モータークリニック ストラーダの渡辺健さんに、今回は洗車を教えてもらいました。オイル交換もなめたらいかんのですが、洗車もなめたらいかんやつですよ! 洗車というのは、メンテナンスの基礎です。洗車をしっかり取り組むことで、マシンの状態を把握することができるのです。さらに、洗車ってのはかなり腕の差が出ます。洗車術、知らないと損しますよ!!
渡辺健さん/藤波貴久・小川友幸選手をはじめ、トライアルのトップライダーとの交流も深く、自身もトレールをつかったオフロードバイク遊びを提案したり、ライテク講座を開催してきた、オフロードの伝道師。現在は、バイク修理専門の「モータークリニック ストラーダ」を運営中
洗車はまずルックスから! レインコートを着る、あるいは渡辺さんのようにエプロンが有効です。濡れてしまったらキブンも台無しですもんね。シューズも防水が望ましいです。渡辺さんは男前なので、長靴ではなく防水が効いたライディングシューズで登場してくれました〜。
ケミカルの進化を甘く見るな!
洗車は、もしかしたら今ではもっとも昔と事情のかわるメンテかもしれません。なぜなら、簡単な洗車機や、有能なケミカルが増えているからです!
そこで取りそろえたのがこの5本。この5本があれば、オフロードバイクが見違えるようにキレイになり、そしてチェーンもしっかり整備できてしまうわけですね。
MAXIMA
バイオウォッシュ
容量:32oz(946ml)
品番:MX51-85932
価格:¥1,760(税込)
マットフィニッシュクリーナー
容量: 473ml (16oz)
品番: MX51-80-90916
価格: ¥1,760(税込)
SC1
容量: 17.2oz(508ml)
品番: MX51-78920
価格: ¥2,200(税込)
クリーンアップ
容量: 15.5oz(440g)
品番: MX51-75920
価格: ¥2,420(税込)
チェーンガード
容量: 6.0oz(170g)
品番: MX51-77908
価格: ¥1,540(税込)
ちなみに、こちらのバイオウォッシュは、下田丈のメカニックであるマットも愛用しています。こちら、アウトドアモトクロスで取材した1枚ですが、ヒート間に洗車機で洗わずバイオウォッシュだけでみなりを整えていたんですよね。バイオウォッシュをスプレーして、タオルでふきとるだけで仕上がって行っちゃう様は、ちょっとしびれました。
こういうクラッチカバーなども、スプレーしてからエアでバシュっと汚れごととりはらっちゃうんです。レースに関わる人だと、洗車しないことにもちょっと驚きですよね。せっかくセットアップした状態を少しでもくずす要因をつくらないようにしているんでしょうか。彼らはレースがおわると、エンジンをおろし、補機類を取り払い、フレーム単体まで全部バラします。個々のパーツ毎に洗浄して、設定したとても短い耐用時間を越えたパーツは取り替えます。究極の洗車術です、ある意味。僕らは、まず普通に洗車から覚えましょう(笑)。
バイクは横倒しで洗うべし
まず強くおすすめしたいのが、バイクを横倒しにすることです。ロードバイクの洗車では考えづらいのですが、オフロードバイクの場合、土が見えないところにたくさん残ってしまいます。もちろん、環境がそれを許さない場合もあるはず。そういう場合は、車体の上から下へ洗車するようにしましょう。また、バイクを倒す場合、キャブレターバイクなら、キャブからガソリンを抜く必要がありますよ。
サイレンサーには、水がはいらないようにキャップをしておきましょう。ちなみにこれ、洗車したあとにとらない人多いと思いますが、サイレンサーの中が乾かなくなってしまうので、おすすめしません。洗車時だけつけるのがベストです。
UNIT
サイレンサープラグ
品番 : UN-E8802
カラー : ブラック
価格 : ¥759(税込)
サイズ : S(パイプ内径15~30mmに対応)
品番 : UN-E8804
カラー : ブラック
価格 : ¥792(税込)
サイズ : L(パイプ内径30~50mmに対応)
こんな感じで、泥が残ってしまっているのがオフロードバイクの特徴です。このKTMは、サンドコースで走ったあと軽く洗車してあるんですが、こうやってたくさん泥が残っています。
早速、バイオウォッシュをスプレーしていきましょう。バイオウォッシュは、その名の通り100%生分解の洗剤なので、環境にやさしくてエシカル!
フェンダー裏は、だいたいこんな形で反対側だけ洗えていることた多いですね! ここもスプレーしておきましょ。
見逃しがちな、フォークのボトム。ここもスプレー!
タンクの裏側、フレームの内側なども泥が堆積しやすいです。
意外にも、レバー類の裏側とか汚いんですよ!
10分くらい泥が浮くのを待ってから、洗車機で流していきます。夏場は早めのほうがいいですねぇ。洗車機がない場合は、水道水で泥を流しながらブラシでこすりましょう。
左がBefore、右がAfterです。バイオウォッシュで、ここまで泥が落ちてくれるのです。これ、ブラシで擦ってないですからね!
ざっと最後に全体を流し、裏側も同じように洗いましょう。バイオウォッシュは、塗装・プラスチック・アルマイト・ゴム等のデリケートな部品には優しく、含まれる粒子に粒子はアルミ・マグネシウム等の合金を保護する効果があります。これをつかって洗うだけで、金属類のコーティングが完了してるわけですね!
濡れてる内にSC1をぶっかける
通常、クルマでもバイクでも、ここから拭き上げてワックス…ですよね。
ところが、濡れている内にSC1をぶっかけていくのが渡辺流です。SC1は、アメリカンな匂いがして、それだけでキブンもあがります(笑)。
車体内側も…
フレームも…
ブレーキ以外のマシン全体を、SC1でコーティングしていく感じです。
なぜ濡れたままの状態でSC1をかけていくのか。それは、水滴をおとすためなのです。シリコンスプレーであるSC1をかけると、マシンの表面にシリコンの膜ができることで、水を弾くようになります。つまり、SC1を塗布するはじから水滴がおちていくのです。みてくださ、このフレーム部分。水滴が落ちているのがわかりますか? あとは、このままさっと拭き上げるだけで艶が出ます。
洗車→拭き上げ→ワックス→拭き上げの4工程が
洗車→SC1→拭き上げの3工程
になるわけです。さらに言うと、拭き上げの労力がめちゃくちゃ楽です。タオルも無駄になりません。最高です。
ひと味ちがうプロの仕上げに。マットフィニッシュがマジ優秀
そして、仕上げとしてコレを紹介しておきましょう。マットフィニッシュクリーナーです。艶の出ないフィニッシャーなんですよ! ブラックのプラパーツが多いオフロード車では、すごく有効なケミカルです。
ちょうど汚いクロスカブ110のホイールがあったのでテストしてみましょう。
キラっとしないけれど、少し濡れ感のあるしっとりした仕上がり。
こちらはもっとわかりやすいですよ! フォークのインナーガードですが、右がマットフィニッシュで、左が一般の艶だし剤(クルマに使う超有名なアレです)。どっち使います? 圧倒的に、マットフィニッシュのほうがカッコイイと思いません?
text&photo RIDE-HUCK
RIDE-HUCK掲載日:2022年2月4日