「バイクに乗る人って、どうしてあんなに行き当たりばったりなの?」と思ったことはないだろうか? 車と違って、バイクは軽快なフットワークを持っているが、バイク乗りは、なぜ計画を立てずに行動することが多いのだろうか?この記事ではその理由を考察してみようと思う。
バイク乗りの自由な精神
誰にも縛られたくないと・・・の精神
バイクに乗る理由を定めず、計画を立てずに「自由な気持ち」で出かけることが楽しいと感じるライダーは多いはず。目的を定めない道のりに、なんとなくの寄り道、出会う人々との触れ合い。すべてが計画では予測できない魔訶不思議アドベンチャーである。誰にも縛られたくない……いや、ある意味、自分でも制御できてない。バイク乗りは、この自由さを追い求め、体験することによって、日常の束縛からの解放を実感しているのだ。行き当たりばったりは、バイク乗りにとってのご褒美と言えるのだ。
「無計画」という「計画」
予定外の出来事や新しい発見はワクワクするもの。予定ルートから外れて、偶然見つけたカフェで美味しいコーヒーを味わったり、地元の人と触れ合ったりと、計画通りに進まないからこそ偶然は生まれる。しかし、バイク乗りに言わせてみれば、こういった予想外の出来事や出会いも、全て「計画のうち」なのだ。実はバイク乗りは、「無計画」だからこそ出会う出来事を「計画的に」起こしているのだ。そのツーリングを更に素晴らしいものにするために、バイク乗りは本能的に無計画なツーリングを好む傾向があるのだ。他人からみると「無計画な行動」は、バイク乗りからすると、むしろ「計画的な行動」なのである。
自己探求の旅
バイクで走りぬける時、風や自然の中で感じる孤独や自由が、自分自身を深く見つめるきっかけになる、というバイク乗りも多いのではないだろうか。バイク乗りがバイクに乗るとき、その思考は日常から解放され、仏教用語で言うところの「解脱(げだつ)」した状態に近くなるのだ。日常の様々な出来事から解放されて、本来の自分に戻る事ができる時間、その時間が自分自身の新たな発見につながっているのである。つまり、バイク乗りはバイクに乗るとき、「修行」をしているのと同じ効果を得ており、その精神状態は限りなく「無」に近づいている。それが他人からみると「行き当たりばったり」に見えてしまうのだ。
行き当たりばったりのツーリングでも注意したい点
決断力と柔軟性
天候の変化や道路状況、気分の変化など、バイク走行中は様々な状況に遭遇するものだ。行き当たりばったりということは、その都度、状況に合わせて判断し、臨機応変に対応する能力が求められるが、ライダーは常に変化を受け入れ、時には決断し、時には柔軟に対応することで、より旅を楽しいものにすることを心がけよう。
環境や周囲への配慮
安全のための交通ルール順守、走行中の排気音、迷惑運転になっていないかどうかなど、行き当たりばったりが好きとはいっても、このような社会生活に必要なルールは必ず守るようにしよう。長くライダー人生を送るためにも環境や周囲への配慮は必要なのである。間違っても「盗んだバイク」で走り出さないようにしよう。
仲間との連携
バイク仲間と共に走る場合はコミュニケーションが不可欠で、常に仲間と連携を取り合うもの。走行ルートを相談したり、休憩場所を決める際にも、お互いの意見を尊重し協力しあおう。全員が行き当たりばったりでは、そもそも仲間とのツーリングは成立しないのだ。
バイクツーリングの魅力
風を感じる体験
車では味わえない風を感じながらの移動がバイクの大きな魅力だ。風を切る爽快感、自然の香り、音、そしてスピード感。これらの感覚はライダーの五感を刺激し、忘れかけていた感覚を呼び覚まし、非日常を体験させてくれるだろう。
景色を楽しむ
車窓から眺める景色とは違い、バイクならよりダイレクトに自然を感じることができる。山・海・平地といったロケーション、同じ道でも季節によって変わる景色を楽しみ、心地よい時間を過ごすことができるのは、バイクツーリングならではの魅力だ。
季節や気温の変化が思い出になる
四季折々の気候の変化や、天候の変化も、ライダーにとっては冒険の一部であり、旅をより記憶に残るものにしてくれる。ときには夏の強い日差しや、冬の凍てつく寒さ、突然の豪雨などが、バイク乗りを苦しめることもある。その瞬間は「二度とバイクには乗るまい」と思うこともあるだろう。しかし、そういった出来事も、後に良い思い出となり、ツーリングの素晴らしさをいっそう実感できるのだ。
まとめ
バイク乗りがスケジュールを無視して行動するのには、彼らの自由な精神と特有の行動特性が大きく影響している。ライダーにとって計画に縛られない自由な旅が心からの楽しみとなる。風を感じながら、景色を眺め、自分自身と向き合い、新たな発見をする。それがバイク乗りの求める「行き当たりばったり」=「自由」な旅なのだ。