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思わず拝みたくなる美しき女王様! サンライト クインモーペット

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

現在、日本のバイクメーカーは、カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハの4つだけですが、1950年代には23ものメーカーがありました。三輝工業もその中の一つです。時代を駆け足で駈け抜けた「サンライト クインモーペット」を深掘りします。

目次

二つの会社がクインモーペットに関わる

本題に入る前に製造を担当した「板垣株式会社(群馬県伊勢崎市)」と、販売を担当した三輝工業(東京・神田)の関係から説明します。

1939年に伊勢崎航空機工業が創業。中島飛行機(富士重工の前身)の航空部品の製造を開始しました。終戦後は商号を板垣に変更し、民需転換として自転車発電用ランプの製造を開始。1948年にランプメーカーの三輝工業を販社として傘下に収め、1956年にオートバイ事業に参入しました。つまり本来クインモーペットは板垣の製品ですが、話がややこしくなるので「三輝工業のバイク」と呼ぶことにします。

人気漫画雑誌創刊と同時期に発売

「サンライト クインモーペット」は、1959(昭和34)年に兄弟車の「キングモーペット」とともに発売されました。関係ないですがアイドルグループのキング&プリンスは「キンプリ」、なみだの操と夫婦鏡をミリオンヒットさせた殿さまキングスは「殿キン」と呼ばれています。

当時の「サンライト クインモーペット」の販売価格は10万8千円。この年に漫画雑誌「週刊少年マガジン(当時40円)」や「週刊少年サンデー(当時30円)」が創刊されました。前年にはホンダから「スーパーカブ」の第1号車が発売。日本のバイクの歴史が歩み始めた時代と言えるでしょう。

気になるスペック

モーペット(モペット)とは、自転車とバイクの中間に位置する小型二輪車のこと。最近注目されている電動モビリティの先祖ですね。クインモーペットはスクーターとビジネスバイクの中間的デザインで、ハンドル下にステップを兼ねた風防があります。

フロントフォークやリアサスペンションにはボトムリンク式を採用。旧式のスーパーカブを彷彿とさせますね。当時はこれが完成系だったのでしょう。情報が少ないため乗り心地などは分かりませんが、どう見ても良くはなさそうです。

島根県出雲市平田町 2471-1 ベストオート

車体寸法は全長1,900mm・全幅650mm・軸距1,280mm・車重98kg。ホンダのPCXが全長・1,935mm、全幅740mm、軸距1,315mm、車重133kgなので、最近のモデルと比べて少し小ぶりです。メーターはスピードメーターとオドメーターのみ。たぶん100㎞/hも出ないでしょうね。

そして消滅した…

たくさんのバイクメーカーが誕生しては消えていったように、三輝工業(板垣)も同じ道をたどります。1960年1月に放漫経営により、販売店から1億円の不渡りを出しました。富士重工のテコ入れにより再建が図られましたが、その後の二輪業界の不況が引き金となり、1964年2月に臨時株主総会が開かれて会社は解散しました。

現存するクインモーペットの数は少なく、実働車ともなれば出会えることさえ稀です。もし見かけたら、日本バイク創成期のメカニズムを、その目に焼き付けてください。

今回は北海道・北竜町のアンティークショップ「スマイル北竜本店」にご協力いただきました。レアすぎる旧車がいっぱい!今後も順を追って紹介します。

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