バイクのアフターパーツで「ステダン」なんてよく聞くけど、どんな役割をするんだろう?などと思ったことがある人も多いでしょう。
本記事では、ステアリングダンパー(通称ステダン)の役割や仕組み、メリット・デメリット、さらに「シミー現象」との関係についてくわしく解説していきます。
ステアリングダンパーとは
まずバイクのステアリングダンパーとは、バイクのハンドル挙動で不自然な動きをコントロールし、バイクの走行安定性をアップさせるパーツのことです。
ここでいう不自然な動きの代表例が「シミー現象」と呼ばれる、走行時にハンドルが左右に揺れる現象です。
シミ―現象はタイヤ・サスペンション・ホイールなどバランスの不具合などが原因で主に時速100キロ以下で走行している時に発生します。
シミ―現象が起きるとハンドルが高速の振り子のように左右にガクガクとブレ始め、ライダーもパニックに陥り、重大事故を引き起こす原因となります。
ステアリングダンパーはこのようなシミ―現象に対して大変有効なパーツとして考えられています。
シミ―現象を含めたバイク走行時に起こるハプニングに対して慌てないためにもステアリングダンパーで対策するとよいでしょう。
ステアリングダンパー装着のメリット、デメリット
ステアリングダンパー装着で防ぐことができること・実現できることに対して、ステアリングダンパーを装着しているために非装着時と比べて明らかに鈍くなるハンドルの動きなどが出ることは事実です。
ここからは、メリット・デメリットに分けて具体的に見ていきましょう。
メリット
ステアリングダンパー装着のメリットは、高速走行性能の安定・悪路やギャップの走破性向上・高速コーナリングの安定性・シミ―現象対策・キックバック抑制などです。
高速走行時はコーナリングも含めて石ころや空き缶などの落下物をタイヤでとらえてしまうと、ハンドルに情報が伝わり振動が起きます。
また高速走行時は風の影響も受けやすいので、ステアリングダンパーがあればハンドルの振動を最小限に食い止めることができ、長距離運転時の疲労を軽減することが可能です。
さらにステアリングダンパーを装着したバイクでの高速走行時は、タイヤの摩耗が減少できます。
ステアリングダンパーを装着したバイクの摩耗低減率は、フロントタイヤ14%・リアタイヤ10%の摩耗低減されると言われています。
キックバックとはコーナリングを抜ける際に加速するとフロント荷重が落ち、ハンドルが揺れることを言います。
キックバックが起きる仕組みとしては、タイヤの接地点のバランスが崩れることでバイクが修正しようとして、キックバックが起きてハンドルが激しく揺れます。
デメリット
ステアリングダンパー装着のデメリットとしては、ハンドル操作が重くなります。
特に低速走行時・取り回し時はハンドルの切れ味が軽やかでないです。
ステアリングダンパーを装着するとハンドルが重くなる理由としては、ダンパーが物理的にハンドルの動きを抑制するためです。
大型スーパースポーツバイク用のステアリングダンパーは10万円を超えるパーツもあり工賃も含めコストがかかる点がデメリットでしょう。
またバイクにはセルフステアリングと呼ばれるカーブを曲がるときに自然とハンドルも切れる効果がありますが、ステアリングダンパー装着バイクの場合は油圧の抵抗で動きが鈍くなります。
ステアリングダンパー装着で注意すること
ステアリングダンパー装着時はステアリング(ハンドル)を左右フルに動かしてみてバイクのタンクに当たらないポジションで装着が必要です。
もしステアリングダンパーの装着が適正でないと、転倒時などでステアリングダンパーのシャフトが曲がりステアリングダンパーが作動不能となり、走行することができなくなる可能性も生じます。
自分でカスタムなどが得意でない人は、ステアリングダンパー装着を信頼のおけるバイクショップでおこなうのが良いでしょう。
まとめ
バイクのステアリングダンパーは、ハンドルの振動・ブレをおさえることが可能で、操作性を向上させる重要なパーツです。
特に高速走行時・荒れた路面ではステアリングダンパーの恩恵を受けることができるでしょう。
ただし、重量増加・ハンドル操作感の重みなどのデメリットもあるので、ライディングスタイルに合ったチョイスをすると良いでしょう。
必要に応じてステアリングダンパーを装着し、シミ―現象などの不測の事態に備えて安全なライディングを手に入れましょう。