一年の中で最も寒さが厳しいとされている24節気の大寒。今年は1月20日がそれに当たる。昔は成人式が1月15日だったこともあって大寒の時期とほぼ重なり、成人式で雪に降られたという経験を持つかたもいるのではないだろうか。最近は地球温暖化の影響から、冬の最低気温も高くなってきており雪に見舞われることは少なくなった。
とはいえ、身一つで囲いなどないバイクに乗るライダーにとって冬の寒さは流石に身体に堪えるというもの。
昨今の高性能なウエアで身を包んでも、寒いものは寒い……。
そこで防寒対策として効果的なハンドル周りの防風&防寒アイテムを紹介しよう!
体感温度とは?
気温が低いことに加え、走行してる時にライダーに容赦なく当たる〝風〟がさらに寒さを助長させる。
体感気温という言葉をよく耳にするが、これは皮膚の水分が蒸発したり、風で熱が奪われたりすることで生ずる「人間の肌が感じる温度」のこと。
この体感温度は、湿度に着目したミスナールの式と風速に着目したリンケの式で具体的な体感温度を求めることができる。
今回はライダーの体温を奪う〝風〟に着目しているので、リンケの式で体感温度を計算してみよう。
リンケの式
L=tー4×√V
※気温(℃)をt、風速(m/s)をvとする
大まかには風速が1m/s増すごとに体感温度は約1℃ずつ低くなる。具体的に気温5℃で時速60kmで走っている時の体感温度を計算すると-11.3℃!
あくまでも計算上の数値ではあるが、いかにライダーが冬に過酷な環境で走っているのかわかるはずだ。
風によって体温を奪われやすい場所は?
次に、体温を奪われやすいポイントとはどこになるのだろう。これも体感的にライダーは分かると思うが、首、手首、足首が体温を奪われやすい箇所となる。この部分は血管が体の表面近くを流れているため、風を受けると他の箇所に比べ体温が奪われやすい。また、指先と足先は心臓から遠いため血行不良や冷えを生じやすい。つまり、ここの防寒対策をすれば寒さを和らげることができる。
風が当たる場所を防風アイテムで防御!
防寒方法は大まかに分ければ二つあり、一つは防寒効果の高いウインターウエアを着ること。二つ目は体温を奪う風を防ぐパーツ類をバイクに装着すること。すでに多くのライダーはウインターウエアを着ていることと思うので、今回はバイクに装着するパーツ類を紹介しよう。
手首、指先をがっちり防御
ハンドルカバー
バイクのスポーティな見た目はスポイルしてしまうが、用品価格と防風効果からみたらかなり費用対効果は高い。気温にもよるが厚手の冬用グローブでなくとも寒さを凌げる。春夏用グローブをそのまま使えるので、クラッチ&ブレーキ操作をしやすい利点がある。また、ハンドルカバーの着脱は簡単にできるものがほとんどなので、気温が高い時期は取り外しておけるし、基本的には汎用品なので車両を乗りかえても使うことができる。このハンドルカバーに使い捨てカイロを入れれば、さらにハンドルを握る手はほっかほかだ!
レバー類の保護と防寒に使える
ハンドルガード
ハンドルカバーほどではないが、オフロードバイクによく装着されているハンドルガードも防風効果があり、防寒パーツとして使える。一般的なハンドルガードはオンロードバイクには馴染みにくい形状で装着する車両を選ぶが、中にはオンロードバイクにもマッチするデザインの商品も発売されている。防寒だけでなく、雨の中を走る時に指先が濡れるのも防ぎ、梅雨時にも高い効果を発揮してくれる。
電気の力でホッカホカ
グリップヒーター
防風ではないが、直接グリップを温めるグリップヒーターは言わずもがな防寒対策として効果的なアイテムの一つだ。取り付けが多少面倒であったり、車両の発電能力によっては取り付けが難しかったり効果をあまり望めない場合もあるため、取り付けを躊躇しているライダーもいるかもしれない。だが、グリップに巻き付けるものや、小排気量向けに開発されたものもあるので、是非とも愛車への導入を検討してほしい。最初に紹介したハンドルカバーと合わせて使えば、指先の寒さなんて微塵も感じない最強の防寒対策の完成だ!
胸から頭部に当たる風をキャンセル
ウインドシールド
ハンドル周りの防寒に加えて導入したいウインドシールド。小さなものであっても、かなり効果的に身体に当たる風を軽減できる。走行風による疲労も抑えられるので、長距離ツーリングを楽しむライダーにも効果的なアイテムだ。