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調子が悪いときは要確認!エンジンの動作に重要な3つの要素とは?

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

バイクの動力源はいまだに内燃機関のエンジンが主流ですが、エンジンには動作に関する3つの要素があります。

今回はエンジンの基礎的な要素についてご紹介します。

目次

エンジンに重要な3つの要素とは

エンジンとはさまざまな機械類の動力源を指す言葉ですが、バイクや車においては内燃機関を指す用語となります。

内燃機関は特定の燃料をエンジン内部で燃焼させることで動力を発生させる機関であり、燃料の種類によってガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ガスタービンエンジンなどがあります。

バイクにおいては電動バイクを除くほとんどのバイクがガソリンエンジンを搭載しており、以前はディーゼルエンジンのバイクもありましたが現在はもう見かけません。

ガソリンエンジンはガソリンを燃料にエンジン内部で爆発を起こし、そのエネルギーをピストン、クランクシャフトに伝えることで回転動力を生み出しています。

回転動力はそのままバイクのトランスミッションを経由してチェーンなどでタイヤに繋がり、バイクを前進させる力を発生させているのです。

ガソリンエンジンが正常に動作するためには基本的に次の3つの要素があります。

  • 良い火花
  • 良い圧縮
  • 良い混合気

もしバイクの加速がいつもより遅く感じたり、燃料の消費が激しくなるなど問題が生じた際にはこれらの要素に不具合を抱えてる可能性があるので、それぞれ詳しく説明していきます。

良い火花(良い点火)とは

「良い火花」とはエンジン内部で点火を司っているスパークプラグに関する要素です。

ガソリンエンジンはガソリンと空気を混ぜた混合気を爆発させて動力を得るのですが、混合気は火花によって点火されます。

点火にはスパークプラグという電装部品による電気火花が使われており、バッテリーからの電力をイグニッションコイルで昇圧させ、それをスパークプラグの放電機構で電気火花に変換しています。

ガソリンエンジンの点火はピストンの上下位置と他の気筒との位置関係によってタイミングが決まっており、適切なタイミングで瞬時に点火しなければエンジンの性能を発揮できません。

そのためには点火タイミングをコントロールする電子制御装置や、放電によって消耗していくスパークプラグの状態が重要となってきます。

特にスパークプラグは定期的に交換が必要な部品であり、交換が遅れると火花が出にくくなったり点火不良につながるため、良い火花を発生させるためにはスパークプラグの状態が最も重要です。

良い圧縮とは

「良い圧縮」とはピストンによる圧縮を十分におこなえる状態で、エンジンのシリンダー内部に圧縮ガスをしっかり留めておける状態です。

ガソリンエンジンは空気とガソリンの混合気に点火して爆発させますが、その際空気を圧縮することでより高いエネルギーを生み出します。

エンジン内部には円筒形のシリンダーとその中を上下移動するピストンがありますが、ピストンでシリンダー内の空気を体積比で10分の1前後まで圧縮しています。

これを圧縮比と呼びますが、圧縮比はバイクによって8〜14と結構幅があるもので、バイクの性能や燃費、パワーなどの設計によって変化します。

ピストンでシリンダー内部の空気を圧縮すると高い圧力が発生しますが、空気がわずかでも抜けると圧縮の意味がないため、ピストン周辺にあるピストンリングや、シリンダー上部にあるバルブなどで密閉状態を作り出しています。

しかし経年劣化などによってピストンリングのシール性が悪化したり、バルブに堆積物が付着したりするとガス抜けが起こることがあり、またエンジンオイルの状態によっても圧縮が十分におこなえない状態になります。

そうなるとエンジンの出力やトルクが悪化したり、抜けたガスや水分によってエンジンオイルが劣化するなど悪影響が出てきますので、長い期間乗ったバイクのエンジンはメンテナンスによってシール性を取り戻すことで良い圧縮の状態にすることができます。

良い混合気とは

「良い混合気」とはエンジン内部で爆発させる燃料と空気の混ざった気体(ガス)のことで、特に燃料と空気の割合である空燃費を理論空燃費に合わせることを指します。

理論空燃費と呼ばれるこの割合は「空気:ガソリン=14.7:1」となっており、1のガソリンを完全燃焼させるために必要な空気量が14.7必要ということです。

最近のエンジンでは必ずしも14.7に設定されるわけではなくリーン燃焼やリッチ燃焼などで空燃費を調整してさまざまな性能を引き出すことがありますが、いずれにしてもガソリンエンジンは燃料と空気の割合をしっかりコントロールする機構が必要です。

昔のバイクではキャブレターという機械式の気化器によって燃料の割合をコントロールしていましたが、細かな調整が難しいこともあり排気ガス規制に対応できなくなりました。

そこで現在は燃料の噴射量と空気量を電子制御で細かくコントロールする方式が主流になっており、インジェクションと呼ばれる電子制御式の燃料噴射機構をコンピューターで調整しています。

インジェクション式は現在大型のバイクだけでなく原付など小型のバイクまで幅広く普及しており、良い混合気を生み出すために走行状態に合わせてバイク自身が細かくコントロールすることで最良の状態を保っています。

以前のキャブレター方式では調整が少しでも狂うとバイクの走行状態が悪化したものですが、インジェクション方式ではほとんどそういった問題はなく、不具合がでるとしたら経年劣化で燃料噴射機構が故障するなどが主な原因になります。

まとめ

バイクのエンジンはガソリンエンジンが主流となっていますが、ガソリンエンジンには正常なエンジン動作を左右する3つの要素があります。

いずれの要素もエンジンの設計段階で最良の状態になるよう設計されていますが、バイクが経年劣化していたり整備不良による問題を抱えているときにはこの3要素が崩れてバイクに何かしら不具合が出ますので、一度点検してみると良いでしょう。

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