バイクを安全に楽しむために欠かせないアイテムといえば、ヘルメットです。バイクはライダーの体がむき出しになるため、安全装備が非常に重要ですが、その中でもヘルメットは最も大切な保護具と言えます。ただ、ヘルメットにはさまざまな種類があるため、どれを選べばいいか迷うこともありますよね。
今回はバイク用ヘルメットの種類などについて解説します。
バイク用ヘルメットの種類
バイクの運転中には必ずヘルメットを装着する必要があります。これは道路交通法で定められたライダーの義務です。バイクの走行中にはライダーの頭や体が露出した状態となっており、転倒事故や交通事故の際にはライダーが大きなケガを受ける可能性があります。特に、頭の保護は重要で、ヘルメットの有り無しによって死亡事故の割合が2倍から3倍にも上ると言われています。
バイク用のヘルメットには形状やデザインに様々な種類があり、種類によって安全性や装着感も違うためヘルメットの選定は重要です。バイク用ヘルメットのタイプとしては大まかに4種類あり、それぞれの特徴を解説します。
フルフェイスヘルメット(&システムヘルメット)
フルフェイスヘルメットは頭部全体を覆うことのできる大型のヘルメットで、安全性の高いヘルメットです。フルフェイスヘルメットは樹脂や衝撃吸収材で作られたヘルメット素材が頭部全体と顔の前面を保護しており、目の周囲には視界を確保するために透明のバイザーが装着されます。バイザーは上下に可動するため、任意に覆ったり開いたりでき、視界の確保や通気性の確保などに利用できます。
一方で、フルフェイスヘルメットは頭部全体を覆うため装着には時間がかかり、頭部にしめつけ感や閉塞感を感じる場合もあるため苦手とする人もいます。また、フルフェイスヘルメットの派生の仕様としてシステムヘルメットという種類があり、こちらは目元のバイザーと顎周りのチンガードが一緒に上下に可動するヘルメットです。
フルフェイスヘルメットは内側に熱がこもるため、不快感を感じることがありますが、システムヘルメットならば必要に応じてチンガードを上げることで高い開放感を得られます。ただし、システムヘルメットは開閉機構によってフルフェイスヘルメットより重たいというデメリットがあり、長時間着用していると首などへの負担が増えます。
フルフェイスヘルメットやシステムヘルメットは何より頭部の保護性能を最優先する人向けのヘルメットです。
ジェットヘルメット
ジェットヘルメットは大型のバイザーを装着したヘルメットで、高い視認性を確保できるタイプです。ジェットヘルメットは頭部全体は樹脂や衝撃吸収材で保護されますが顔の前面は大きく開いており、顔面の保護はバイザーのみで行います。
バイザーは顔全体を覆っており、必要に応じて上下に可動できますので開いておけば開放感と視認性を大きく向上できます。
ジェットヘルメットはフルフェイスヘルメットに比べると顔部分の保護性能が少なくなっていますが、その代わり装着時の窮屈さや熱のこもり具合が少なく、バランスのよいヘルメットです。
ハーフヘルメット
ハーフヘルメットは頭部の上半分を主に覆うヘルメットで、バイク用ヘルメットとしては簡易的なタイプです。ハーフヘルメットは簡単に着脱が可能で装着時の開放感も高いのですが、一方で、頭部の保護性能は控えめであり頭部側面や顔面の保護性能がありません。基本的にバイザーも装着されていないので走行風の影響を受けやすく、別途眼鏡やゴーグルなどで保護するライダーもいます。
ただ、ハーフヘルメットはフルフェイスヘルメットなどより圧倒的に軽いというメリットがあり、長時間かぶっていても首が疲れにくいという特徴があります。バイクに初めて乗る人や軽量なヘルメットの方が負担が少ないと感じる人向けのヘルメットです。
オフロードヘルメット
オフロードヘルメットはオフロード系のバイク用ヘルメットで、頭部全体を保護できる点と顔の上側に日差しや泥を防ぐ固定式バイザーが付いているのが特徴です。目元部分にはバイザーは装着されておらず、ゴーグルの装着が前提のヘルメットとなりますが、広く視界を確保できる開口部がありますので視認性が高いヘルメットです。
フルフェイスヘルメット同様頭部の保護性能が高く、激しいオフロード走行にも耐えられる頑丈さもあります。
125ccを超えるバイクでハーフヘルメットを被っていたら違反になる?
バイク用ヘルメットの中で最も簡易的なハーフヘルメットは「大型のバイクで装着していると違反になる」と言われる場合がありますが、実際には違反ではありません。
ハーフヘルメットを小型バイク向けと定めているのはJIS(日本工業規格)やPSC(消費生活用製品安全法)などの基準によるものであり、大型バイクに乗った状態でハーフヘルメットを装着していても道路交通法などの罰則にはひっかかりません。
ですがハーフヘルメットは他のヘルメットと比べると頭部の保護性能が低めであり、原付バイクや125ccまでの小型バイクなど速度が控えめなバイク向けであることは確かです。また125ccを超えるバイクは高速道路での走行も可能となるため、頭部と顔面をしっかり保護できるフルフェイスヘルメットやジェットヘルメットを着用することが適切です。
まとめ
バイクのヘルメットはライダーの頭部保護のために重要な装備であり、保護性能や装着性、視認性などによっていくつかの種類があります。ヘルメットはバイクの運転時には常に装着するものであるため、安全性と快適性を考慮して決めるとよいでしょう。