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【考察】ツーリング仲間に一人は「雨ライダー(雨男・女)」がいるのはなぜ?

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

冗談交じりではあるものの、みなさまのバイクツーリング仲間のうちに「雨ライダー(雨男・女)」と呼ばれている仲間がひとりはいないだろうか?

ツーリングでは天気が大きな影響を及ぼし、特に雨が降るとライディングが困難になったり、服や装備が濡れたりと苦労が増える。ゆえに、バイク乗りにとって最も不名誉な称号、それが「雨ライダー」という称号だ。そんな不名誉な称号を与えられてしまうバイク乗りが一定数いるのだ。

では、どうして「雨ライダー」がツーリング仲間の中に一人は必ずと言って良いほど存在するのか。そんな現象を考察してみよう。

目次

「雨ライダー」とは

「雨ライダー(雨男・女)」の存在を科学的な根拠で説明するのは難しい。しかし、実際には「雨ライダー」は存在している。小難しい話はおいておいて、そのような称号を得ている人が存在するということが何よりの証明と言えそうだ。

なぜ「雨ライダー」と言われるかは、その彼らのエピソードに所以する。雨にまつわる奇跡を起こした結果、仲間から「雨ライダー」という称号を与えられる。そんな彼らの能力をいくつか確認しておこう。

局地的に雨を降らせる

本物の「雨ライダー」は局地的に雨を降らせる。ツーリング中に、雨のエリアと雨でないエリアの境界線を見たことはないだろうか?別名「ゲリラ豪雨」とも言われる雨だ。

そうなのである、「雨ライダー」は雨の境界線がはっきりとわかるくらいの局地的な雨を降らせることが出来るのである。雨雲は時速40~50KMの速度で動いているが、一般道を走る「雨ライダー」にまるで合わせた速度かのようなスピードで並走することにより、「目の前は晴れ」だが永遠に雨という奇跡を発現させる。また、あるときは、「反対車線は晴」という奇跡をも起こすのが「雨ライダー」の御業だ。

雲が一つもないのに雨を降らせる

いわゆる「狐の嫁入り」という現象だ。このような現象が「雨ライダー」がいるときに限って発生してしまうのも、「雨ライダー」が「雨ライダー」たる所以だろう。雲が一つもないということは、天気予報としては「晴」であったはずだ。

にも拘わらず、雨が降るはずのないシチュエーションでも雨を降らすのが、「雨ライダー」の能力とも言える。彼らが雨を降らす際には、「雨雲」すら必要ないのだ(実際には、どこかには雨雲があったはずだが見つけられないのだ)。

台風の発生時期と進路をコントロールする

沖縄の南東海上のあたりで発生した台風が、そのまま北上を続けて北に抜けていくと思いきや、「雨ライダー」がツーリングの参加を表明したとたんに、ありえない角度で東へと進路を変更して、日本列島に直撃するという現象も「雨ライダー」が持っている能力の一つだ。しかも、ちょうどツーリングの日程に被るようなスピードで台風の速度すらもコントロールできるというおまけつきだ。

また、「観測史上2度しか発生していない時期」に台風を発生させたりするという奇跡も、「雨ライダー」の能力と言える。彼らに統計的な常識は通用しないのだ(実際には温暖化の影響などにより、時期外れの台風が増えているだけだし、変則的な台風の進路も偏西風などの影響だと考えられる)。

本当に「雨ライダー」は存在するのか?(心理学的なアプローチ)

「雨ライダー」という現象を心理学的な角度からアプローチするとして、確証バイアス原因帰属の両方によって強化される様子を考えると、次のようなプロセスで説明できるだろう。

1. 原因帰属によって「雨の原因」を特定の人物に求める

ツーリング中に雨が降ると、「〇〇さんがいるから雨が降った」というように、天気の変化を「雨ライダー」とされる人物のせいにし、原因をその人に帰属させる。これにより、単なる天候の偶然が、あたかも「雨ライダー」がいることが原因であるかのように認識され始めるようになる。

2. 確証バイアスによって「雨ライダー」である証拠を集める

一度「〇〇さんは雨ライダーだ」という信念が形成されると、確証バイアスが働き、仲間は雨が降るたびに「やっぱりあの人がいると雨になる」とその出来事を強く記憶し、確認しようとする。逆にその人がいて晴れた場合は、あまり印象に残らず忘れてしまいがちになる。

3. 確証バイアスと原因帰属の相乗効果で「雨ライダーキャラ」が定着

雨が降るたびに「雨ライダー」が原因であると原因帰属し、それが「雨ライダー」だと確信する確証バイアスで補強されるため、その人物の「雨ライダーキャラ」がグループ内で固定化される。すると、次のツーリングでもその人物が「雨ライダー」だと期待され、「また雨が降るかもね」という先入観が生まれ、さらにバイアスが強化されることになる。

4. 雨が降らなくても「雨ライダー」がいることで不安を感じさせる

雨が降らない日でも、「雨ライダーがいるから午後は降るかもしれない」などの心配が出るため、その人の存在がツーリング全体の雰囲気に影響する。これも確証バイアスによる思い込みが原因となり、何度も繰り返されることで「雨ライダー」のイメージがますます強くなっていく。

5. 雨の中の体験をポジティブにとらえやすくなる(再帰的強化)

雨ライダーの存在をネタとして楽しむことで、雨の体験がツーリング仲間の思い出となり、ポジティブな帰属が加わることもある。「雨が降るけど楽しいから雨ライダーがいても良い」といった想いも生まれ、さらにそのキャラクターが強化される結果になる。

このように、原因帰属によって「雨の原因」が特定の人に結びつけられ、それを信じた仲間たちが確証バイアスで「やっぱり雨ライダーだ」と証拠を集め続けることで、「雨ライダー」が仲間内に定着していくのだ。この両方の心理が働くことで、「雨ライダー」のキャラクターはますます強固になり、ツーリングの一部として語り継がれる存在になっていくことになる。

本当に「雨ライダー」は存在するのか?(数学的なアプローチ)

「雨ライダー」という現象を、数学的な角度からアプローチする場合、周期関数、および行動パターンのスペクトルを使って説明すると、ライダーの参加状況と降雨のパターンに対して、次の視点で考えることができる。

1. 雨のパターンを周期関数で捉える

天気(降雨)は、特定の気候周期(例えば季節や天候変化の周期)によってある程度の規則性を持つ。ここで、天気を時間に対する周期関数として捉えると、一定の周期で雨が発生するものとして表現できる。

2. ライダーの行動パターンも周期関数で捉える

雨ライダーがツーリングに参加するタイミングも、ある程度の「周期的なパターン」を持つと仮定する。例えば「毎月第2土曜日にツーリングがある」「そのライダーが自由になる特定の季節の週末」など、ライダーの行動も定期的なものとしてモデル化できる。

3. 雨と行動パターンの重なり:スペクトル分析

雨の周期パターンとライダーの参加パターンが重なるタイミングが増えると、雨が「雨ライダーのせいで起きている」という印象が強まる。この重なりの頻度を「行動パターンのスペクトル」として分析できる。

例えば、ライダーが参加する周期と雨の周期が合致しやすい場合、それぞれの周期成分が合成され、あたかも「雨ライダーが参加すると雨が降る」という強調された現象として現れる。これは、信号処理における共振のようなもので、二つの周期が一致すると特定の現象が強調されることと似ている。

4. 雨ライダーの「スペクトル強度」

雨ライダーが参加する日と雨が降る日が一致する回数をスペクトルの強度(周波数の強さ)として考え、この重なりが多いほど「雨ライダー」の存在が強調される。つまり、行動パターンと天候周期が特定の「周波数(周期)」で一致しているため、雨の中でツーリングを行う確率が高まり、その結果「雨ライダー」として認識されるわけだ。

5. 数学的な見方からの「雨ライダー」像

このように、周期関数を使って行動と雨のパターンを分解・分析すると、ライダーの行動が特定の周期に対してどの程度「共振」しているかが明らかになる。行動パターンと天候周期が一致することで、「雨ライダー」の行動が雨天の原因であるかのように見える現象が説明できるだろう。

要するに、「雨ライダー」とは、ライダーの参加パターンと雨の発生周期がうまく共鳴している現象であり、周期的な重なりがスペクトル上で強調されることで、雨ライダーとしての印象が強まっているのである。

結論:雨ライダーに科学的根拠はない

上記のとおり、心理的メカニズムにより、雨が特定の人のせいで起こるように感じられるが、実際には何の根拠もなく、単に記憶や認識の偏りによって生まれた錯覚であると言える。

数学的に見ても、雨ライダーが実際に「雨を呼ぶ」ことはありえない。どんなに「雨の確率が高い人」として見えても、偶然の偏り(降雨と行動の周期の一致)であり、統計的な視点でとらえると、時間が経つにつれてバラつきが平均に戻っていくとも考えられる。

心理学的には、確証バイアスや原因帰属によって「雨ライダー」がいると感じるのは人間の自然な錯覚である。一方、数学的には、降雨はランダムに起こるものであり、特定の人物が「雨を呼ぶ」というのは、偶然の範囲内で説明できるに過ぎない。

また、とある「雨男・女」と呼ばれた経験があるか?という調査では、3人に1人は「呼ばれたことがある」と答えたそうだ。日本の雨が降りやすい地域特性を考えた場合、この数字も大げさではないだろう。

つまり、ツーリング仲間が3人以上のグループであった場合、心理学的な錯覚や、数学的な偶然の一致により、誰か1人は「雨ライダー」という不名誉な称号が与えられてしまうと言えそうだ。しかし、そこには科学的根拠はない(科学的根拠を説明するのは難しい)と結論付けられる。

「雨ライダー」対策として

お払いに行ってお守りを買ってみよう

「雨ライダー」と呼ばれる仲間と一緒に、一度お払いに行って、厄を祓い、晴天を祈るお守りを購入することを検討しよう。お守りは気持ちをリフレッシュさせ、新たなツーリングに向けた心の準備としても効果的だ。ツーリングのたびに青空に恵まれるよう、ぜひお守りの力を信じてみよう。きっと気持ちも晴れやかになり、次の旅がより楽しみになるはずだ。

氷川神社は、東京都杉並区の高円寺にある気象にまつわる神社で、日本で唯一の「気象に関する神社」として知られている。天候にまつわるご利益がある神社として知られているため、「雨ライダー」が晴天を祈りに訪れるにはぴったりの場所と言えるだろう。

渇水している地域にツーリングに行く

雨ライダーが渇水の地域にツーリングへ出かけるのは、まさに地域の恵みのようなものだ。「雨ライダー」として雨を呼び込む力を冗談半分に語られる彼らが、その土地に訪れることで、待ち望まれた雨が降るかもしれない。

地域の人々にとっても、雨ライダーが来てくれたら「もしかして雨が?」という期待感が生まれ、渇水の状況に希望が湧くはず。自然と人が交わる瞬間の一助として、雨ライダーが地域を潤す存在になることを願ってやみまない。ちなみに、日本で渇水が問題になるエリアは四国エリアと沖縄エリアだ。ツーリングコースとしても気持ちよいので、是非、検討してほしい。

まとめ|雨ライダーは科学的根拠はないが存在はしている(と思う)

「雨ライダー」は科学的な根拠こそないものの、多くのツーリング仲間内に存在している。天候が偶然雨になる日が重なり、特定のライダーが参加するたびに雨に見舞われると、『彼は雨ライダーだ』というイメージが仲間内に定着しやすくなる。これは確証バイアスや原因帰属といった心理的な要素が影響しており、その人物が実際に雨を呼ぶわけではない。

しかし、ツーリング仲間の間では半ば冗談交じりに『雨ライダー』として認識され、ツーリングの楽しみや会話の一部として受け入れられている。科学的には偶然の産物に過ぎないが、ライダーたちの中で確かに存在するキャラクターなのだ。

とはいえ、特に日本という国は雨が多く、それを考えるなら、ほとんどのバイク乗りは「雨ライダー」と呼ばれる可能性があるし、ツーリング中に雨に降られるのは当然なのだ。バイク乗りとしては雨が降る前提で考えて、雨対策をしっかりとした上で、ツーリングを楽しもう!

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