プリマロフトという素材をご存じだろうか?
素材はどんどん進化を続けるが、保温性という面ではいまだにダウンが重宝されている。
だがダウンは湿気や水分に弱く、濡れるとカサが減って保温力が大幅に低下してしまう。
軍隊のようにあらゆる環境に適応しなければならない状況では、決して使い勝手の良い素材ではないわけだ。
そこでアメリカ国軍の要請を受けて開発されたのがプリマロフトだ。
プリマロフトはダウンのメリットである保温性や柔軟性に加えて、撥水性を兼ね備えた素材で登場したのは1983年。
現在ではプリマロフトの中でもゴールド・シルバー・ブラックにランク付けされている。
一番性能に優れるゴールドを採用し、プリマロフト製品紹介サイトなどではノースフェイスやパタゴニア、マムートなどのアウトドアメーカーと一緒に紹介されるバイク用品メーカーがある。
1982年、横浜に誕生したラフアンドロード社である。今回は多岐にわたるラフアンドロードのプリマロフト製品を厳選して紹介したいと思う。
RR7693 WSプリマロフト ポーラージャケットFP
年越し宗谷部隊の着用率高し!冬のフラッグシップモデルがこれ!
お正月に話題になる、日本最北端の宗谷岬をバイクで訪れる人々。
マイナス20度という過酷な環境下で、バイクを走らせて宗谷岬を目指すのは狂気といっても過言ではない。
そんなライダーが頼りにしているのがWSプリマロフト ポーラージャケットFPだ。
同商品は、プリマロフトを中綿に採用し、裏地にはチタンコーティングを施することで、効率的に保温性をアップしたミドルレイヤーと、防風防水性に優れたアウターがセットになっている。
アウターはギミックが盛りだくさんだが、脱着可能なファー付きフードとネックウォーマー、袖口のベルクロ、ストームガードなどが寒風の侵入をシャットアウトする。
まさに冬場のガチ勢向け製品といえるが、ポケットの多さやリフレクター、コインホルダー対応ポケット、ペットボルトホルダーなど使い勝手や安全性にも配慮されている。
防寒性はそりゃもう間違いない。雪の中でも走るのでなければ、冬場でもベースレイヤーの上にこいつを着用すれば寒いと感じることはないだろう。
RR7699 プリマロフト ウインターアーバンフーディ
街に溶け込むカジュアルさが魅力!
WSプリマロフト ポーラージャケットFP はガチ勢すぎる!と感じる方にお勧めなのが プリマロフトウインターアーバンフーディである。
こちらはデザインがグッと街着寄りでシンプルになる。
WSプリマロフト ポーラージャケットFPがミドルレイヤー付きで気温によって調整しやすいのが魅力なら、こちらは一枚さっと羽織って出かけられる手軽さが良い。
残念ながら防水性は備えてはいないが、防風・透湿性に優れ、ベンチレーション付きなので衣服内の温度調整もしやすく、見ためもナイロンのようなヘリボーン生地で柔らかく動きやすい。
肩・肘のプロテクターがなければ一般的なアパレルメーカーの製品と言われてもわからないぐらいカジュアルだ。
ツーリング先で、よく歩きまわる人には町に溶け込むデザインなのでお勧めしたい。
こちらもプリマロフトがタップリと入っているので暖かい。気温12ぐらいの撮影時には少し動いただけで汗ばむぐらいだった。
RR7992 WGプリマロフト チタンインナージャケット
3シーズンジャケットが極寒使用に!サイズの豊富さも魅力
ラフアンドロードは中高年に優しいブランドだ。
この記事を読んでいるあなたの年齢はわからないが、中高年になると若いころと同じ生活をしていても、信じられないぐらいに太る。信じられないぐらいにだ!
筆者も1kg太るのは簡単なのに、1kg落とすには断酒、一食抜き、ランニングを課して1週間はかかる。地獄である。
ラフアンドロード製品のサイズで、ジャケットにはB、パンツにはWの表記が入るものがある。これはルーズフィットということだ。お腹に浮き輪のようについた脂肪に対応してくれるサイズなのである。
この製品はWSプリマロフト ポーラージャケットFPに付属されるミドルレイヤーと同じだが、サイズが9展開と豊富なのが一番の魅力だ。
中綿に体温を保温させるためにベースレイヤーの上に着るのが理想なので、可能な限りぴったり目のサイズにしたい。そうすれば重ね着が楽になるのだ。
手持ちの3シーズン用ジャケットを極寒用にするためには、中にこいつを一枚着ればOK。冬用をあえて買い足す必要がなくなるので経済的だ。
R7723LF プリマロフト ウインターパンツLF
shortサイズ設定があるのがうれしい!
ラフアンドロードは筆者のような短足の人にやさしい。
サッカー部だったから・・・という言い訳は見苦しいが、パンツはテーパードかジョガーを購入している。それ以外は必ず裾上げが必要になるからだ。
裾下げを店員にお願いするのは面倒だ。だがラフロならデフォルトでshortサイズが存在する。短足にとっては神のようなブランドである。
またこちらのパンツはすべてサイズにW表記が入っている。前述したルーズフィットなのである。一枚で着用することもできるが、パンツの上から重ね着することもできた。オーバーパンツとしても使える。
ストレッチ性はないが、立体裁断が採用されておりオーバーパンツとして使っても動きにくさはなかった。
前のファスナーは用を足すためのものではなく、履きやすくするためのものだ。雨の日にも使える防水性を備えたパンツなのでファスナー裏にはタテが入っており雨の侵入を防ぐ設計を採用している。
防風性にも優れ、プリマロフトたっぷりの防寒性に優れたパンツだが透湿性も備えているので蒸れにくく、対応している温度帯が広いのがありがたい。
RR8656 プリマロフト プロテクトウインターグローブ
プリマロフト+裏ボアで無双の暖かさ
甲側に風を通さないウインドガード生地、さらに防水・透湿性に優れたフィルムを入れ、中綿にプリマロフト、裏地には手触りが良い裏起毛、手首部分には暖かいボア、そして手のひらには摩耗性に優れた牛革を採用した手の込んだ逸品。
ナックルガードは甲側に直接縫い付けるのでなくフローティングさせることで操作性に配慮しており、最近需要が増しているスマホタッチ機能も備えている。バイク用グローブとしては文句の付け所がない。
筆者はアクションカムの操作をすることから冬場でも可能な限りレザーグローブを使用しているが、1時間もたてば指先が冷たくなる。
真冬にある程度長い時間バイクを運転するなら、中綿入りグローブが必須になるが、操作性を犠牲にしたくないならラフアンドロードのグローブはお勧めだ。
中綿入りなのでアクションカムのボタンを押すには適していないが、バイクの操作性は申し分ない。
サイズ展開の広いラフアンドロードにしては「S」サイズがないのが残念だ。筆者のような手の小さいライダー向けにSサイズの追加を希望したい!
動画でも紹介しています
ミリタリースペックで真冬に備えよう
とにかく防寒性に優れたプリマロフト。もし町でプリマロフトを採用した製品を見かけたら、グレードに注目していただきたい。
今回紹介した製品は決して安くはないのだが、ゴールドのプリマロフトを採用した製品としては破格となっている。
保温性はミリタリースペックなので申し分ないのだが、1982年からライダーの要望に応え続けてきたラフアンドロード製品はオートバイでの使用に特化している。
さらにすべての製品は透湿性を備えているので、快適な温度帯が広く使い勝手が良い。冬場もアクティブにツーリングに出かけたいユーザーは今から用意しておいても損はないだろう。