本田技研工業株式会社は、2024年モータースポーツ活動計画について発表した。
2023年のFIMロードレース世界選手権 MotoGPクラスでは、第3戦アメリカズGPで優勝したものの、シーズン全体としては大変悔しい結果となった。2024年はルカ・マリー二選手がRepsol Honda Team(レプソル・ホンダ・チーム)に、ヨハン・ザルコ選手がCASTROL Honda LCR(カストロール・ホンダ・エルシーアール)に加入し、マシンの戦闘力向上と合わせてMotoGPのタイトル奪還を目指すとしている。
また、FIAフォーミュラ・ワン世界選手権においては、Oracle Red Bull Racing(オラクル・レッドブル・レーシング)およびScuderia AlphaTauri(スクーデリア・アルファタウリ)に対し、チームパートナーとして技術支援やマーケティング協力を実施。そのパートナーシップのもと、Oracle Red Bull Racingは22戦中21勝という圧倒的な強さで、コンストラクターズ・ドライバーズの両タイトルを獲得した。国内レースでは、SUPER GTシリーズGT500クラスで、CIVIC TYPE Rをベースとした「CIVIC TYPE R-GT(シビック タイプアール ジーティー)」の新投入と才能あふれる若手ドライバーの起用により2020年以来となるタイトルの奪還を目指す。
2024年Hondaモータースポーツ活動計画
Hondaの2024年モータースポーツ活動計画についてお知らせします。
二輪モータースポーツ活動
2023年のFIM※1ロードレース世界選手権 MotoGPクラスでは、第3戦アメリカズGPで優勝したものの、シーズン全体としては大変悔しい結果となりました。2024年はルカ・マリー二選手がRepsol Honda Team(レプソル・ホンダ・チーム)に、ヨハン・ザルコ選手がCASTROL Honda LCR(カストロール・ホンダ・エルシーアール)に加入します。マシンの戦闘力向上と合わせて、MotoGPのタイトル奪還を目指します。
FIMトライアル世界選手権シリーズのTrialGPクラスではトニー・ボウ選手が、チャンピオンを獲得し、合わせて、Xトライアル世界選手権の両シリーズで各17連覇(合計34連覇)を達成しました。2024年も自身の前人未到の記録更新に挑戦します。
Hondaは、2040年代に全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目指し、ICE(内燃機関)の進化にも継続的に取り組みながら、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化に取り組んでいます。モータースポーツでも、カーボンニュートラル燃料の導入が始まっており、2023年に導入されたMFJ※2全日本ロードレース選手権(JRR)JSB1000クラスに続き、2024年もMotoGPやFIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)での導入に対応していきます。昨年はCR ELECTRIC PROTOで全日本モトクロス選手権(JMX)にスポット参戦しましたが、引き続き新たな電動二輪車カテゴリーの参戦も検討中です。
※1FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
※2MFJとは、Motorcycle Federation of Japan(一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会)の略称
四輪モータースポーツ活動
2023年、FIA※3フォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)において、HondaはOracle Red Bull Racing(オラクル・レッドブル・レーシング)およびScuderia AlphaTauri(スクーデリア・アルファタウリ)に対し、チームパートナーとして技術支援やマーケティング協力を実施。技術支援として、株式会社ホンダ・レーシング(以下、HRC)がパワーユニット(以下、PU)のESS※4以外のコンポーネントを製造し、Red Bull Powertrains(レッドブル・パワートレインズ)※5への供給とシーズンを通したPU運用のサポートを行いました。そのパートナーシップのもと、Oracle Red Bull Racingは22戦中21勝という圧倒的な強さで、コンストラクターズ・ドライバーズの両タイトルを獲得。HondaのF1活動にとって60周年※6となる2024年もHondaは両チームと同様のパートナーシップを継続し、さらなる高みを目指します。また、F1参戦4年目を迎える角田裕毅(つのだゆうき)選手の活動も引き続き支援していきます。
国内レースでは、SUPER GTシリーズ※7 GT500クラスで、CIVIC TYPE Rをベースとした「CIVIC TYPE R-GT(シビック タイプアール ジーティー)」の新投入と才能あふれる若手ドライバーの起用により2020年以来となるタイトルの奪還を目指します。
また、昨年FIAフォーミュラ・ツー選手権(F2)で好成績を収めたHondaの育成ドライバー岩佐歩夢(いわさあゆむ)選手が、F1を視野に入れたステップアップとして全日本スーパーフォーミュラ選手権(以下、SF)へ参戦します。Hondaはこれを支援するとともに、日本のSFを、F1をはじめとする世界トップクラスのフォーミュラレースへ通じるカテゴリーと位置付け、SUPER GTシリーズと同様に積極的な若手ドライバーの起用と盛り上げを図っていきます。
北米においては、Hondaのレース活動を担ってきたHonda Performance Development(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)が、2024年1月よりHonda Racing Corporation USA(ホンダ・レーシング・コーポレーション・ユーエスエー、以下、HRC-US)に社名を変更し、Hondaの四輪モータースポーツにおける開発力をグローバルで向上させることを目指した組織体制となりました。2024年は、インディカー・シリーズに参戦する5チームに、HRC-USを通じてエンジンを供給します。また、IMSA※8ウェザーテック・スポーツカー選手権にはHRC-USが供給するAcura(アキュラ)ブランドのマシン「ARX-06」2台がHRCロゴを新たにまとい参戦します。今後は日本のHRCとHRC-USが連携し、グローバルでHondaのレース活動をさらに盛り上げていきます。
※3FIA とは、Fédération Internationale de l’Automobile(国際自動車連盟)の略
※4Energy Storage Systemの略。回生された電気エネルギーを保管するためのバッテリーシステム
※5Red Bull Group(レッドブル・グループ)内でF1向けPUを製造する会社。現行PUに関してESSの製造と運用を担う
※6Honda F1初参戦の1964年8月に行われたドイツグランプリから数えて60周年
※7統括・運営:株式会社GTアソシエイション
※8IMSAとは、International Motor Sports Association(国際モータースポーツ協会)の略称
参戦体制概要
2024年1月19日発表時点
<以下、敬称略>
《二輪参戦体制概要》
《世界選手権》
FIMロードレース世界選手権(MotoGP)
<MotoGP>
FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)
<WSBK>
<WSSP>
FIM世界耐久選手権(EWC)
FIMモトクロス世界選手権(MXGP)
<MXGP>
<MX2>
FIMトライアル世界選手権シリーズ(TrialGP)
FIM世界ラリーレイド選手権(ダカールラリー2024)
《日本》
MFJ全日本ロードレース選手権(JRR)
<JSB1000>
<ST1000>
<ST600>
MFJ全日本モトクロス選手権(JMX)
<IA1>
<IA2>
<レディース(LMX)>
MFJ全日本トライアル選手権(JTR)
<IAスーパー(IAS)>
<レディース(LTR)>
《アジア》
FIMアジアロードレース選手権(ARRC)
<ASB1000クラス>
《北米》
AMAスーパークロス選手権
<450SX>
<250SX>
AMAプロモトクロス選手権
<450MX>
<250MX>
《四輪参戦体制概要》
《日本》
全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)
SUPER GT<GT500クラス>
SUPER GT<GT300クラス>
スーパー耐久シリーズ<ST-Qクラス>
《北米》
インディカー・シリーズ
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権
《二輪ライダー・四輪ドライバー育成》
「モータースポーツで世界に通用する選手を育成する」ことを目的として、1992年に二輪の「鈴鹿サーキット・レーシングスクール ジュニア」を設立。1993年に「鈴鹿サーキット・レーシングスクール カート(SRS-Kart)」、1995年には「鈴鹿サーキット・レーシングスクール フォーミュラ(SRS-Formula)」を開校し、二輪・四輪ともに世界のトップカテゴリーで活躍できるライダー・ドライバーの育成に取り組んできました。その結果、これまでに数多くの卒業生が国内外の二輪・四輪それぞれのカテゴリーで活躍しています。また、2022年より名称を「ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)」に変更し、トップライダー、トップドライバーを講師に迎えて運営しています。
トップカテゴリーを目指した選手育成システムとして、二輪においては、2024年も引き続きMotoGPのMoto2・Moto3クラスに参戦するHonda Team Asia(ホンダ・チーム・アジア)の活動を継続するとともに、若手育成のプログラムとしてIDEMITSU Asia Talent Cup(イデミツ・アジア・タレント・カップ)を活用し、世界で活躍できるライダーのさらなる発掘・育成に取り組みます。
四輪においては、ドライバー育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」を展開し、欧州のジュニアフォーミュラカテゴリーや日本のFIA-F4、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権などへの挑戦の場を提供し、選手の成長とステップアップのための環境を整えています。
FIMロードレース世界選手権(MotoGP)
<Moto2>
<Moto3>
フランス F4選手権
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)
FIA-F4選手権(日本)
モータースポーツ普及活動
Hondaは、モータースポーツの普及にも積極的に取り組んでいます。モータースポーツ初心者でも気軽に楽しめるイベントを開催するなど、幅広い層の皆様にモータースポーツの魅力を伝えることを目的としたさまざまな活動を行っています。
<株式会社ホンダ・レーシング(HRC)ワンメイクレースシリーズ>
HRCによるワンメイクレースは、モータースポーツを楽しむカテゴリーと将来のMotoGPライダー育成を目的としたカテゴリーに分かれ、日本全国約30か所のサーキットで開催されています。
市販車両を使用した「HRC GROM Cup」、「CBR250R Dream Cup」、「CBR250RR Dream Cup」に加え、HRCの市販レーサーを使用したミニバイククラスの「NSF100 HRCトロフィー」や、将来のMotoGPライダーを育成するための「HRC NSF250R Challenge」も開催しています。
これらのHRCワンメイクレースシリーズは、全国各地のサーキットで開催され、一定の条件を満たした参加者を対象に全国大会の実施や、育成クラスへのステップアップ支援制度など、参加者がレースを楽しんだり、夢を実現したりするプログラムです。
<Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2024>
Hondaは、創造力と自由な発想、そして技術を結集した手作りのマシンを使って、1Lのガソリンで何km走行できるかを競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」を1981年から開催し、初回大会以来のべ約1万5千チーム以上が参加しています。2024年も国内3か所での地区大会と、全国大会を予定しています。
Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2024 国内開催スケジュール
リリース提供元:本田技研工業株式会社