ヤマハ発動機株式会社は、今シーズンの全日本ロードレース選手権JSB1000で自身初のチャンピオンを獲得した岡本裕生選手が、2025年シーズンからスーパースポーツ世界選手権に、新型スーパースポーツ「YZF-R9」を使用しフル参戦することを決定した。
岡本裕生選手の所属チームは、「Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team」となり、チームメイトは今シーズン同選手権でランキング2位を獲得したステファノ・マンジ選手である。岡本裕生選手は、「僕と同じくデビューとなるR9と共に新天地でライバルたちと戦うのが楽しみです」と語っている。2025年も岡本裕生選手の活躍に注目だ。
全日本ロードレース選手権JSB1000チャンピオンの岡本裕生選手 2025年からスーパースポーツ世界選手権に「YZF-R9」で挑戦
ヤマハ発動機株式会社は、今シーズンの全日本ロードレース選手権JSB1000で自身初のチャンピオンを獲得した岡本裕生選手が、2025年シーズンからスーパースポーツ世界選手権(以下WorldSSP)に、新型スーパースポーツ「YZF-R9」を使用しフル参戦することを決定しました。所属チームは「Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team」で、チームメイトは今シーズン同選手権でランキング2位を獲得したステファノ・マンジ選手です。
欧州のグループ会社である「Yamaha Motor Europe N.V. (以下YMENV)」がすでに発表していますが、岡本選手は、これまでレースベース車であった「YZF-R6」に続く新世代スーパースポーツとして、当社とYMENVのテストチームが協力しWorldSSP用に開発してきた「YZF-R9」でデビューします。
岡本選手にとってこの新しいチャレンジは、世界レベルで戦う日本人トップライダーとなるための前向きなステップとなり、その成績によってはさらなるステップアップの可能性もあります。また、マンジ選手らとレースを通じて「YZF-R9」のポテンシャルを世界中のモータースポーツファン、ヤマハファンに伝えるミッションも担っています。
そして11月上旬、岡本選手はYMENVのRoad Racing Sporting Managerに就任したニッコロ・カネパ氏らとテストに参加するために渡欧。2025年2月21-23日(暫定)、オーストラリアはフィリップアイランドでの開幕戦に向けて準備を進めます。
岡本選手は1999年生まれの25歳。2016年、16歳で全日本選手権・J-GP2にデビューするも、シーズン中の怪我でランキングは26位にとどまりました。しかし翌年からST600 への参戦を開始しルーキーイヤーでランキング 3位。その後、2018年、2020年には同クラスでチャンピオンを獲得しました。
2021年からはST1000 にステップアップし、最終戦で初優勝を遂げるなどの活躍でランキング5位としシーズンを終えました。
2022年から「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の一員としてJSB1000にステップアップし、1年目から表彰台の常連となりランキング3位。2023年は第3戦でチームメイトの中須賀選手を抑えて初優勝を遂げるなどランキング2位となりました。
そして2024年は中須賀選手とチャンピオン争いを展開し、シーズン終盤の3連勝で一気にトップに追いつくと、最終戦で逆転し自身初となるチャンピオンを獲得しました。
岡本裕生選手
「今年、全日本選手権の最高峰JSB1000でのチャンピオン獲得という一つの目標を達成しました。そして次の目標であった世界選手権への挑戦がついに実現します。僕が参戦するのはスーパースポーツ世界選手権ですが、僕自身、WorldSSPを最終の目的地とは思っていません。YAMAHA FCTORY RACING TEAMの皆さん、中須賀選手、吉川監督から“ここからがスタート、頑張れよ!”と送り出されたとおり、ここで世界の厳しさを味わい乗り越えて、次のステージへと進んでいきたいと考えています。
また来年はYZF-R9での参戦となります。僕と同じくデビューとなるR9と共に新天地でライバルたちと戦うのが楽しみです。
最後に、今回のチャンスをくれたヤマハ発動機、ここまでサポートしてくれた家族、スポンサーやファン、すべての方に心から感謝します。そしてこれからも引き続き応援をよろしくお願いします。力の限り頑張ってきます!」
小野哲(ヤマハ発動機 MS戦略部 部長)
「世界の舞台を目指すには様々なルートが存在しています。その中で当社は製品構成などを考慮し独自の考えの中で、欧州やアジアなどのグループ会社と協力しスーパーバイク世界選手権に併催するYamaha R3 bLU cRU FIM World Cupへ、選抜した若手ライダーを派遣する育成の仕組みを作りました。日本でも2023年から全日本に併催のJP250でスカラシップ制度を設け、同レースに日本人ライダーを派遣しています。
そして岡本選手のWorldSSP参戦もこうした育成活動の一環ですが、全日本チャンピオンであり即戦力と位置付け成長と結果を追求し、世界で通用するライダーとなって、日本をはじめ世界の若手ライダーにとってのロールモデルになってもらいたいと考えています。だからこそ、岡本選手が次のステージに進めるよう、当社は全力でサポートを続けていきます。
またYZF-R9は当社にとって今後のレースシーンや市場において重要なモデルです。岡本選手にはレーシングキットパーツの開発などにつながる貴重なデータを提供してもらうなど、技術開発やブランディングへの貢献も期待しています」
リリース提供元:ヤマハ発動機株式会社