今年の夏もライダーには辛い猛暑続きとなったが、そんな夏もようやく折り返して少しずつ過ごしやすくなってきた昨今。今年こそはキャンプツーリングにいきたい!と意気込んでいるライダーも多いのではないだろうか。今回はそんなライダーの皆さんに向けて、初めてでもキャンプツーリングをきちんと楽しめるよう、しっかりとキャンプの準備をしておこう。
イメージしておくことで選択肢がかなり広がる
充実したキャンプツーリングを送るには段取りが8割。キャンプの準備と聞くと、最初にテントやチェアなどのキャンプ道具に気を取られてしまいがちだが、ここで大切なのはツーリングプランも含めた日々のタイムスケジュールをしっかりとイメージしておくこと。
ツーリングもキャンプもしっかり充実させたいなら、まずは出発地からキャンプ場までの所要時間や休憩ポイントを確認しよう。キャンプ道具を車載している分、いつもより無理をすることなく現地に到着できるペースで計算しておき、現地を気持ちよく走りたい場合は先にキャンプ場で設営を終えてしまってから走りに行くという選択肢も大いにアリだ。
次にキャンプ場に到着してからの設営や食事の準備まで、設営にかかる時間や工程をしっかりと確認しておこう。当日のキャンプ場の混み具合などは予想が難しいが、トイレや炊事場の場所に加えて、周辺のスーパーや温泉など、事前に集められる情報はきっちりと収集しよう。こうしてキャンプツーリング当日の解像度を少しずつ高めておく事によって、気になるポイントや問題点が浮き彫りになってくるので、目的地までのルートや移動ペースなどのツーリングプランを修正したり、思わぬところで足りない道具が出てきたりすることがあっても対策を講じることができる。
しかし、そこまでイメージしていてもツーリング当日にはトラブルや不測の事態というのは付きものなので、やはりイメージしておく事に越したことはない。逆に心配し過ぎても仕方がないのだが、気温や天気の急な変更、ツーリングルートや事故渋滞など、どうにもならない要素はひとまず置いておき、イメージすることで対策しておけるところだけ準備をしておく事によって、万が一のトラブル時だけでなく、キャンプツーリング当日にも選択肢をかなり増やすことができるはずだ。
設営と撤収をイメージしよう!
初めてのキャンプで意外に盲点なのが、設営と撤収の流れ。どんな手順でもキャンプを楽しむ事はできるのだが、慣れていないと何度もテントの場所を変えたり、撤収時に上手くパッキングできなかったりと、慣れるまで手こずってしまう事も。今回は基本となる設営と撤収の流れを紹介していこう。
【設営の流れ】
設営1. テントの設営
テントの設営はテントを張る区画が分かれていないフリーサイトの場合、まず最初に場所を決めよう。設営場所としてはなるべく平坦で周りのテントと適度な距離を保てる場所。この時にテントを張る方向としては、周りのキャンパーやロケーションだけでなく、陽の向きも意識しながら決めること。
設営2. 小物を用意
設営の順番としては大きい物から小さい物の順番に設営していくのが定石で、テントが張れたら次にテーブルやチェアーなどの小物を用意していく。そうすることで既に設営ができているテントの中も使うことができるので、ツーリングバッグだけでなくヘルメットやグローブなどもしまっておくことができる。
設営3. 寝具の設置
最後にマットやコット、寝袋などテントの中のアイテムを設置しておこう。陽が落ちて暗くなってしまうと作業効率がめちゃくちゃ下がるので、設営は面倒くさがらずに一気に片付けてしまうのがおすすめ。設営が完了してから思う存分ゆっくりしよう。これくらいの設営なら、慣れてしまえば15〜20分ほどだろう。
【撤収の流れ】
撤収1. 道具の清掃
まずはキャンプ中に汚れたアイテムを清掃しよう。キャンプ中の汚れは極力キャンプ中に綺麗にするのが鉄則だ。キャンプ道具は常に綺麗にしておくことで次の設営時にもスムーズにできるだけでなく、収納袋やバッグも汚れずに、アイテムも永く使うことができる。何よりこの時間もキャンプの醍醐味だ。
撤収2. テントの撤収
撤収の順番も設営と同じく、基本的には大きい物から小さい物の順番に撤収していくのだが、寝袋やマットなどのテント内のアイテムはテント内で片付けてしまった方が効率的だ。一晩寝た寝袋は湿気を含んでしまうので、起床時に天気が良さそうなら撤収時まで干しておくこと。
撤収3. 小物のパッキング
ツーリングバッグには重たい物の上に軽い物をまるでテトリスのようにしまっていくのがポイント。アイテムを広げておけるようなレジャーシートなどがあると便利だ。しかし、出先でコーヒーを淹れたい場合やチェアーを出したい場合などは何度もパッキングするのも大変なので、出しやすさも考慮しておこう。
バイクにあったツーリングバッグを選ぼう!
キャンプツーリングを行う場合、アイテムを車載する際に必ずと言っていいほど必要になってくるのがツーリングバッグだが、バイクと同じく、ツーリングバッグの種類も多種多様。ここではバイクやキャンプ、ツーリングスタイルに合わせていくつかのバッグを紹介していくので、自分にピッタリのバッグを選んでいこう。
まず紹介するのはベーシックなスクエア型のシートバッグとなっているヘンリービギンズ(デイトナ)のツーリングシートバッグBASIC。補強フレームが入っているので荷物が少ない時でも型崩れすることがなく、上面がフラットなためバッグの上にも荷物を載せやすいというのも嬉しいポイント。サイドポケットや荷物を固定するフラップベルトの数が多いだけでなく、さらに容量を確保することができる拡張機能がついているので、急な荷物が増えても安心だ。
シートバッグの取り付けが難しいバイクやシートバッグだけでは容量に不安がある場合に便利なのが、ヘンリービギンズのサイドバッグ。こちらのバッグは取り付け時にステーも必要なく、荷物をバイクのシート上でなく左右に振り分けることが出来るので、重心を下げてくれるのというのもありがたい。バッグ後方に角度がついているので、サイレンサーがお大きいバイクや角度がついているバイクにも取り付けやすそうだ。
やや小ぶりながらも拡張機能を使用した場合の容量は25Lと、日帰りくらいなら十分に収納力があるこちらはタナックスのWデッキシートバッグ。タンクバッグやサイドバッグと併用することによって、荷物に対してバッグが大きすぎないように容量を調節したい時に重宝するサイズなのである。拡張機能を使わなくても18Lというサイズ感は日帰りや1泊でも宿泊施設を利用する場合には十分に活躍してくれるため、普段使いにもおすすめ。
ウォータープルーフモデルとなっているヘンリービギンズの防水シートバッグ。手入り口は防水性の高いロールトップは荷物をまとめてドカッと詰め込むことができ、バイクにつけっぱなしの時や走行時の急な雨でも安心。ただし小物などはバラバラになってしまうので、ケースなどでまとめておくのがおすすめ。また、バッグ自体に補強フレームなども入っていないので、テーブルなどを下に敷くと安定する。
ROYAL ENFIELD / INT650 : impression
トラディショナルなスタイルながら、LEDヘッドライトやアルミキャストホイールを装着するなど、細部の作り込みが各所に光るINT650は648㏄の空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブエンジンを搭載。217㎏という車重はどこでも手軽にという印象でこそないものの、低速からトルクフルでスムーズに吹け上がるエンジンは走り出しから巡航まで扱いやすく、シート高も805㎜と足つきが良いのも嬉しいポイント。これなら街乗りから長距離ツーリングまで、軽快さと安定感が絶妙にバランスしているナイスミドルな一台だ。