいえ個人レベルでの無理のないライディングに徹しましょう。自由に走れる乗り物だからこそ、ある一定のルールを決めて安全なツーリングへ出かけましょう。

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