教習中に教習生とディスカッション形式で「バイクの楽しみ」を考えた場合、よく挙がる答えとして「風を切って走る」や「仲間とのツーリング」が多いのではないでしょうか。
さらに掘り下げて考えると「加速感」「(エンジンの)鼓動感」「達成感」という感覚的な表現が残っていきます。
今回はこの場を借りて、バイクの楽しみとは何かを、ライダーに寄り添ってくれる新型XSR900を題材にして考えようと思います。
安全ビジョン「人機官能×人機安全」
ヤマハ発動機は、安全ビジョン「人機官能×人機安全」を2022年11月11日に新た定めたことがニュースで発表されました。
「人機官能」とは「人」と「機械」を高い次元で一体化させることとしており、「人機安全」は「人」と「機械」が、相乗作用で高度な安全を実現するというだそうです。
「人機官能」
https://global.yamaha-motor.com/jp/design_technology/technology/jin-ki-kanno/
「人機官能×人機安全」 ニュースリリース情報
https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2022/1111/corporate.html
「安全」というキーワードの上にバイクに乗る楽しみがある・・・ということでしょうか。
1.安全性が高い?「IMU」とは?
慣性計測装置(inertial measurement unit、略称:IMU)とは、「車体運動を高速演算して、ライディングのアシストをする」装置のこと。「5軸センサー」とか「6軸センサー」を搭載して……、という言葉は新型モデルの紹介記事でも目にしたことがあるのではないでしょうか?
簡単に言ってしまえば、バイクの走行中の動きを正確に把握する技術。
このバイクの姿勢を正しく把握することで、トラクションやパワー、ブレーキなどの制御をより緻密にできるわけです。
「バイク史は新時代に突入した」と言ってもいい電子制御システムということでしょう。
とにかくライダーの運転操作結果をカバー又はヘルプしてくれる一種の「おまもり」は精神的にも、物質的にも心強いでのす。
2.ライダーの「安全運転」を誘う、エンジン音と吸排気音
XSR900のトルクフルかつ独特のサウンドはライダーの心地を満足させてくれます。しかも、低回転と高回転で全然音質が異なるのです。
高回転のサウンドは当然いい音なのですが、注目したいのは低回転における吸排気の「和音」。
漢字一時で例えるなら「癒」といったところでしょう。
心地の良い「低速音」を聴きながら走っていると、いつの間にか制限速度以下で走っていたことには驚きでした。スロットルを緩めたくなる音、そのこだわりが安全を誘うとは恐るべし!
3.長距離ツーリングをより気軽に。「クルーズコントロール」の恩恵
結論から言うと、人は疲れるとミスをします。
四輪車とは異なり、身体を露出しているライダーは常に「風圧」にさらされ、極論を言うと外からの力に耐え忍んで運転しているのです。巡航速度も上がる高速道路やバイパスであれば、より風圧も強くなり、また緊張感や単調な操作ということから疲労がたまりやすくなります。
スロットル開度を適度に維持し続けるにも、多少なりとも腕に力が入るもの。個人的には苦行でしかありません。
XSRに搭載されたクルーズコントロール機能は大いに役立っています。
日本各地のジオグラフィやグルメなどを楽しむためには「移動中に極力疲れない」ことも重要やもすると「邪道」なんていわれるかもしれませんが、あらゆる対策を講じてうえで、交通事故にあわないことがツーリングの「達成条件」ではないでしょうか。
安全運転の動機付け
どんなに訓練を積んでも操作ミスは必ず発生してしまいます。
特にバイクが絡む悲惨な事故のニュースをみると「転倒する乗り物を運転することは正しいのか・・・」と自問することもあります。しかしながらバイクに乗ることで、日々生かされている以上、バイクに乗ることを肯定的に考えることにしています。
XSR900の購入のきめ手となったのは、スペックやデザイン以上に「安全性」の高さ。
楽しいバイクライフは「安全」が土台となっているのではないでしょうか。
まとめ
職業柄、わたしは常に「安全」をテーマに与えられた職責を果たしているのですが、XSR900を所有し「どっぷり」運転して、現時点で分かったことを書き留めておきます。
純粋な「バイクバカ」「安全運転バカ」というだけかもしれませんが。事故のないバイクライフを送るための数ある考えの一つとしていただければ幸いです。