バイクのエンジンオイルには、エンジンの寿命や性能を保つ機能があります。一方で、定期的なオイル交換を怠るとオイルの性能は低下し、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。
この記事では、バイクのエンジンオイル交換の基本的な手順をわかりやすく説明し、初心者でも簡単に交換できるようにポイントを押さえながら解説します。
エンジンの健康を維持し、安全で快適なライディングを楽しむために、ぜひ参考にしてください。
エンジンオイルの役割、オイル交換が必要な理由
バイクのエンジンオイルはエンジンをスムーズに動かすために重要な役割を果たしています。具体的には以下の機能があります。
1つは潤滑剤としての役割です。エンジン内部で高速で動く部品の間に薄い膜を作り、摩擦を減らしてスムーズに動くようにします。その他にも、エンジンが作動することによって発生する熱を冷却する役割や、エンジン内部の汚れを洗浄する役割などがあります。
そんな重要な役割を果たすオイルですが、高温や汚れにより少しずつ劣化していきます。劣化して性能が低下したエンジンオイルをそのまま使っていると、摩擦をうまく減らすことができず、最悪の場合エンジンが焼きついてしまうことも。
このような事情があるため、エンジンオイルは定期的な交換が必要な消耗品であるということができます。
オイルメンテナンスの方法
エンジンオイルの交換はバイクの整備の中では難易度が低く、自分で作業をおこなう人も少なくありません。これから、具体的にエンジンオイルのメンテナンス方法を説明していきます。
エンジンオイル交換の頻度、手順
エンジンオイルの交換頻度はメーカーの取り扱い説明書で確認しましょう。一般的には、走行距離を目安にするならば3000キロ〜5000キロ、期間を目安にするならば半年から1年ほどとされています。しかし、排気量やエンジンの構造によってバイクごとに変わってくるので、取扱説明書を確認するのが理想です。
オイル交換をする際には、もちろん新しいオイルや使用する用具の調達をする必要があります。使用するオイルは、メーカー推奨のエンジンオイル粘度と量を確認してバイク用品店、ホームセンターなどで購入しましょう。エンジンオイルは500ml、1L、4Lなどキリのいい容量で販売されているので、必要な量より少し多めに確保しておくと安心です。
また、初回はオイル交換に必要な用具もエンジンオイルと一緒に購入する必要がありますが、大抵はエンジンオイルの近くで売られています。
用意する用具はオイルジョッキと廃油受けです。オイルジャッキはじょうろのような容器で、エンジンオイルをエンジンに注入する際に使用します。廃油受けは抜いた古いエンジンオイルを受けるための容器です。
最近では、燃えるゴミとして廃油を捨てることができる、段ボール製のオイル処理ボックスもありますので、個人で交換するときにはこれが便利です。それに加えて、ドレンボルトを取り外すための工具や手の汚れを防ぐゴム手袋なども用意しましょう。
それでは、実際にオイルを交換する手順を説明します。
オイル交換では、古いオイルを抜いたあとに新しいオイルを注入します。
まず古いオイルを抜く際には、エンジンを数分間アイドリングしてオイルを温め、オイルの流動性を高めます。
ドレンボルトを外す前に廃油受けを置き、ボルトを外して古いオイルを排出します。
古いオイルが完全に抜けたら、ドレンボルトを再装着します。
この時に、ドレンボルトのシールをしているワッシャーワッシャーも新品に交換すると理想的です。
次に、注入口から新しいオイルを注入します。オイルジョッキを使用し、半分を注入後にオイルレベルを確認しながら残りを追加します。
オイルフィルター交換の頻度、手順
エンジンオイル交換の際には、オイルフィルターも同時に交換しましょう。頻度は、オイル交換2回につき1回のフィルター交換が推奨されています。
オイルフィルターの交換は、専門的な作業が必要なので無理に個人でおこなう必要はありません。
もし個人でおこなう場合は、新品のフィルターとシール、フィルターレンチを用意し、新しいオイルを入れる前におこないます。古いオイルが漏れるので、周囲が汚れないようにタオル等で対策をしておきましょう。
プロに任せるべき場合（マンション等に住んでおり場所がないなど）の費用
エンジンオイル交換は個人でも慣れれば短時間でおこなえる簡単なメンテナンスですが、機械に不慣れな人やメンテナンスに適した場所が確保できない人も多いでしょう。
自ら作業をおこなうことが難しい場合はディーラー、バイク販売店、バイク用品店などに依頼する方法もあります。
エンジンオイル交換は、バイクの整備の中でももっとも基本的な整備の一つであり、バイクの整備を受け付けているお店ならほぼ確実にお願いできます。
事前に予約してあれば作業時間は1時間以内であり、費用も交換するオイルの費用+作業代で数千円程度、大型バイクでも1万円いかない場合がほとんどです。
同時にオイルフィルター交換もお願いする場合は、さらに数千円プラスとなります。
まとめ
この記事では、エンジンオイル交換の必要性から始まり、具体的な手順や交換頻度について説明しました。オイル交換を定期的におこなうことで、エンジンの寿命を延ばし、トラブルを防ぐことができます。ぜひ今回の内容を参考にして、定期的なオイル交換を実施してください。
