「寒いからキャンプは春までおあずけか…」
そんな考えをしているキャンプ好きのみなさん。
冬はシーズンオフなんかじゃありませんよ! むしろ春秋よりも楽しめる季節なんです!
この記事では、そんな冬キャンプをより楽しむコツを、筆者(サブロー)の体験談を交えながらご紹介。
野宿から渓流泊、雪中まで、計300泊のキャンプで得たノウハウをお伝えします!
なぜ冬キャンプがいいのか?
こんにちは。ライターのサブローです。
ボクが冬キャンプをオススメする理由はコレ!
☆印はオススメする理由の「重要度」です。
重要度が高い3つについてカンタンに解説します。
暑くない
寒さは道具や服装を工夫すれば防げますが、暑さは全裸になっても防げません。
暑さで寝苦しい夏キャンプを経験した人ならきっとわかってくれるはず…。
星がキレイ
これ、空の下で過ごすキャンプではとても(×10)大切なポイントです。
冬キャンプは空気がとてもクリアで、星や月、周囲の景色がキレイに見えます。
その理由は大気中の水分量。
寒いほど水蒸気の濃度が低く、かすみが少ないんですね。
結果として空気が澄むわけです。
達成感がデカい
ボクの場合「今まで経験したキャンプで楽しかった思い出は?」と聞かれると、冬キャンプのエピソードが圧倒的に多く、しかも鮮明に記憶に残っています。
そう聞くとまるで楽しいことばかりのように思えますが、実際のところ「冬キャンプは大変」ですよ。
なので「大変なことを逆に楽しんでやるぜぇ」くらいの気持ちで望んでください。
大変だからこそ工夫するし、念入りに計画するし、ワクワクハラハラする。
そんな思いでキャンプを楽しんだ結果、「やりきった!」という大きな達成感を得られるわけです。
気温1ケタからマイナス20℃まで体験した結果
必要な道具はコレだ!
まずは、キャンプ道具の基本となる3つ、シュラフ(寝袋)、マット、テントから。
それぞれの冬キャンプにおける優先順はこんな感じです。
シュラフ>>>マット>>>>>>>>>テント
ただし、風が強かったり、雪が降ったりしている場合はテントの優先順位が高まります。
その解説はのちほど。
シュラフの選び方
シュラフの暖かさを示す数値が「快適使用温度」と「限界使用温度」。
たとえば快適使用温度0℃/限界使用温度‐5℃のシュラフだと、以下の意味になります。
・快適使用温度:0℃→快適に眠れる気温は0℃まで
・限界使用温度:-5℃→「工夫しだいで」快適に眠れる温度は-5℃まで
この「工夫」とは、ダウンジャケットを着込むなどの防寒対策をしてシュラフに入ることですね。
このあと紹介するエマージェンシーブランケットと組み合わせる方法もオススメです。
とはいえ、寒さの感じ方は個人差がありますので数字は目安でしかありません。
寒さに弱い人はシュラフの表示温度より「プラス5℃」が快適に眠れる環境だと思ってください。
あとは中綿の素材にダウンor化繊のどちらを選ぶか。
バイクに積載することを考えるとダウン1択です。
ダウンの方が圧倒的にコンパクトになり、寝心地もいいからです。
ダウンは高価ですが、シュラフこそ冬キャンプでもっともお金をかけるべきアイテムです。
ここはケチらない方が長く楽しめますし、後悔しません。
ボクは安さに負けてデカい化繊シュラフを買って後悔し、あとからダウンシュラフを買い足しました…。
マットの選び方
秋の終わりごろ、富士山ふもとの森で野宿していると地面からすさまじい冷気を感じて熟睡できなかったことがあります。
いわゆる底冷えというやつなんですが、この現象は温度の伝わり方が気体と個体で大きく異なることで起こります。
たとえば人間は80℃のサウナに入っても平気ですが、80℃の鍋に触れるとヤケドしますよね?
それと同じ。大気よりも地面の方が温度(冷気)を人体に伝えやすいんです。
この原理で考えると、有効なのはエアーマットorコット。
背中と地面の間に空気の層をつくることで冷えの伝わりをやわらげるわけです。
理想はコットですが、バイクに積載することを考えるとエアーマットがお手軽ですね。
テントの選び方
「冬用テント」と名の付くものであれば、どれを選んでも大差はない……というのがボクの考えです。
幕内でストーブなどを使うなら話は別ですが、今回はバイクキャンプですのでその点は割愛します。
もっとも重要なポイントは「スカート」と呼ばれるフライシートの裾から地面までを覆う大きな布が付いているかどうか。
これはテント内の空気を漏れにくくして保温性を高める装備です。
風が強い場合はとくに重要ですね。
なお、冬用を謳っているテントなら普通はスカートが装備されています(装備していない冬用テントは怪しい商品です。買うのをやめましょう)。
そのほかのお役立ち道具 TOP3
ここからは、ボクが冬キャンプで「使える!」と感じたアイテムを3つ紹介。
定番のモノを挙げると当たり前のランキングになってしまうので、「使い捨てカイロ」とか「焚き火台」などは除外しています。
【1位】エマージェンシーブランケット
薄手のアルミ素材で作られた防寒用シート。要はでかいアルミホイルです。
人間の体からは赤外線が放出されています。
そもそも温度をもつすべての物体からは赤外線が放出されています。
このでかいアルミホイルは、人体から出た赤外線を反射させ、シート内の熱やエネルギーを逃さない製品です。
この効果のおかげで見た目に似合わずかなり暖かいです。
1つ数百円と安価で、さらにコンパクト&軽量なので冬キャンプではお守り代わりに持っておくといいでしょう。
【2位】気温計
寒さ対策というよりも「次回以降のキャンプに活かす」ための道具です。
あのときは◯℃であの装備だったから今回はこの装備でいこう、…という経験づくりをするためです。
最低気温が表示されたときの写真を備忘録として残しておくのもいいですね。
【3位】中綿入り長靴
マットの項目で解説したとおり、地面からの冷気は気温度以上に寒く感じます。
その対策として防寒性の高いライディングブーツを履くことも有効ですが、ボクはゴツすぎるブーツだとキャンプでリラックスできません。
その代わりに使っているのが中綿入りの長靴。保温性がかなり高いです。
防水のモノだとさらに安心ですね。
冬キャンプを楽しむコツは「場所選び」
つまり「夜にどれだけ寒くなる場所なのか」を事前に知ることが大事です。
「最低気温」と「標高」。
少なくともこの2つは天気アプリを使うなどして必ず把握しておきましょう。
ちなみに標高は100m高まるごとに気温が約0.6℃下がります。
このほか、海や湖畔の近くは日没後に気温が下がりやすいこと、山のふもとは吹きおろしの冷たい風が激しいことなども覚えておきたポイントです。
ちょっとマジメな話をすると、装備と準備が十分でない冬キャンプは避ける。これは鉄則です。
でも逆に装備(とくにシュラフ&マット)が十分であれば氷点下を大きく下回る場所でもキャンプは可能です。
自身の装備・経験とよく相談して冬キャンプの場所を決めましょう。