ヘルメットホルダーというものがある。外出先でヘルメットをバイクに固定しておくものだ。
純正では採用されていないバイクもあるが、ほとんどの車種は社外品で見つけることができる。
大抵の場合は、車体の左後ろ側のパッセンジャーシート下に装着するものなのだが問題が二つある。
1:駐輪場などでは邪魔になる
バイク駐輪場は少ない。あってもスペースが狭いので大型バイクを駐輪する際には気をつかう。
バイク横のヘルメットホルダーにヘルメットを装着していると更に気を使うことになるのだ。
2:雨の日には濡れてしまう
シート下ラゲッジスペースやリアボックスと異なり、ヘルメットホルダーに装着していると雨天時は濡れてしまう。
グショグショのヘルメットを被るのは気分の悪いものである。
グリーンファンディングで見つけた新しいヘルメットホルダー
クラウドファンディングサイトのグリーンファンディングにて200人以上の支援を集め、目標額の10万円をはるかに超える300万円以上を集めている製品がある。
バイク用ヘルメットロック+スマホホルダー HPロックという製品だ。
バイクのハンドル部分に装着することで走行中はスマホホルダー、停車中はヘルメットホルダーとして使うことができるのだという。
ヘルメットをハンドルにロックするというのは新しい考え方である。先方に問い合わせると借りることができたので、使ったみたいと思う。
HPロック
ヘルメットロック本体とハンドルクランプはどちらもアルミを採用。
かなりゴツイが比重の軽いアルミなので見ためよりは軽い。仕上げは言及されていないが恐らくアルマイトだ。
耐食性に優れたアルミと、傷に強いアルマイトの組み合わせなので、ハンドルにつけっぱなしになるパーツとしては理想的といえる。
対応するハンドル系は20φから30φとのこと。付属のスペーサーで調整する形だ。
一般的な国産バイクが22.2φ、ハーレーや一部の国産車に採用される25.4φは問題なく使えそうだ。
たまたま試乗インプレッション用に借りていたCB1000Rのファットバーは28φ程度だった。
ハーレーの一部車種などに採用される1.25インチ(31.75φ)以外には装着できそうだ。
スマートフォンに装着するためのスマホホルダーは二枚。貼り付けのための両面テープは安心安全な3Mだ。
ハンドルへのクランプにはねじ2本、本体とクランプの取り付けにねじ1本を使用する。使用工具は六角レンチの3㎜、4㎜のみなので、もしも持っていなければ近くの100円ショップに駆け込もう。
ヘルメットを傷つけないためのパッドも二枚付属されている。
防水・防塵用のヘルメットカバーも付属されている。雨の日に内装がグチョグチョになるのを防ぐことができるのはありがたい。
取り付けしてみる
まずはハンドルにクランプしてみる。CB1000Rは28φぐらいだったのでスペーサーを入れなければならないが、取り付け中に何度かスペーサーを落としてしまった。注意していただきたい。
次に本体を取り付けする。ねじ一本で固定するだけなので簡単だ。だがここで問題が発生する
ハンドルを切ったときに車体にぶつかってしまうのである・・・苦心した挙句。
180度逆に取り付けて、ハンドルに対して垂直でなく、多少角度をつけて装着してみた。
結果、ハンドルを切っても干渉しなくなった。「借りてみたけどバイクにつかなかった・・・」という最悪のシナリオは回避することができた
ヘルメットを装着してみる
一般的なヘルメットロックは狭いところに配置されており、D環に固定して使うものだが、意外と手間がかかったりする。
だがHP LOCKは手間になることもなく、スマートに装着することができた。ヘルメットメーカー中の人に「ヘルメットをミラーにかけると痛むので絶対にダメ!」と言われてからは自重しているが、この方法なら問題なさそうだ。
ロックとヘルメットがあたる部分には、付属のクッションパッドを装着しておけば万全だろう。
非推奨だけど、こんな方法も・・・
HP LOCKはフルフェイスヘルメットで使うことを前提にしており、ジェットヘルメットなどは対象になっていない。
だが試しにD環で固定してみたところ、あっさり装着することができた。海外ではD環がないヘルメットが多いというからフルフェイス以外は対象外というが、この方法ならあらゆるヘルメットの固定が可能だろう。
携帯電話もつけてみる
携帯電話にスマホホルダーを装着してみる。両面テープで固定なのでパーツクリーナーで脱脂する。
スマホホルダーを貼り付けして装着してみた。溝に合わせて下にスライドさせると「カチ」と節度のある音が鳴り固定できる。
取り外しするときは上にスライドさせる形になる。念のため走行してみたが振動などで外れる心配はなさそうだ。
スマホホルダーの両面テープが剝がれないか心配という方もいると思うが、張ったばかりの状態でも剝がすのは容易ではなく、結局スクレーパーを使って対応した。
両面テープは数時間おかなければ完全な力を発揮しないが、貼り付けたばかりで強力に接着するのだから粘着力の心配はなさそうだ。
今後にさらに期待したい商品
HPロックはクラウドファンディングでの目標額を達成している。
該当商品は海外メーカー製品なので、クラウドファンディングでの成功をきっかけに更にひろがっていくはずだ。
最近日本で販売されているバイクはファットバー、しかもフラットな形状が多い。今回のように取り付け位置を工夫しないと干渉してしまうこともありえるだろう。
日本国内市場向けにアップデートやバリエーションモデルの展開に期待したいところだ。