コロナ禍が過ぎ去り、北海道にもインバウンドが戻ってきました。その一方で「オーバーツーリズム」と言う言葉が使われるなど、有名な観光地は外国人観光客で溢れ返っています。三笠市にある「湯の元温泉旅館」は、「北海道をツーリングするなら静かな夜を過ごしたい」というライダーにピッタリな宿です。
三笠は歴史的遺産か溢れている
三笠市は北海道中部(道央地方)に位置する街です。明治時代から炭鉱で栄えました。現在も街のあちこちに立坑(垂直に掘削された 坑道)や炭住(炭鉱従事者の社宅)などが残され、炭鉱の歴史を伝えています。
ダム建設の宿舎だった湯の元温泉旅館
三笠を通る国道452号は、札幌から富良野へ向かう近道として利用されています。通り過ぎずに宿泊してほしいのが、桂沢湖近くにある「湯の元温泉旅館」です。昭和30年代に桂沢ダム建設の寄宿舎として使われていた建物を、初代のオーナーが買い取って温泉宿に転用しました。その後、さまざまな人が承継し、現在は「ブルート一生」のリングネームで全日本プロレスに所属していたこともある杉浦一生さんが4代目オーナーを務めています。
館内の雰囲気は昭和そのもの。開業当時から殆ど変わっていません。ロビーではヒグマやエゾシカのはく製が迎えてくれました。
和室
ドミトリー
客室は和室タイプと、ドミトリータイプのシェアルームを用意。和室タイプの客室は人数に応じて、ドミトリータイプのシェアルームは2段ベッド上下のどちらかが用意されます。滞在時間やセルフサービスの有無によって、お得な料金設定があるのも嬉しいです。
すぐ近くに自然を感じる温泉
温泉は、単純硫黄冷鉱泉 (中性低張性冷鉱泉)で天然温泉100%。神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺などに効果があり、ツーリングの疲れを癒してくれます。露天風呂に浸かっていると、野鳥の鳴き声が聞こえてきました。
代々うけつがれた名物の鴨鍋
「鴨鍋」は、湯の元温泉旅館に受け継がれた名物料理です。先代から引き継いだ醤油ベースの出汁と、厳選された良質な鴨肉を使用。豆腐は地元の豆腐屋から仕入れるなど、地産地消にもこだわっています。他にも鴨を使った料理があり、食事だけの利用も可能です。
通年型キャンプ場「スギウランド」を併設
「せっかくの自然を楽しみたい」と言う人には、併設するキャンプサイトをお勧めします。
「旅館の周辺を散策していたら、草に覆われた裏山を見つけました。そこは池があり、ご神木のような木がそびえているワクワクする場所でした」と杉浦さんは言います。
杉浦さんは協力者とともに裏山にキャンプ場「スギウランド」を作りました。10区画あるテントサイトは広く分散し、一人の時間を楽しめるようコンパクトに区切られています。旅館に隣接しているメリットを生かして、キャンプ場に合鴨鍋や生ビールをデリバリーするサービスも実施まるで「森の中にある居酒屋」です。
キャンプサイトへのバイクの乗り入れは可能ですが、オートキャンプ場のような電源はありません。トイレや水場はすぐそばの旅館の設備を使ってください。また、周辺にスーパーもコンビニもありません。買い物は三笠市街地で済ませましょう。
キャンプ場は、アウトドア好きのために通年営業しています。三笠は雪が深く、気温もかなり低くなります。もし過酷さに耐えきれなくなったら旅館に泊まればOK。とりあえず命の危険は免れますよ。
謎のレスラー北海熊五郎に会える?
杉浦さんは、北海道を中心に興行している『北都プロレス』で活躍するレスラー『北海熊五郎』のマネージャーを務めています。体格は瓜二つですが、別人と言い張ります。ぜひ宿泊して真相を探ってください。
湯の元温泉旅館
所在地:北海道三笠市桂沢94
電話番号:01267-6-8518
ホームページ:https://yunomoto-onsen.com/