バイクは天候に左右される乗り物です。ツーリング中突然の豪雨に襲われ、「せめて雨風を防げる場所があったら…」と思ったことはありませんか。ライダーハウスは、そんな状況を見かねた親切な人たちが開設してくれました。ライダーハウスの原点とも呼べる「岩見沢市・ライダーハウス日の出」を紹介します。
鉄道の街として発展した岩見沢市
岩見沢市は空知エリアの南部、石狩平野の東部に位置する街です。かつては「鉄道の要所」として知られ、岩見沢駅のヤードには、三笠や万字炭山から採掘された石炭を満載した貨物車が溢れていました。今は農業を主体とするほか、札幌圏のベッドタウンとして位置づけられています。
ライダーハウスの原点ここにあり
「ライダーハウス日の出」は国道12号沿いにあります。諸事情によりオープンした年は不明ですが、かつては銭湯「松乃湯(2023年廃業)」とセットで「お風呂に入れるライダーハウス」をウリにしていました。現在は宿泊のみの提供となっています。
利用する際は電話で予約の上、敷地内の駄菓子屋「まつぼっくり」で手続きを行います。受付時間は13時から18時までなので注意してください。
部屋はエアコンなしのAタイプ(1,500円)と、エアコン付きのBタイプ(2,100円)の二種類から選べます。定員はいずれも3名ほど。テレビや冷蔵庫を完備しており、自由に使うことができます。
松乃湯が廃業したため、現在入浴の設備はありません。トイレも壊れているので、コンビニなど買い物に行ったついでに済ませる必要があります。ここはライダーハウスの原点。多少の不便さも楽しんでください。
ライダーハウス日の出
住所:岩見沢市日の出町24
電話:0126-42-8826
受付時間:13:00~18:00
岩見沢の日常に溶け込む
岩見沢には、目だった観光スポットもご当地グルメもありません。岩見沢駅内にある観光協会で情報を知ろうとしても、日・祝は休みと言うありさま。地元ライターが「立ち寄りスポット」を紹介します。
食う
「岩見沢に来たら、これを食っとけ」という名物料理は存在しませんが、「かまだ屋」は誰もが認める岩見沢のソウルフード。市内に数店舗を展開し、リーズナブルな価格で、うどんやそば、ラーメンを提供しています。
「かけそば」と「ライスとカレー」を注文しました。これで480円。物価が上昇している現代において、この安さはありがたい。「ライスとカレー」は、茶碗のライスにカレーがかかったミニ―カレーライスです。もともとは別メニューで提供していましたが、お客さんの要望を受けてセットメニューにしたそうです。
麺はすべて自家製。同じレシピで作っていても店舗によって味が異なるため「ラーメンは〇〇店、そばは△△店が好み」など、メニューによって使い分けているファンもいるようです。
かまだ屋 大和店
住所:岩見沢市大和1条7丁目3-32
電話:0126-24-2342
営業時間:9:30~16:00
定休日:水曜日
見る
ライダーの中には、鉄道好きも多いのではないでしょうか。市内栗沢町上幌では、北海道初の電車「711系」が保存されています。1968年に営業運転を開始。ボディカラーから「赤電」と呼ばれ、札幌圏の輸送に貢献しました。2015年3月13日に運用終了後、有志によって維持、管理されています。愛車と一緒に記念写真はいかがですか?
株式会社道下産地内(現在は休業中)
住所:岩見沢市栗沢町上幌2203
浸かる
ライダーハウスに併設していた「松乃湯」が廃業したため、お風呂は他を探すしかありません。一番近いのはバイクで約5分の場所にある「五月湯」です。岩見沢には多数の銭湯がありましたが、軒並み廃業したため、市内で現存する唯一の銭湯です(スーパー銭湯を除く)。内部は写真撮影できないのでイメージしてみてください。
高齢の女性が番台に鎮座し、その後ろにシャンプーや石鹸などが並びます。靴箱の鍵は木製、板張りの床に旧式のマッサージ機が置かれています。浴槽は大小2つあり、大浴場は熱め、小浴場はぬるめでジャスミンの香りがします。お客さんのほとんどが地元の高齢者。年金や介護の話が飛び交っていました。
五月湯
住所:岩見沢市2条東3丁目
電話:0126-22-3740
営業時間:13:00~20:00
定休日:月・水曜日
アドベンチャートラベルを楽しもう!
近年、その土地の日常を体験する「アドベンチャートラベル」が注目されています。岩見沢で昔ながらのライダーハウスに泊まり、地元で人気のお店で食事をし、銭湯に浸かる。ちょっと変わった旅の一日を過ごしてみませんか。
※料金やサービス内容などは取材当時です。