みなさんこんにちは。
フラッグシップの上野です
今回は靴の構造についてお話をしたいと思います。
まず、シューズとブーツの構造と製法を少しお話ししますね
主に底付け製法の仕方で名前があります
①マッケイ製法
②グットイヤーウェルト製法
③セメント製法
④ステッチダウン製法
⑤プラット製法
⑥ダイレクトインジェクション製法
⑦ステッチ&リターン製法
底付け製法の名前ではないのですが
⑧モカシン製法
⑨ボロネーゼ製法
と言うのもあります。
まー、沢山製法がありますね〜。
ある世代にとっては 「これ グットイヤーウエルト製法だからソール交換できるんだ!」
昔レッドウィング信者だった!? 私もそれを耳にしましたが、
他はナンジャラホイ?という感じだと思いますので 今回は製法を絞ってお話しします。
よく目にする二つの製法
オートバイ用品店でよく見かけるのがその②グットイヤーウェルト製法と③セメント製法
の二つだと思います。
オートバイ用で②グットイヤーウェルト製法は、
主にエンジニアブーツや編み上げのワークブーツで見かけます。
すり減ったソールを交換できるのが嬉しいですね。
日頃のメンテナンスをしながらソール交換もすれば一生物になるかもしれません。
しかし、メインになるのはやはり③セメント製法で、弊社のシューズ・ブーツもこの製法です。
製造工程が少なく、構造的にも簡単で軽く、屈曲性が極めて高く量産向なんです
調べによるとバイク用だけでなく現在の紳士靴のおおよそ70%、婦人靴の90%以上が、
このセメント式によって作られているそうです。
ソールはフットウェアの要!
ではソールについて少し掘り下げましょう
ソールと言われる部分は、アウトソール、ミッドソール、インソールの3つで構成されています。
ソールの素材は?
3つの部分からできているソール。その素材を順に見ていきましょう。
先ずはアウトソールの主な素材。
地面と直接触れる接地部分で主な素材として
1、ゴム(天然ゴムと合成ゴム)
2、PVC(ポリ塩化ビニール)
3、PU(ポリウレタン)
4、EVA(エチレン酢酸ビニール)
5、牛革
があります
続いてミッドソールの主な素材
1、EVA(エチレン酢酸ビニール)
2、PU(ポリウレタン)
最後にインソール
1、EVA(エチレン酢酸ビニール・PU(ポリウレタン)・不織布・カーボン素材・コルク・・・等々
実に様々な素材があります。
これらを組み合わせて用途にあった靴が作られるわけですね
靴底の素材により靴の性質が決まると言っても過言では無い気がします。
具体的な例として弊社のセメント製法で作られたブーツを半分に切ってみました。
わかりやすい様に図解したものがこれです。
ここにシャンクと言われる謎な単語が出てきましたが、これはなんじゃらほい?
ちなみに弊社のブーツに使われているのが金属製のシャンク。
簡単に言うと「バネ」ですかね……。てこの原理を使い反発する力を利用するものです。
シャンクの素材も様々で古くは木製のものもあったようですし、
金属製や強化プラスチック製、
僕らバイク乗りが大好きなフレーズ……カーボン製!!等々。
箱根駅伝で多くのチームが履いて話題になった〝ナイキ厚底シューズ〟なるものを耳にしたことがあるかと思います。
あのシューズ、乱暴な言い方をするとインソールが一枚のカーボン製で、その反発力によって推進力を得るという、インソール全体がシャンク的な感じ? といえば分かりやすいでしょうか。
ただし、反発力があるからといって誰が履いても速く走れるというわけではなく、靴に合った走り方が要求されるんですよねぇ。
はっ・・・ここではナイキシューズは置いといて(笑)。
実はこのシャンクいい働きをしてくれてます。
みなさんは普段履いている靴として、昔のバスケットタイプとかスケートボードタイプで
1日歩き回って土踏まずが痛くなったり、足の指がツルと言った経験はありませんか?
それはその靴にシャンクが入ってないからかもしれません。
私も以前、グニャグニャ柔らかいソールにアッパーがニット素材で伸びるシューズを履いていましたが、これが疲れる疲れる。
それはソールに力が伝わらず、アッパーでも足がホールド出来ていなかったからなんですね。
靴はソールとアッパーのバランスがとても大事なことだと痛感した出来事でした。
バイク用シューズも見た目も大事ですが、
ソールがしっかりしているものを選びましょう!!
ソールが柔らかいとシフト時やブレーキング時にしっかりと力が伝わらない恐れがあります。
これは非常に怖いことなのでしっかりとした物を選んで頂きたいです。
さて、次回そんな『安全面』でのシューズのお話ししたいと思います。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
【FlagShip・フラッグシップ】
オートバイ専用のジャケット、パンツ、グローブなどのウエア類からバッグ、アクセサリーまで幅広くライディングギアをラインナップしているFlagShip(フラッグシップ)。 エルフ(ELF)の日本正規販売元オフィシャルメーカーでもある。
【執筆者・FlagShip企画室 上野時夫】
ライディングジャケットはもちろん、バイクでライディングする時に使用するギアに至るあらゆるものの企画を担当。素材から製造まで幅広い知識をもつ。
初めてのバイクは国産アメリカン。そこからなぜか旧車に目覚めAT90なる1965年生の90cc2サイクル2気筒の謎なバイク(音が最高でした……)を所有経験あり。その他にも色々乗り、大型自動二輪免許を取得してからはアメリカンに再び戻りハーレー・ダヴィッドソンを経て、これまた何故かオフロードに目覚める。現在WR250Rとカブを所有。