エンジンのシリンダーがV字型に配置されるV型エンジン。
シリンダーの配置方法でエンジンで発生する振動を効率的に抑えることが可能だ。
スズキのV型エンジンにはクルーザー向けのものと、ロードスポーツ向けのものがある。
それぞれの歴史を紐解いていこう。
クルーザーモデル『イントルーダー』
最初に登場したV型エンジンはクルーザーで、1985年に登場した『イントルーダーVS750GL』(北米モデルのVS700GLもあった)。
日本国内では普通二輪免許で乗ることのできるイントルーダー400は1994年に登場している。
息が長い4ストV型エンジンのスポーツモデル
V型エンジンのロードスポーツモデルは、ロードレースGPマシン、RGV-Гの技術をフィードバックした2ストロークマシンの『RGV250Γ』が1988年に登場。
4ストロークのロードスポーツ向けV型エンジンは1997年の『TL1000S』が最初。
1990年代後半といえば、Vツインエンジンを搭載したスポーツモデルがにわかに活気づいていたころだ。
要因はさまざまあるが、1993年にケルンショーで登場したDUCATIのモンスターが人気を博していたこと。
スーパーバイクのレースレギュレーションが2気筒エンジンにとって有利に働くことから、DUCATIはレースで常勝していた。打倒DUCATIを掲げホンダ、スズキが同時期にVツインエンジンのスポーツモデルを開発、発売したことなどが挙げられる。
現在のSV650に繋がるミドルクラスのV型エンジン搭載モデルは、1998年に『SV400/S』、翌年1999年に『SV650/S』が登場している。
洗練されたデザインとカラーリングの2023年モデル。低回転域での鼓動感や、中回転域での力強い立ち上がり、高回転域までのスムーズな出力特性などを特長とするVツインエンジンをスリムで軽量な車体に搭載している。
ヘッドランプカウルやセパレートハンドル、タックロールシートといったスポーツカスタムの要素を取り入れ、個性的でレトロな印象のカフェレーサースタイルのSV650X。写真は2023年の最新モデルだ。
人気のアドベンチャーマシンの一つ、『Vストローム1050』は1997年登場の『TL1000S』のエンジンがベース。
『Vストローム650』は『SV650/S』がベースだ。
スズキのV型エンジンを搭載した『SV650/S』『Vストローム1050』『Vストローム650』はそのどれもが、高い性能と走りの良さから欧州で人気のマシンとなっている。