夏と言えばツーリング、ツーリングと言えば北海道。その中でも「ニセコエリア」は人気のコースです。今回は札幌から羊蹄山麓を通りぬけて、ニセコパノラマラインから日本海を目指すツーリングを3回に分けて紹介します。Vol.1では、80年代のテレビで人気の指圧師や大物演歌歌手ゆかりの地である「喜茂別町・留寿都村・真狩村」を紹介します。
年間40万個を売り上げる「あげいも」が名物「喜茂別町」
札幌を出発したバイクは快調に中山峠へと進みます。山頂付近に境界線があり「道の駅望羊中山」や「峠の茶屋」は喜茂別町に位置しています。
カントリーサインは羊蹄山とアスパラ。茶色い球体で映えないかも知れませんが、やはりここは中山峠名物「あげいも」にして欲しかった!
ジャガイモは、羊蹄山麓のどこの町でも生産されていますが、それを揚げただけで年間40万本も売り上げる名物に昇華させるとは喜茂別町おそるべし!
山頂の下り車線側に「道の駅望羊中山」、上り車線側に「峠の茶屋」があります。茶屋は2019年に音楽好きなオーナーが承継して「山カフェ」としてリニューアルしました。名物のあげいもは、道の駅は甘い味つけ、山カフェは若干の塩味とスパイスが効いているなど違いが楽しめますよ。
カタカナで書いた方が分かりやすい加森観光の城下町「留寿都村」
喜茂別を過ぎると、パラグライダーと観覧車がデザインされた留寿都村のカントリーサインが出現します。現在のルスツリゾートの前身は、1972年に埼玉県に本社を置く大和観光が開業した「大和ルスツスキー場」で、同社の経営が悪化に伴い、1981年に「加森観光」に経営譲渡されました。遊園地の遊具の多くも1982年に開催された「北海道博覧会」から移設されるなど、無駄がないリサイクルに徹しています。
6月上旬〜10月末まで、橇追山(ソリオイ)山頂からパラグライダー・タンデム飛行体験を実施。一人14,000円で空中散歩が楽しめますよ。
「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」のキャラではありません!
道の駅「230ルスツ」で一休み。ここには浪越徳次郎の銅像があります。80年代に放送された「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」では、豪快な笑い声から「アッハー浪越」、ジェットコースターに乗った際のリアクションから「ジェット浪越」などと茶化されていましたが、本来はマリリン・モンローを施術したこともある指圧の名人です。以前は近寄ると「指圧のこころ母ごころ、押せば生命の泉わく。アーッハッハ」と名調子を聞くことができましたが、故障しているのか、現在は何も言ってくれませんでした。ションボリ。
道の駅「230ルスツ」
住所:北海道虻田郡留寿都村留寿都127
「細川たかし」でおなじみ。羊蹄山が大きく見える小さな村
真狩村のカントリーサインは羊蹄山一択。山麓の自治体の中で最も羊蹄山が近くに見えます。
実は私、約4年半も真狩に住んでいました。
自然が豊かな村ですが、冬は豪雪に閉ざされます。さらには「地域の方がお亡くなりになった際、近隣住民が仕事を休んで葬儀一切を取り仕切る」という独自のルールも受け入れなくてはなりません。ツーリングコースとしては最高ですが、移住には相当な覚悟が必要です。
留寿都~真狩までの道は「フラワーロード」と名付けられています。ひまわりと羊蹄山とバイク。「夏全開」のシーンにテンション上がりますね。
レーザーラモンRGの物まねでおなじみ。演歌の大御所の出身地
この村を全国に知らしめたのが、演歌歌手の「細川たかし」です。真狩に住んでいたのは中学生までですが、1975年にデビュー曲「心のこり」が発売されると、村の人たちは何枚もリクエストはがきを送ったそうです。ちなみに「心のこり」は「私バカよね」とタイトルされる予定でしたが「キャンペーンで印象が悪い」との理由から変更されたそうです。
実際にお会いしたことがありますが、トークも上手でテレビで見る姿そのまま。「かたしちゃん」と呼ばれ親しまれた理由がわかる気がします。
そんな地元の英雄を称えて1994年に真狩河川公園に「細川たかし記念像」が建てられました。別名「歌う銅像」と呼ばれ、タッチするとヒット曲が流れますが、新型コロナウイルスまん延防止のため機能が取り除かれていました。そこまで神経質になると自販機もダメってことになっちゃいますけどねぇ?
真狩河川公園
住所:北海道虻田郡真狩村真狩
ツーリングはまだまだ続きます。Vol.2では「ニセコ町・倶知安町」のお気に入りスポットを紹介します。開発が著しい両町ですが、昔から変わらない場所や、リーズナブルな飲食店を訪れました。引き続き宜しくお願いします。