Motorimodaという会社がある。モーターアパレルの輸入、販売、卸を行う業態ながら銀座に実店舗も構える。
銀座の店舗はインスタグラムなどにオシャレなライダーが投稿しているのを見かけることも少なくない。
Motorimodaは沢山のブランドを扱っているが、近年比較的力を入れているように見えるブランドに「Fuel Bespoke Motorcycles」がある。
バルセロナ(スペイン)に拠点を置くブランドでカフェレーサーやスクランブラーなどのカスタムバイクの製作も行っており世界的な評価も得ている。
そんなFuel Bespoke Motorcyclesが作るライディングギアには一つのコンセプトが設けられている。
「Leave the Main Road = メインロードを離れる」である。
このコンセプト通り日本のバイク用品メーカーは絶対に作らないであろうメッシュジャケットを Fuel Bespoke Motorcycles がリリースしたので紹介したい。
ARIZONA JACKET
アリゾナジャケットは乾燥した灼熱のアリゾナ砂漠からデザインインスピレーションを受けている。
カラーバリエーションはタンとブラックがラインナップされているが個人的には前者の方が砂漠感を感じるように思う。
アリゾナジャケットが独自性が強いと感じる点は以下の3点だ。
一点ずつ紹介していこう。
デザイン
デザインの特徴は2点。アームホールが広めでショート丈な点だ。
最近のメッシュジャケットは比較的丈が長い印象が強い。ARIZONA JACKETは真逆のスタイルなのである。
またアームホールがかなり広めだ。日本人に比べて海外の方は体格に恵まれているイメージが強いが肩回りの動きが妨げられない。
サイズ感的にもゆったりしており、今回Sサイズをお借りしたが一般的なジャケットのM相当でないかと思う。
素材
表地はスウェードレザー50%、ポリエステル50%となっている。
ポリエステルはメッシュジャケットに採用される代表的素材だがレザーが50%も使われている点は見逃せない。
レザーは引き裂き強度に優れているためスレに強い。そのためレーシングスーツもレザーが採用されている。
だがレザーは風を通さないのでメッシュジャケットに採用されることはない。あっても飾りで多少使われる程度なのでARIZONA JACKETに50%も使われている点には驚かされた。
ジャンルでいえば表地のすべてをメッシュにしないハーフメッシュジャケットという事になる。だがハーフメッシュジャケットのメッシュ以外の部分には風を通すナイロンを使うことが一般的だ。
他メーカー製品ではなかなかお目にかかる事がない製品であるといえよう。
防御力
ポリエステルは決して摩擦に強い素材ではない。
それをメッシュ状に編んでいるのでメッシュジャケットの防御力は夏場の快適性とトレードで決して高くはないのだ。
加えてメッシュジャケットに採用されるプロテクターは通気性が良いソフトタイプが一般的。
だがARIZONAジャケットは前述したようにレザーを50%採用することで肩やひじなど転倒時に痛めやすい個所を保護している。
またプロテクターもソフトとハードの中間で弾力性のある素材が採用されている。
肩やひじ部分にはレザーが採用されていて風が抜けないので、同部分のプロテクターには通気の穴すらない。
ARIZONA JACKETは快適性と防御力をバランスする稀有なジャケットといえるだろう。
実際に着用してみた
実際に着用してみると一般的なメッシュジャケットに比べてズッシリ重い。
素材にレザーを採用していたり、プロテクターの重さもあるのではないかと思う。
丈は短めだが全体的なサイズ感はゆったりとしているので春秋はインナーで調整することで長く使えそうだ。
普段Sサイズを愛用しており、ARIZONA JACKETもSサイズをお借りしたがゆとりがあるので、普段Mサイズをお使いの方はSサイズを選んでも良いかもしれない。
50%もレザーを使っていたら真夏は熱いのではないかと思ったが、正直にいえば思っていたほどではなかった。腕も胴体部分も走行中にはしっかりと風が抜けるのだ。
質感高く見ため、防御力、快適性をバランスしたジャケットがほしいならおススメ
筆者は二着のメッシュジャケットを愛用していて大変気に入っているが「質感」という点においてはARIZONA JACKETは突出しているように思う。見ためからして高級感があるのだ。
レザーを使っているので多少メンテナンスの煩わしさはあるが、質感、見ため、防御力、快適性が高次元で両立されているジャケットなので、
という方には文句なしにおススメの一着である。