これから共に乗っていく相棒がもう目の前。しかし、ノリだけでは乗れないのがバイクというもの。「知ってるつもり」でも店員さんの説明は確実に聞きましょう!筆者である「とある指導員」の場合を上げると、購入したバイクが新型「XSR900」。自動車学校で聞いたこともない、私自身もABS以外は、詳しく説明したことない電子制御装置がてんこ盛り。そう、ライダーたるもの、常に技術の進化と変化を知らなくてはいけないのです。
流行る気持ちは抑えて!納車説明はしっかりと聞こう!
納車前の確認事項
納車後はライダーへ責任が移管されるため「自分の命は自分で守る」ために、書類説明は極めて重要です。車検証や自賠責保険の他、スペアキーの保管方法等は説明を聞いておかないと取り返しのつかない事態になりかねません。いつかバイクを手放すときにも書類は必要なので、書類は大切に保管しましょう。
- 保証内容、範囲と例外。及び注意点
- 車検証と保険証明書の有効期限
- 車両の特徴と操作方法
緊張状態の納車&公道デビュー
納車前の操作確認
納車予定のバイクは目前。いよいよ納車……と移りたいところですが、ノリだけで乗るのは危険。操作方法や足つき、取り回し等、十分把握できているか最後に振り返ってみませんか。
特に教習所を卒業して間もない方が初バイクを納車する場合は「教習車」(たぶんCB400SF‐L?)を、そうでない方は過去経験、乗ったことあるバイクを思い出し「半クラ位置」「車体重量」等を比較して、できるだけ多く「車体挙動予測」を考えておくとよいかもしれません。
- 短い距離(数メートル)の発進及び停止の練習。
- 教習車を思い出して操作性等、「マイバイク」と比較し参考にする。
- 納車直後は高揚感や不安感、緊張感など様々な感情が入り混じる。
- 一度走り始めるとそれまでの感情が爽快感に上書きされる。
- ハイテンションになり、雑な運転にならないよう周囲に対する配慮を忘れないように。
- 出発後は早めの休憩を取り、缶コーヒーを飲む。SNSへ投稿する。
ライダーの心身の状態から、出発後15分以内に事故が起きやすいと言われています。ツーリング開始直後や休憩後は15分以上過ぎるまで無理な運転や「ライディングチャレンジ」は控えていただきたい。
【少数派向け!?】トランポ(積載車)を使う場合
新型XSR900を積んでみた。
自家用車に積んで帰る場合は走行中に緩まないように確実に固定しましょう。トラックに積んで走行中に落とした……なんてことは想像したくありません。熟練者がサポートしてくれるなら安心の極みですが、未経験者が実施する場合には「ノリだけでは載らない」と言っておきます。失敗した場合、本当にシャレになりません。
よく耳にする“トランポ”とは?
一般的にハイエース、ミニバン、軽バン、トラックなど、輸送運搬する事ができる自動車を総称して「トランスポーター」、略してトランポと言われています。今回のトランポはレジアスエース(ハイエース)に積載しています。
積み込みに必要な用品とは?
ラダーレール
バイクを積み込むときに使う「ハシゴ」。アルミ製の軽量なタイプや折り畳みのコンパクトなものまでいろんな種類があります。バイク用品店、工具用品店、ホームセンターの農機具コーナーに売っているのをよく見かけますね。
タイダウンベルト・ラチェットベルト
バイクをトランポに固定するベルト状の器具。ベルトはとても丈夫でクイックに扱えるため、両手が空きやすく安全に作業ができます。ロープでもよいのですが、ロープワークや丈夫なロープを選ぶ必要があるため、ある程度の技術と知識が必要です。
積むときの注意点
ラダーレールが外れないようにセットしましょう。また荷台まで傾斜があるため協力してくれる人がいれば最善です。とにかく、積んでいる最中に転倒してしまうとバイクやトランポへの損傷のほか、バイクの下敷きになるなどしてケガをする恐れがあり危険です。
私のXSR900の場合は、底面のマフラー部分がラダーに接触し自前のラダーレールではうまくいかなかったので、YSP滋賀のラダーレールを使わせていただきました。しかも忙しい中、店長さんがサポートしてくれたので大変助かりました。
運転の注意点
急ブレーキ、急ハンドル、急停止等、「急」のつく操作は厳禁です。絶対に。
荷崩れ、積み荷の転落の恐れがあります。時々タイダウンベルト等をチェックし、確実に固定されているか確かめましょう。
下ろすときが怖い!
後ろ向きに進む上に、リヤタイヤの位置が見にくく、ラダーレールに載っているか不安になります。慣れていれば感覚でわかるのですが、そうでない場合は協力者に補助してもらいましょう。また、車体の底面が接地しないように、傾斜を利用するなどして工夫を凝らすと安全に下ろす事ができます。
まとめ
近年、ライフワークバランスを豊かにする趣味の一つとしてバイクが選ばれるようになり「バイク女子」「リターンライダー」が大幅に増加しています。二輪免許を取得すれば誰でもバイクに乗れます。無茶な運転による快感よりも、末永い心地よさを選んでこそのバイクライフ。様々な技術や知識を蓄えて、クールなライディングスタイルを作り上げて行こうではありませんか。